アルティメットクオリティ ジョージアン スーパーマホガニーチェストオンチェスト


英国家具史上「最高品質」と謳われる、“ジョージ・スリーGeorge V”の家具。

200年以上を経ても一切その実用性を損なわず、アンティークマーケットでも、常に「最高級」の評価を受け続ける、
18世紀後半の”レイト・マホガニー・ピリオド”、「後期マホガニーの時代」のマホガニー家具、
チェスト・オン・チェスト、あるいは通称”トールボーイTall Boy”。

ついに至高のアンティークがデニムに・・。(涙)

そう、まさにかつては「高嶺の花」でした。
リーズナブルな“ユーティリティ・アンティーク”(実用目的の骨董)をご提供したいと考えていたデニムでは、
ジョージアン・スリーのチェストオンチェストと言えば、“コレクティング・ファニチャー”(収集目的の家具)の代表格。
とても手の出せる範囲の骨董家具ではありませんでした。

それが今や、良いのか、悪いのか・・。

元来、ジョージアンの高級アンティークを好み、最も買い求めていたのはアメリカでした。
また通常、英国アンティークの主要な輸出先とされていたのはドイツで、
それらの主要輸出国のマーケットニーズがアンティーク家具の相場に大きな影響を与えていました。

それが2009年以来、いずれも世界的な個人消費の減速で、特に高価なコレクティングファニチャーの需要が低迷。
ジョージアンの高級アンティーク相場も例外ではなく、ここ数年でかなり下落いたしました。

またイギリスのポンド安が進んでいることもあって、日本から見ればさらに数年前では考えられない相場に。

それでも高価は高価で、まだまだ手を出せないクラスのアンティークがほとんどですが、
何とかちょっと背伸びすれば入手できる価格のアンティークも、
よくよく探してみれば見つけることができるくらいにまで時代は変わってきたのです。

おそらくこの先、2度と製作することのかなわない家具ですから、今はジョージアンの家具の買い時かも・・。
ということで、デニムもひそかに狙っていたチェストオンチェストをゲットすることに成功しました! (喜)

筆者は、このような絶滅危惧種の「希少銘木」を使用した無垢の家具は、
いずれ「宝石」同様に扱われる時代が来ると予想しております、例えば、公認機関への登録制になるなど。
・・が、はたして?

さて、そんな「家具の宝石」とも言えるジョージアン、それも“ジョージスリー”の時代の家具。
事あるごとにコメントで触れてきましたが、おさらいの意味でそのアウトラインからご紹介したいと思います。

ジョージアンとは、最も隆盛を極めたジョージ3世(GeorgeV 1760-1820)の時代を中心に、
“アーリー・ジョージアン”(GeorgeT 1714-1727)、“レイト・ジョージアン”(GeorgeW 1820-1830)も含め
18世紀前半から19世紀前半までの時代を総称しています。

そして、この時代に作られた家具は“ジョージアン”の家具と呼ばれ、
英国アンティーク家具の中でも最も質の高い良品が産出された時代と言われています。
これが「イギリス家具の黄金期」と呼ばれる所以です。

といっても、どこがすごいのか?
よくわかりませんね。

おおざっぱに言うと、

@「素材」がすごい
A「造り」がすごい
B「デザイン」がすごい

という3点ですごいのです。

でも、家具という製造物で、素材、造り、デザイン、というのは全部の要素では?
と思われますよね。
そう、結局、全部すごいのです(笑)

つまり、現代感覚の「家具」とは全く次元の違うものと思っていただいた方が良いと思います。

例えば@「素材」。

ジョージアンの時代は、一方では「マホガニーの時代」とも呼ばれていました。
そのマホガニー材は、今ではすでにワシントン条約のレッドリスト化により伐採が禁止となり、
すでに輸出入すらできない材料となっているため、
ほんのちょっとした残存の板材でも数万円の値が付いていたりします。

