リージェンシースタイル コロマンデルウッド レターボックス 


今から何と200年以上前!18世紀末から19世紀初めごろ、
英国リージェンシーの時代に製作されたレターボックス(手紙入れ)です。
当時の王侯貴族に珍重された、コロマンデルウッドCoromandel woodで製作された高級骨董になります。

・・レターボックス、といっても、もちろん「郵便ポスト」ではありませんので、誤解なきよう。

こちらは鍵付きの小函なので、大切な書面やお手紙などを保管していた貴重品入れ。
天蓋にはスリットが設けられていて、蓋を開けずに投げ込むことができるように工夫されています。

アンティーク雑貨のマーケットでは、結構お古いレターボックスは見かけたりもしますので、
当時の貴族たちには人気のアイテムだったのでしょう。

それも19世紀以前の骨董小函といえば、各国の植民地から「銘木」といわれる貴重材を使用した高級骨董がほとんど。
いかにお金持ちのぜいたく品だったか、容易に想像することができますね。

例えば、そんな小函にどんな貴重材が使われていたかといえば、有名どころではローズウッドやキングウッド、
そしてこちらのコロマンデルウッドなどが上げられると思います。

いずれも大判の取れない希少材なので、薄くスライスして化粧材として使われることが多く、
(といっても、アンティークの化粧材は現代の小数点以下の突板とは違って、1mm厚以上はあります。)
小物や家具の装飾に主に使われていました。

キングウッドはフランス・ルイ14世や15世の時代に人気があったそうで、
ローズウッドはイギリス・ジョージアンの時代が全盛期。

コロマンデルウッドに関しては、ちょうどこちらの小函が作られたのと同時代、
イギリス・リージェンシーの時代に珍重された、といわれています。

そもそもコロマンデルウッドというのは、日本(アジア)でおなじみの「黒檀(こくたん)」のイギリスでの俗称。

黒檀は、中国では紫檀、花梨とともに「唐木」の3大銘木の一つとされているのはご存知の通りで、
日本でも間違いなく銘木ですし、黒檀の座卓などは最高級家具の一つですよね。

英名では正式には、エボニーebony。
一般的にはイースト・インディアン・エボニー、あるいは本黒檀を指していて、
黒っぽければ黒っぽいほど人気が高い、とされています。

帝国主義時代、イギリスの植民地となったインドでは、
本国イギリスに輸出するための家具が盛んにつくられるようになりました。

特に高級品とされていたのが、この黒檀ベースに象牙装飾をあしらった家具。
このような家具が持てたのは、王侯貴族だけだったことでしょうけど、ね。

いわゆる”エボニーevony&アイボリーivory”、(黒と白)というフレーズです。
ピアノの鍵盤も白(象牙)と黒(黒檀)ですよね。
かつて、そういうタイトルの歌もありました。

こちらのボックスについては、おそらく英国国内で製作されたものでしょう。
黒と白ではなく、黒と金。

リージェンシーの家具を見ていただくとお分かりになるかと思いますが、
黒っぽい地色に金のアクセントをあしらっている家具がとても多い。

きっと当時のトレンドカラーだったのでしょう。

まあ、国内製にせよ、植民地製にせよ、当時、このような手の込んだアクセサリーケースを入手する事ができたのは、
間違いなく、相当なお金持ちだったことでしょう。

そんな当時の高級民芸品ですが、その一方、現代的な視点でも素晴らしい高級骨董と思います。

無垢のハードウッドをベースに削りだして製作した複雑な2段構成ながら、すでに1世紀以上という歳月を経ていながらも、
目立った歪みを見せることなく、当時のままの端正なフォルムをキープし続けています。

内装も当時のオリジナルと思われ、内張りには本革が使われているようです。

無垢の工芸品という観点でもその製造品質はトップクラスです。

ロックも生きていますし、何よりカギもリージェンシーオリジナル。
デニムが作った合鍵ではありません。

さらにその木肌は100年という時だけが作り上げることのできる“パテナ(古艶)”を身にまとって、
より一層輝きを増しています。

現代ではまず復刻不可能な、「奇跡」のようなレターボックス。

アンティーク上級者のコレクションとしてお勧めいたします・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 99,360 円
参考市場価格: 96,600 円
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