ヴィクトリアン パピエマーシェPAPIER-MACHE マザーオブパール ウォールプラーク


19世紀半ばのイギリスで製作された“パピエ マーシェPAPIER-MCH”と呼ばれるウォールプラーク(壁飾り)です。

パピエマーシェPAPIER-MCH(パピエマシェ/マーシュ)とは、フランス語で、
直訳すると「紙の張り子/切り刻んだ紙」。

18〜19世紀にイギリスやフランスで盛んに作られた工芸品、あるいはその素材のことを指しています。

「紙の張り子」というと、日本の「張り子のトラ」などをイメージしてしまいますが、
主材の紙を、糊などで固めて成型したもの、という点では同じですが、
張り子のトラが「紙(和紙)」を張り重ねたものを圧縮成形しているのに対し、
パピエ・マシェでは紙を粘土状に溶かして圧縮成形しています。

要するに「紙粘土」のようなものですが、紙粘土のようにもろく弱いものではありません。

ヨーロッパでは、18世紀ごろから建築材料などに使われ始めていたようですが、
19世紀になると、その軽さ、丈夫さからイギリスやフランスの家具などに盛んに使われるようになり、
イタリアでは「仮面」などの工芸品にも取り入れられています。

おそらく19世紀半ばにフランスで流行した”ジャポニスム”の影響もあったのでしょう、
日本の「漆器」などの高い人気から、比較的安価で似たように作れるパピエマーシェの需要が高まった、
という時代背景があったのではないかと思います

実際、パピエマーシェは日本趣味的な装飾技法とみなされることが多く、
”Japanese papier-mache”などと紹介されているアンティーク家具などもしばしば目にします。

また、一般的にパピエマーシェは黒い製品が主流で、表面には金彩でハンドペイントやプリントが入れられていました。
それもまた、日本の漆器っぽいですね。

ちなみに、19世紀半ば、パピエマーシェは、イギリス・バーミンガムのマニュファクチャー、
”ジェネンズ&ベトリッジ”社Jennens and Bettridgeによって開発され、広められた、ということです。

J&B社はその実績で英国王室ご用達の家具メーカーとなり、チェアやテーブルなどの宮廷家具から、
トレーや小箱など、装飾小物まで作っていました。

特に、ヴィクトリア女王治世下の“ヴィクトリア”期には豪華絢爛、
華やかなスタイルの家具、調度品が数多く製作されました。

・・うんちくが長くなってすみません。
要するに、こちらのウォールプラーク/トレーもそんな当時のリアルタイムな芸術的プレミアムアイテムのひとつ。

真珠貝/マザーオブパールの薄片を張り付けた装飾は、100年以上経過しているのが嘘のように若々しく
つややかなダークブラウン躯体が21世紀の私たちに「永遠の美」を誇示しているようです。

その塗装は、黒にちかい濃茶エナメルのグロス塗装、そしてベースには金彩がちりばめられ、
あたかも、花札の「梅にウグイス」を模写したかのような、マザーオブパールのインレイ(象嵌)ワーク・・。

まさに正真正銘、ヴィクトリアン当時ものの”ジャパニーズ・パピエマーシェ”です。

デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。

(Buyer/YM)



価格(税込): 86,400 円
参考市場価格: 84,000 円
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