特に現代の最高級マホガニーの代名詞、“ホンジュラス”産マホガニーには、もれなく高値が付いています。

でも・・ご存知ですか?
かつて、高級マホガニーといえば、その代名詞は”ホンジュラス”ではなかったのですよ。

18世紀当時、イギリス政府は植民地である北米や西インド諸島の材木の輸入関税を廃止したことで、
今でいうところのジャマイカ、プエルトリコ、キューバなどから、多くの家具用木材がもたらされていました。

それらの家具用木材の中には、同じマホガニーでも多様な種類のマホガニーが存在していて、
さまざまな木質があったため、その材質によって銘柄が選別され、適材適所で用いられていました。

例えば、木目が詰み、赤みが強く、金属のように硬い、“ジャマイカウッド”、あるいは
キューバン・マホガニーをはじめとする、最も美しい木理とされる “スパニッシュマホガニー”等は高級家具材に使用。

そして、比較的軽くやわらかい、加工が容易な“ホンジュラス”マホガニーなどは
見えない部分の構造材や汎用家具に使われていた、ということです。

つまり、現代の最高峰銘木も、当時ではただの一般材。
ね、次元が違うでしょ。

ちなみに、同じように見えるチッペンデールのマホガニー無垢のダイニングテーブルでも、
ものによって値段が大きく異なっていることに気が付きませんか?

これは、当時の“スパニッシュマホガニー”などの高級マホガニー材が使われているか否か、
によって価格が変動するため、なのです。

もちろん、価格はそれだけでは決まりませんし、アンティークの製造物がどこ産の材料を使用しているかなど、
確たる証拠のあるはずはありません。

しかし、ジャマイカやスパニッシュは比較的巨木の幹だったため、幅広の厚板を取ることができるという特徴があり、
また磨くと美しい深みのある色を見せ、歳月を重ねれば重ねるほど赤銅色の艶が増すという、
特異な性質をもっているため、ある程度はその種別を推測することができます。

つまり、当時の高級材が使用されている可能性の高いテーブルには
その価値が加味されて、価格に反映している、ということになります。

つぎにそのA「造り」のすごさ。

技術的なことを語れば、賛否はきっとあるでしょうし、
例えばエジプトのピラミッドとドバイの高層ビルを比較して、
どちらが建造物として優れているかなど、議論しても全く意味はありませんよね。

もっとうわべだけの話。

当時のイギリスは産業革命まっただ中でした。
急速な経済発展の中、人々の生活も潤い始めて活気のあった時代に
国が支援する事業として家具産業がありました。

つまり「家具の製造」は当時の経済大国が支援した先端産業だったわけです。
有識者が諸外国を回り、多くの技術やデザインをイギリスにもちこみました。
今でいえばIT産業のようなものでしょうか?

そんな時代ですから、一介の家具職人が上流階級にまで上り詰める成功例もまれな話ではなかったようです。
まさに現代のIT長者ストーリーに重なりませんか。

そんな先端産業としての「好循環」が、当時の家具の質を「黄金期」と称するまで高めたのです。
ある文献では、イギリス・ジョージアンの民衆家具は、同時代のフランスの宮廷家具のレベルに匹敵する、
とまで書かれていました。(ホント?)

いかにジョージアンの家具といえども、所詮、民間の富裕層のために作られた家具。
それが王侯貴族のための家具と肩を並べるなんて・・。

まあ、そのくらいすごいってこと。
要するに、製作にかける労力のスケールがケタ違いだった、ってことです。

細かくいえば、もしかすると設計や製作精度では、ジョージアンの家具から100年後、
東洋の島国で作られ始めた「桐箪笥(きりだんす)」の方がはるかに進んでいるのかもしれません。

でも、細かい話は抜き。
300年以上、その姿を維持し続ける家具、です。

その「造り」の確かさ、すごくないわけがありません。

そして、そのB、「デザイン」。
デザインのすごさはインパクトではありません。

印象度の強さなら、歴史上いくらでもありますからね。
逆に“ファーマー・ジョージ”などと揶揄されるように、この時代のデザインは結構質素です。

しかし、名のある家具デザイナーが初めて世に出現したのがこの時代でした。

王室に近いウィリアム・ケントを筆頭に、アダム兄弟、チッペンデール、ヘップルホワイト、トーマス・シェラトンなど、
貴族趣味の建築様式ではなく、初めて個人のデザインスタイルが確立された時代でした。

つまり言い換えると、初めて民衆のニーズが家具に取り入れられた時代、といっても良いかもしれません。
実際、この時代に作られた家具が、ほとんどの現代家具のルーツとなっています。
現代の家具のマザーモデルが作られた時代、といっても言い過ぎではないでしょう。

今なお、生き続けている時代を超えたデザイン性。
これ以上すごいことってありますか?

