PA0020
イギリス
1910年代 A Lady wearing A Large Hat/ Crystolian Painting
サイズ |
幅 350mm 奥行 20mm 高さ 450mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
非常に珍しい”クリストリウムCrystoleum”が入荷しました。
何と、平面ガラス仕様のクリストリアン・ペインティングです!
ええ?
”クリストリウム”は凸レンズのオイルペイントではないの?
しかし現地ディーラーではこの絵画がクリストリウムだというのです。
Number 41 is a Chrystoleum painting, maybe you're puzzled because the glass is not bowed shape, but they did paint them on flat glass also.
(No41の絵はクリストリウムです。あなたはガラスがボール形をしていないから混乱しているのでしょう。でもクリストリウムにはフラットガラスもあります。)
なるほど。
平面ガラスのオイルペイント絵画もクリストリウムに含むのかどうかは別にして、
要するに、クリストリウムの制作法はガラスの形状を問わない、ということなのでしょう。
基本的にクリストリウムという絵画手法は、写真や印刷物などをボール型をしたガラスの裏面に転写し、
その絵柄(つまり下絵)に、もう一枚、別のガラスにオイルペインティングで色付けをして、
2枚のガラスを重ね合わして天然色写真のように仕上げる特殊な絵画技法です。
その原理からすれば、確かにガラスが凸レンズである必要はありませんね。
そもそもクリストリウムとは、写真の歴史の初期段階において、
写真の技術を応用し、新しいメディアの一つとして考案されたものでした。
すなわち、19世紀前半に写真が誕生し、モノクロ写真が普及し始めるとともに、
カラー写真を求める時代のニーズが高まっていました。
そんな時代を背景に登場したのが天然色写真調のクリストリウムペインティングでした。
クリストリウムは19世紀後半にはイギリスでかなり流行していた絵画ですが、
第一次大戦(1914~1918年)後、カラー写真の普及を可能にする技術が開発されたためでしょう、
1914年以降、急速に衰退していくことになったそうです。
こちらの絵画には1910年のサインがありますから、
まさにクリストリウムの歴史に幕を閉じようとする、ちょうどその直前の時代に製作されたことになります。
とすれば、クリストリウムに傾倒していた人たちの中には、何とか自らのライフワークのクリストリウムを発展させて、
延命させようとしていた人たちがいたとしても不思議ではありません。
そこで今までのクリストリウムとちょっと違った作品を製作してみた、と考えては不自然でしょうか。
この作品が他のクリストリウムと違っている点は、単にガラスがフラットになっているだけではなく、
絵のベースに、キャンバスの網目のような風合いが残されている点にも他のクリストリウムとの差異を感じます。
モノクロのオリジナルリトグラフにダイレクトに色づけをしたような、
どこか、「直接的」な技法を感じるこの作品、
もしかすると、今までのクリストリウムの欠点を克服し、普及させようと試みた、
試作品のような位置づけだったのではないでしょうか?
背面のギャラリーラベルから、価値ある作品をきちんとフレームに収めていることは確認できますし、
平面ガラスを良く見てみると、わずかに気泡の混入が見えますので、
クリストリウムの技法で製作されていることには間違いはないと思います。
尚かつ、右下隅に光にかざしてみるとかすかに「1911・・」とフレーミングされたと思われる年号が見られます。
(本当によく見ないと見えません。)
以上のことから、このクリストリウムが歴史から消え去る直前に製作された作品であることには
疑いの余地はありません。
歴史の最後に自分なりに改良して見せた、心あるクリストリウム作家の「遺作」だとすれば、
きっと将来、「歴史の一里塚」として、評価される時が来るでしょう。
そういえば、イギリスのクリストリウムが消滅して、今年でちょうど100年目に当たります。
その区切りの年に、このような「遺作」とめぐり合うとは、何かの縁・・?
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
100年前のオリジナルコンディションと思われるクリストリウム絵画です。
作家はドイツ出身のヴィルヘルム・メンッラーWilhelm Menzler (1846-1926)。
主に若い女性の肖像画を多く残しているオイルペインターです。
The Rose of All Roses By Wilhelm Menzler, 1889
実は、この作家、驚くほど著名で人気のある作家でした。
クリストリウムということで、ほとんど作家情報は未確認でしたが、
ちょっとネットで検索しただけでも、多数のファインアートのオークションサイトでその名がヒットしました。
しかもサザビーズとかクリスティーズクラスの大手オークションで、
最近の落札情報を見たところ、何とイギリスのオークションでは34,850ポンド!
