ミッドヴィクトリアン ブラジリアン・ローズウッド ペデスタルテーブル

ビッグニュース、究極のダイニングテーブルが入荷いたしました。
大変すばらしいブラジリアン・ローズウッドの最高級アンティークテーブルです。
今から約150年ほど前、19世紀半ば、ヴィクトリアン中期のイギリスで製作された、
ネオ・バロックスタイルのキャスター付きダイニングテーブルです。
・・いやはや、こんな大きなローズウッドの天板を持つテーブルなんて。
きっと、かなりのアンティークマニアの方だって見たことはないでしょう。
ローズウッドは「木の宝石」などともいわれたりもしますが、
まさにこちらのテーブル、アンティークの「ダイヤモンド」といっても過言ではないでしょう。
だって、こんなに大きな天板のテーブル一面に、
全面に張り込まれた大判のローズウッドの化粧材なんて、今までに見たことありますか?
正確にいえば天板は左右対称の「2枚接ぎ(はぎ)」×2の計4枚で化粧張りされていますが、
これほど大きなローズウッドの単一の縞杢(しまもく)は、
かなりのローズウッドファンの方でも見たことはないのではないかと思います。
それもそのはず、なぜかというとローズの原木は幹が比較的細く、巨木はほとんど存在しないからなのです。
今までの記憶をたどっていただければ、納得いただけるかと思いますが、
ローズウッドは比較的小さい家具やテーブルなどの化粧材として使用されているケースが多くないでしょうか。
家具以外でも、雑貨や楽器など、小物の使用がほとんどです。
近年では、1992年にワシントン条約のレッドリストに指定され、原木(丸太サイズ)での輸出入が禁止されたため、
大きな面取りができなくなってしまった、という事情もありますが、
19世紀のアンティークの時代にはそのような制限がなかったはずですので、
加工さえ可能であればローズの大判も使用が可能だったはず。
にもかかわらず、ほとんど見られる事がないのは、そもそもローズウッドは柾目(丸太からの平板の取り方)で
大きな面取りができなかったことを示しているのです。
これは筆者によるあくまで仮定でのコメントですが、このテーブル、
おそらくは日本に存在するローズウッド単板として最大クラスのサイズ、
世界的に見ても最大級の部類に入るものではないかと思っております。
また価格が高価なのは、単に入手困難な希少材だから、というわけではありません。
そもそもローズウッドはヨーロッパの宮廷家具などに好まれてきた逸材で、
古くはインド産のインディアン・ローズウッド(日本で言う本紫檀)が貴族たちに徴用されてきました。
18世紀の植民地時代になると、ブラジル産のローズウッドがインド産と同種である、と評判になり、
それ以降は家具材などに、より杢の華やかなブラジリアンローズに人気がシフトしていきます。
さらに20世紀半ばにはブラジル政府の資源保護のための輸出規制により、
ブラジリアンローズはブランド化することとなり価格が高騰、したがってローズウッド製のアンティーク家具は
ほとんど全てが入手困難なコレクティングファニチャーと化してしまった、というわけなのです。
そんな時代背景の中にあって、確かに高価ではありますが、これほどの「歴史的遺産」を入手できた、というのは、
デニムにとっては、ビッグニュース、というのもご理解いただけることでしょう。
何せ、ベースの脚周りはマホガニー製かな、と思いきや、どう見てもこれは無垢のローズウッド。
支柱の材には化粧張りがされているのでベース材はマホガニーと思われますが
接地している3本脚は間違いなく無垢のブラジリアンローズと思われます。
堅く加工性の悪いローズウッドの無垢材に、これほどの見事な彫刻を施す点などを見ても、
こちらは貴族お抱えの優秀な家具工房がハンドメイドで製作したものであることは自明の事実。
見る人が見れば、このテーブルの価格には妥当性がある、とご理解いただけるものと思っております。
・・なんて、前置きが長くなってしまい申し訳ございません。
素材のウンチク話にばかり終始してしまいましたが、こちらのテーブル、
骨董家具としての価値だって超・一級品です。