・・なんて、長文、大変申し訳ございません!

興奮して前置きが長くなりすぎてしまいました。
その割に、このチェストについては何も語っていませんね。

こちらのチェストオンチェストは“トールボーイ”(高脚つき箪笥)とも呼ばれる、
英国伝統・ジョージアン生粋のデザインの最高級マホガニーチェストです。

背の高い“チェストonチェスト”の2段組み構造は、18世紀初め、
アーリージョージアンの時代に生まれた家具といわれています。

その初期のころは、当時主流だったクイーンアンスタイルのデスク(化粧台)に
チェストをのせた“チェストonスタンド”として、上流階級の間で普及していましたが、
18世紀も後半になると、このような「2段重ね」のハイチェストスタイルが主流になって行ったそうです。

ちなみに“チェストonスタンド”のトールボーイは、前面にウォルナットのバール杢が化粧張りされ、
「ウォルナットの時代」と呼ばれたクイーンアンらしい外観がスタンダードでしたが、
“チェストonチェスト”になると、今度は「マホガニーの時代」のジョージアン家具らしく、
マホガニー製家具として、つくられていることが当時の流行でした。

まさにこのチェストそのもの・・リアルタイムです。

細部をチェックしても、まさに当時のスタンダードデザイン。

たとえば、トップデザインには“デンタルコーニス”という歯型の飾り彫りの入る天飾り装飾を置き、
その下の飾り面、および前面の両角には面取りをして“マーケットリー・インレイ”、”パーケットリー・インレイ”という
各種の象嵌装飾を盛り込んでいたりしています。
さらに下段にはバンディングという帯状の化粧張りによるアクセント。

もちろんそれらはすべて当時主流だったジョージアンスタイルのデコレーションです。

また、引出しは下台3段、上台4段5杯の全て鍵つき収納になっていて、
取っ手は座金付きの真鍮無垢製、当時ものオリジナルのスワンネック型ループハンドル、
そして引出し前板の周囲にはジョージアン独特の細いラウンド型のモールディングが飾られ、
脚元はプレーンブラケットというもっとも当時スタンダードだったフットデザイン・・、
これら全てはジョージアンスタイル生粋の“チェストonチェスト”である証し。

ね、パーフェクトでしょ?

さらにおまけ情報ですが、入手したディーラー情報では、”18世紀末ごろのジョージ・スリー”として入荷してまいりましたが、
デニムで時代考証すればするほど、18世紀前半の特徴としか思えないディテールがいくつも発見されています。

どう見てもこのチェストオンチェスト、デニムの推定では1730年ごろに作られたものではないかと思われます。
すなわち、今から300年ほど前の家具、ということ。

さらにさらに、その家具を、デニムが2か月以上の歳月をかけて、300年の時の針を巻き戻させていただきました。
おそらく、往年の姿が再現されtれいるのではないかと思います。

すごすぎでしょ?
おそらくこれほどの英国アンティーク、本国以外では数えられる程くらいしか存在していないと思います。

ここまでのものであれば、現地ディーラーの話では、
本国でも、数年前だったら£10,000!くらいの値が付いていたのではないか、ということ。

ちなみに現在、£1(ポンド)=\\\\\\\\140(円)前後ですが、数年前は\\\\\\\\250くらいでした。
何と、良い時代になったことか・・。

とにかく、骨董家具としては、この上もない最高級の逸品と思います。
きっと一生そばにおいておきたくなるくらい、愛でていただけるはず。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 814,000 円
参考市場価格: 777,000 円
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。


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