(サンプルで掲載した作品です。)
※現在1ポンド=約160円
アンティークファンの方の中にはご存知の方もいらっしゃることでしょう。
ただ、こちらのクリストリウムについては、それ自体が彼の作品なのか、
それとも彼のリトグラフなどをこのクリストリウムのベースにしたのか、
すでに製作情報を入手することは困難になっています。
でも、少なくともこの時代、複写は機械的にはできなかったはずですから、
原版のリトグラフが使われている可能性が高いでしょう。
それだけでも充分すぎる価値はありそうです。
さて、古そうな印象ですがフレームに目立ったダメージもなく、コンディションは良好に思われました。
平面ガラス越しに見て、絵画にダメージはありません。
色あせも感じられませんし、劣化もなさそうです。
ガラス自体も小傷程度で、絵画への影響はありません。
基本的にデニムでは描かれている絵画自体には手を加えません。
また、不具合があるもの以外は、裏板を開けることもいたしません。
ただしご留意点として、絵画自体を取り出してみなければ正確な判断はできませんが、
左隅と左上部に絵柄の裂け目?のように見える箇所があります。
描写上、ほとんど気にならない場所にあるのと色的にわかりにくいので、
最初は気がつきませんでしたが、良く見ているうちにそのように思われましたので、ご報告いたします。
絵画を鑑賞するうえで気になることはないと思います。
額のコンディションにつきましては、縁にはクラックもなく良好でした。
状態から見て、1910年代当初のものである可能性が高いです。
また塗装面では額縁のフレームにはゴールドのギルティング塗装が施されておりますが、
金塗装の剥がれている所が数か所ありました。
大きく剥がれている部分には若干の修復としてリペイントを加えました。
いずれも年代なりの「味」としてご理解いただける範囲と思います。
絵のクオリティは高く、骨董としてはかなり高く評価できるのではないでしょうか。
額のデザインも絵画をより一層、格調高く演出しています。
裏面には封印のクラフト紙が貼られていますが、おそらく当時もののため、少々破れてきています。
特別、中の絵画に影響はないと思いますし、時代考証にも役立つと思いますので現状にてご案内させていただきます。
また裏側にはフックと細いワイヤーが着いているので、すぐに壁に掛けられます。
ワイヤーは当時ものですがささくれもありませんのでこちらも現品をお付けしておきます。
重量物ではありませんので、安心してお取付けいただけます。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします!
(Restorer/NM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
こちらのクリストリウムに平面ガラスが使われていることで、
もう一度、クリストリウムについて調べ直してみましたところ、新たに気付かされたことがいくつかありました。
例えば、”The crystoleum” とは、 "crystal" と "oleum" (oil) の造語であったこと。
つまり凸レンズというのはあくまで表現の手段の一つであって、
主役はガラスと油絵具だったのです。
すなわち、クリストリウムとは本来的には ”アルブミン” プリントという当時の写真技術をベースに
オイルペイントで着色した創作的カラー写真の一種で、
絵画というよりも初期の記録メディアの一種、と考えた方が近いように思いました。
また、現存しているクリストリウムをみると、描写的な印象の強いもの(絵画調)と、
プリント的な印象の強いもの(写真調)の2つに大別できるように思いますが、
このことは逆に言うと、クリストリウムには絵画を複写するニーズと
写真をカラー化するニーズがあったことがわかります。
こちらは前者を目的としたクリストリアンペインティングなのでしょう。
ヴィルヘルム・メンッラーの秀作を天然色化する、という目的です。
平面ガラスでも感じるこの奥行き感。
セピア調の基調色に淡く配色されたセンスは、
あたかもガラス越しに過去の現実の風景を眺めているようです。
セールストークではなく、本当に目の前にある風景のよう。
100年前の世界に直面しています。
被写体の若い女性はパーフェクトな美しさ。
注目は、100年前のファッションとその着こなしのテクニック。
その美しさのリアリティは、淡くカラーも再現されていることで、手に取るように確認することができます。
ファッションセンスのよさには素直に感服・・。
ぜひ、世界の「盟主」だった大英帝国最盛期の民衆クリップを、
次代へと引き継いでいっていただきたく、よろしくお願いいたします。
(Sales/YM)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | A Lady wearing A Large Hat/ Crystolian Painting | |||
品番 |
PA0020
|
管理番号 | LC15-4_0608 | |
販売価格(税込) | 57,750 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 350mm 奥行 20mm 高さ 450mm ※絵が描かれている部分は幅275mm×高さ375mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
30kgサイズ 送料目安:1,404円~2,602円
(沖縄 3,844円)
ヤマト便による配送:日時の指定はできません。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1910年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | クリーニング仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1910年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 木 | |||
その他の素材のカラー | 金系 | |||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | あり | |||
交換・改造 | 年代なり | |||
実用性 | 年代なり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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