DC1122
ポーランド
1980年代 ファメッグFameg A-10 ベントウッドチェア
サイズ | 幅 420mm 奥行 510mm 高さ 860mm 座面高 475mm 座面奥行 370mm 座枠高 430mm |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
旧トーネットTHONET社の技術を受け継いだ、ポーランドのベントウッド(曲げ木)メーカー、
Fameg社のベントウッドサイドチェアです。
旧トーネット社のモデルとしては、No15と呼ばれていたクラシックトーネットになります。
こちらはアンティークファンのお客様からの買取品として入荷いたしました。
製作年代は推定になります。
※こちらは6脚セットで入荷いたしました。
・・2億脚という椅子史上、最大のセールスを記録したトーネットのベントウッドチェアNo14。
トーネットのモデルNoは、5ケタにいたる数字まで確認できますが、その中でも
No1からNo30番台くらいまでは、コレクターたちの間では”クラシック・トーネット”と呼ばれ、
創始者”ミヒャエル・トーネット”が生きている時代にデザインされた、とても貴重な歴史的モデルとされています。
こちらはその代表作であり、世界も名作椅子でもあるNo14の次番のモデル、No15。
No14がNo8の量産型モデルであるのに対し、No15はNo10の量産型モデルになります。
なかなか見ることのできない、希少なベントウッドチェアになります。
メーカーはポーランドのFameg社。
旧トーネットのポーランド工場を由来に、戦後の国営企業から移行した民間企業で、
曲げ木技術に関しては130年以上の歴史を持つポーランド家具メーカーの名門企業です。
かつての一大家具メーカー、旧トーネット社は、2度の世界大戦の混乱で、
ドイツとオーストリア、チェコ、ポーランド、イタリアなど、6社ほどのローカル家具メーカーに分断されてしまいました。
”トーネット”ブランドの「のれん」自体は、ドイツのゲブルダー・トーネット社が受け継いでおりますが、
トーネットの持つ曲げ木技術に関しては、各社ともに旧トーネットから変わらず受け継いでいて、
今でも変わりなく”ベントウッドファニチャー”を作り続けております。
こちらのチェアはその旧トーネットファミリーの中のFameg社製。
座裏には当時のメーカーラベルが残されており、”ZMG FAMEG S.A”との旧ロゴが確認できます。
そもそも当デニムが直接お取引をさせていただいているメーカーさんで、カタログもありますから、間違いはありません。
※デニムが販売しておりますFameg社製の商品はこちらなどです。
型番はFAMEG社のモデルNoが、A-10のレギュラー品と思われます。
A-10は現行品ですので、ポーランド現地ではもちろん入手可能なお品ですが、日本ではほとんど輸入されておりませんので、
1脚単位で入手しようと思ったら、とても割の合う価格ではないと思います。
その意味では、希少なユーズドファニチャーといえるもの。
コンディションを考慮すれば、かなりのお値打ち品、とご案内させていただきます・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
6脚揃いのベントウッドチェアが荷してまいりました。
こちらは近年に製作された、ポーランドのベントウッドメーカー、Fameg社製の現行モデルになります。
こちらは20年くらいは前のものと思われますので、細部では多少の違いはありますが、
現在も販売されている現行品、型番A-10とほぼ同等デザインのレギュラーモデルになります。
Fameg A-10
尚、脚をつなぐ補強の横貫(ストレッチャー)はメーカーオプションで選べるようになっておりまして、
こちらの6脚に関しましては4脚がリングストレッチャー(リング型の横貫)、
2脚がアーチ型のストレッチャーの入荷となっています。
さて入荷時のコンディションですが、構造面ではところどころ弛みは出ていたものの、
近年のものだけに6脚共に大きなダメージはなく、ベントウッドフレームのビーチ材自体には問題はありませんでした。
しかし、問題は外観的な面に関してでした。
全体に、塗装のはがれが目立っておりました。
こちらは現代のウレタン塗装が施されているようです。
アンティーク塗装であれば経年劣化も古艶として「味」へと変化していきますが、現代の塗料ではそうはいきません。
塗膜がしっかりしているうちは水分や衝撃から木材を強力にガードしてくれ、メンテナンス要らず。
しかし便利な反面、いったん劣化が始まってしまうと醜く剥がれ落ちていくだけ、となってしまいます。
どちらも一長一短ありますが、再生を考えると圧倒的に不利なのが現代塗装。
基本的に現代塗装には直して再び使う、という発想はないように思います。
これからも100年は使える家具ですから、アンティーク塗装に変更した方が良いように思われました。
座面についてはグレー系のシートのものとベージュ系のシートのものが混ざっており、
また、破れもありました。
背もたれはケインシート(籐張り)ですが、こちらにも切れや穴がありました。
しかも張替が困難な手編みタイプです。
デニムで編み直すことは可能ですが、将来的なメンテナンスの容易さを考慮しますと、
悩んだ結果、今回はケインシートを取り外す方針にいたしました。
もともと、こちらのルーツモデル、旧トーネット社のNo10には背もたれに籐張りはありませんでしたし、
デザイン的には、外してしまった方が正しい、といえます。
座面も耐久性の高いフェイクレザーを使用し、6脚とも統一させて、ダイニングチェアとして
使いやすいように再生させようと思います。
ということで、今回のメンテナンスは三本立てです。
1.背もたれケインシートの取り外しと編み込み用の穴の処理。
2.ウレタン塗装の剥離、のち、アンティーク塗装への変更。
3.座面の総張り替え。
いずれも時間のかかる作業です。
その他に接合部の締め直し、クリーニングなどの基本メンテナンスも盛り込んでいきます。
長い時間のかかる大仕事になりそうです。
しかし、手をかければ必ず応えてくれるはずのお品です。
気合いをいれて取り掛かります。
まずは座面を取り外します。
ばらばらだった旧シートを剥がしておきます。
一方で、いつも通りの締め直しです。
もともとベントウッド製品はノックダウン(組み立て)式のチェアですので、
ねじなどの増し締めだけで各段に接合部がしっかりいたします。
構造がしっかり致しましたら背の籐張りを取り外していきます。