なぜなら、現在出回っているそれら“ペデスタル・テーブル”のルーツとなるモデルだから、です。
ペデスタルテーブルが誕生した1世紀半前、そのリアルタイムな時代に作られた
正真正銘、本物です。
“ペデスタルPedestal”テーブルとは、テーブルの脚が四隅、あるいは両端にあるのではなく、
一般的に中央に1本、台座式に天板が支えられている構造をもつダイニングテーブルの総称です。
古くはイギリス18世紀半ばごろ、主に王侯貴族の朝食用テーブル(BreakFast Table)として多くみられたデザインで、
19世紀にはいるとヘップルホワイトなど、著名な家具デザイナーが自身のテーブルデザインに取り入れはじめました。
すると、こうした1本柱の台座式テーブルは瞬く間に広く普及することになりました。
といってもこうしたテーブルは、当時の平均的なダイニングテーブルよりも、
明らかにそのクオリティは格段に上。
素材やその彫刻や飾りの豪華さを見れば、流行していたのは富裕層の間だけ、ということが容易に想像できます。
当時も一般市民にとっては「高嶺の花」だったことでしょう。
まあ、それはともかく、貴族の間で普及の始まった19世紀前半あたりが
そのが「誕生期」と考えてよいと思います。
その後、ペデスタルテーブルは、小ぶりな“トライポッド”型の三つまたから
大きめサイズの四つまたも見られるようになり、
また、生活様式が変化とともにダイニングテーブルの拡大ニーズが高まったことから、
台座の構造も1本柱から2本柱、3本柱・・と増加し、
マルチレッグの“ピラーテーブル”Piller Tableも派生していきました。
おそらく現在のペデスタルテーブルの構造的なルーツは、
19世紀後半あたりに確立されているように思われます。
デザインはクイーンアン、チッペンデール、シェラトンから、オールドフレンチ、リージェンシー、
エドワーディアン様式(20世紀初め)とさまざまな影響を受け、
1970年に入るとモダンデザイナー、エーロ・サーリネンにも取り入れられるほど、普及しました。
ということで、ペデスタルテーブルが誕生した当時のリアルタイムなこちらのアンティーク。
厚みあるラウンドトップに、三つまた一本柱のペデスタル構造で、
やわらかなシルエットラインのフランス系デザインは、1860年ごろのヴィクトリアン・ネオバロック様式のど真ん中!
もっとも初期の3本脚デザインなので、1850年前後あたりの製作である可能性もあります。
コレクターズガイドによれば、19世紀オリジナルのペデスタルテーブルは、ウォルナット製のテーブルでさえ、
数年前までは£8,000〜12,000ほどの値段が付けられていた、ということです。
※現在1ポンド:140円くらいです。
こちらのテーブルは、英国のアンティークバイヤーが、素姓の確かなコレクティングファニチャーとして、
現地オークションで落札したものになります。
基本的に実用家具というよりもコレクタブルズ(収集目的のアンティーク)になりますが、
しっかりとしたつくりの良さは、間違いなく200年(あと半世紀)は十分に実用に耐えられると思われます。
インテリアとしても、“S”字を描くやさしい脚の曲線使いや、ゴージャスかつエレガントなレリーフのオーナメントは
不必要なデコレーションは廃することで、現代のインテリアスタイルにも対応するまとまりの良いデザインとなっています。
間違いなくデニムがかつて輸入した中でもトップクラスのテーブル、
もしかすると、現存している日本のアンティークテーブルの中でもトップクラス、
ということもできるのではないでしょうか?
一生をともにしたいアンティークテーブルをお探しの骨董ファンの方には、
ぜひお勧めしたい「至高の一品」といえそうです。
デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。
(Buyer/YM)
価格(税込):
559,440
円
参考市場価格:
543,900
円
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LOCKON CO.,LTD.