フィッシェルFischel ベントウッド アームチェア


20世紀初めに製作されたフィッシェルFischel社製ベントウッドアームチェアです。

こちらはベントウッドチェアの中でも、No14に匹敵するほどの有名なデザイン。
オリジナルモデルは、1902年、かのオットー・ワグナーがウィーン郵便局用にデザインした、
オフィスチェアがベースになります。

その「郵便局の椅子」については、確かトーネット社が製作したものと記憶しておりますが、
その後、JJコーン社など、当時の有力ベントウッドメーカー各社が、こぞってその人気デザインを採用し量産化。
トーネットではNo6000番台のシリーズとして販売されていました。

こちらのモデルは、その当時の名門ベントウッドメーカーだった、フィッシェルFischel社製。

20世紀のモダニティを感じさせる伝統のトップレイル、
スタンダードな花柄のエンボス座面、ウィーン曲線を描くリングストレッチャー、
そして何より、美しい曲げ木ラインを描く、アンティークならではのテーパードレッグ(先細り脚)。

オットーワグナーのオリジナルデザインです。

素材はもちろんアンティークならではのヨーロピアンビーチ。
木質の良いダークなアンティークブラウンがとても素敵です・・。

フィッシェル社はベントウッドの第一人者、トーネットThonet社のライバル会社。
トーネットの成功を見て、星の数ほどのベントウッド企業が乱立しましたが、
その中でも3本の指に入るほどの優良企業でした。

会社の詳細については情報不足ですが、19世紀のウィーン本社時代を経て、
20世紀にはチェコに大規模工場を設立するまでに発展していたことは広く知られています。
今でも当時製造された多くのアンティークベントウッドが現存しています。

フィッシェルはトーネットと同じように、戦後、現地(チェコ?)政府に摂取されてしまった会社の一つのようです。
戦前には、資料にはありませんが、どうも物資不足の折、トーネットと協業していた様子がうかがえます。

この時代にメジャーだったベントウッドメーカーは、最終的に現代のトーネットファミリー企業として、
集約されていくことになりました。

ちなみにこの商品モデルNo6003は、100年以上経た現在でも、
当時と同じ工場で、当時と同じ椅子が長く作りつづけられております。

製作しているメーカーは旧トーネット社のチェコ、ポーランド工場を引き継いだ民間企業です。

・・紛れもなく、歴史に残る「名作椅子」の一つ、
ベストセラーモデルと言って過言ではないでしょう。

そして、こちらがその一里塚、いや、マザーモデルと呼んでも良いでしょう、
リアルタイムな当時のアンティークチェアになります。

ぜひアンティーク上級者の方には押さえておいていただきたい、コレクティングファニチャーです・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 37,800 円
参考市場価格: 36,750 円
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