手編みのシートですので、枠に直径4~5mmの連続穴があいていて、
そこに1本1本のケインシートが編み込まれている構造になっております。
したがって、シートを撤去すると背もたれの曲げ木枠に無数の穴が現われることになります。
これらに一つ一つ埋め木をして目立たないように処理していきます。
ちなみに、将来的にやはり編み込み式に戻したいということであれば、
埋め木を抜き取り、オリジナルの状態に戻すことが可能となっています。
こういった可逆性(もとの状態に戻せること)も、
メンテナンス方針を決める際にレストアラーとしては重視したいポイントです。
続いて塗装剥がしに取り掛かります。
現代のウレタン塗装をはがすのは大変重労働です。
サンダーなどで削り落とせるテーブルの天板などは別にして、
椅子のフレームなどは基本的に再生は不可能といっても過言ではないと思います。
そんな不可能と思われる仕事に普通に取り組むのがデニム・ワーク。
まずは薬剤を使って化学的アプローチで大まかに塗膜を除去していきます。
ウレタン塗料は強固な塗膜を形成していますので、少しでもはがれやすいように塗膜を変化させます。
しかしアンティーク塗装よりも剥離剤の効き目も格段に弱く、手間がかかります。
続いて小回りの利く小振りなサンダーをかけ、今度は物理的に除去していきます。
曲線で構成されたデザインですので、ここで電動工具に頼りすぎるのは禁物です。
さらに入り隅や、やわらかなカーブなどはサンダーが当てられないので手作業で丁寧にペーパーをあてます。
そうすることで加減が調整でき、アンティーク感をそぎ落としすぎてしまうリスクも避けられます。
以上、長い工程を経て何とか塗装はがしを無事に終えました。
丁寧に木肌を整えたらようやく次は塗装。
英国より輸入しておりますオイルステインで色味を整えます。
天然素材由来のシェラックニスを塗布致しますと、入荷時からは想像がつかない高級感がでました。
アンティーク同様の美しいダークブラウンが再生されました。
そして最後は座面の張替えです。
オリジナルは板座に、薄いスポンジ材がクッションとして使用されていましたが、
デニムでは座り心地を考慮して、硬質、軟質の二種類のクッション材を使用することにいたしました。
表張りには「FB0175 合成皮革(クラシックブラック) シンコール "ニフティ” L-1170 」を選びました。
本革のようなシックなブラックが上品な印象の椅子に仕上がりました。
現代のウレタンレザーですので、耐久性に関しては、圧倒的に本革よりも上。
長くお使いいただくには最適な仕様かと思います。
以上、隅から隅までかなりの時間をかけて再生いたしました。
アンティークチェア以外で、まずここまで手の架けられたチェアにはお目にかかれないのではないかと思います。
ケインシートを取り払ったことも、結果としてスッキリとした
スタイリッシュな雰囲気に貢献していると思います。
塗装の完全乾燥後、仕上げの天然蜜蠟ワックスでの磨きあげも行ってからのお渡しになります。
担当職人が手間暇をかけてじっくり取り組んだ価値ある逸品です。
自信を持ってお勧めいたします!
(Restorer/MJ)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
軽くて丈夫なベントウッドチェア。
ベントウッドチェアはいろいろと使い勝手が良好で、
予備のダイニングチェアに、またベッド横に置いてサイドテーブル代わりにと、
様々なシーンで活躍してくれると思います。
アールヌーボーなインテリアがお好きな方にはもちろん、ちょっとお部屋にアクセントが欲しい方、
アンティークがお好きな方なら、1脚はお持ちになっていただきたいですね。
クラシカルはもちろん、カントリー系にもあわせやすく、
永くお付き合いいただける間違いのない椅子だと思います。
状態も良く、カジュアルに使える実用性もあります。
6脚セットで入荷しました。
この機会にぜひご検討下さい!
(Sales/TJ)
↑デザインルーツの旧トーネット社No10(上)とNo15(下)。
(20世紀初頭の商品カタログ抜粋)↓
※こちらは6脚セットで入荷いたしました。↓
※こちらの6脚に関しましては4脚がリングストレッチャー(リング型の横貫)、
2脚がアーチ型ストレッチャー(メイン撮影に使ったチェア)のセット構成となっています。↓
※リングストレッチャー(リング型の横貫)の商品
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | ファメッグFameg A-10 ベントウッドチェア | |||
品番 |
DC1122
|
管理番号 | Lot16-33_1203 | |
販売価格(税込) | 21,600 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ | 幅 420mm 奥行 510mm 高さ 860mm 座面高 475mm 座面奥行 370mm 座枠高 430mm | |||
送料ランク・重量 |
B/2ランク 送料目安:4,400円~7,040円
(沖縄 10,010円)
らくらく家財宅急便による配送:同ランクの椅子をもう1つ同梱できます。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ |
椅子/Chair
> ダイニングチェア/キッチンチェア
無銘の椅子コレクション/Premium Chair Collection > ベントウッド/トーネット |
商品プロフィール | ||||
原産国 | ポーランド | 年代 | 1980年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン・ニス・ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | ポーランド | 年代 | 1980年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ローズウッド | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ビニール | |||
その他の素材のカラー | 黒系 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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