HC0379
イギリス
1840年代 ヴィクトリアン ローズウッド パーラーチェア
サイズ |
幅 460mm 奥行 485mm 高さ 835mm 座面高 455mm 座面奥行 370mm 座枠高 410mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
今から170年以上前、19世紀半ば、イギリス・アーリーヴィクトリア期に製作された高級サロン(客間)チェアです。
※こちらのチェアは3脚セットで入荷いたしました。
何と愛らしい・・。
リージェンシーの流れを組む、“ウィリアム4世WilliamⅣ” スタイルの芸術品です。
背もたれのトップには、つややかなソリッドマホガニーの笠木を持ち、
座る人のお顔の周囲を優雅に彩るこのチェアは、
椅子が単に「椅子としての美しさ」を求めているだけではなく、
「座る人が美しく見えること」をも重要な使命としていることがわかります。
つまり、階級社会だったイギリスで、貴族が座るにふさわしい椅子か否か、
ということが重要だった時代に作られた椅子、ということですね。
インテリアとか、プロダクトデザインとか、
そんな現代的な概念が生まれる、はるか昔のことです。
ところで、あまり出てこない時代のチェアですので簡単に解説させていただきますが、
ウィリアム4世スタイルとは、1830年から1837年のわずか7年間君臨した、
イギリス・ハノーヴァー朝第5代君主時代の様式になります。
ちなみに第6代君主は、かの“クイーン・ヴィクトリアQueen Victoria”で、
ヴィクトリア女王(1837~1901)はウィリアム4世の姪にあたります。
こちらのチェアは、ウィリアムⅣ世の時代からヴィクトリア女王の治世に移行したころ、
つくられたチェアといわれています。
まだ、前時代の影響を色濃く残すアーリーヴィクトリアンと呼ばれる時代です。
また、前の時代の第4代君主は“ジョージ4世George Ⅳ”(1820~1830)で、彼は皇太子時代から
“リージェント(摂政)”として政務を担当していたことで、彼の時代は“リージェンシー”と呼ばれています。
その時代のデザイン、リージェンシースタイルの家具も後年のリプロダクション(復刻家具)として、
ヴィクトリアンの家具同様、比較的多く見られますよね。
そんなヴィクトリアンとリージェンシーの時代に挟まれた、短命な時代ですので、短期間が故、
デザイン様式としては産出された家具も少数で、家具史的には地味な印象になってしまっておりますが、
それでも、英国家具の歴史上では(文献上ですけど)、重要な時代だったようです。
すなわち、そのひとつには、ウィリアム4世の時代は前近代的な(手工業としての)家具産業が
その規模、技術力ともにピークを迎えていた時代であったこと、があげられています。
英国家具の「黄金期」と言えば、あのトーマス・チッペンデールたちが活躍した、
“ジョージ3世George Ⅲ”(1760~1820)の時代を指しますが、それは言ってみれば「発展期」。
職人の技術水準が向上し、産業として「成熟期」に入ったのはウィリアム4世の時代だったようです。
何でも、熟練した家具職人が何と数千人規模!で存在していたとのことで、
家具産業が当時、最先端の“基幹”産業だったことが想像されます。
またウィリアム4世の時代の家具が重要である2つ目の理由として、
その時代に作られた家具が「最後の古典主義」様式の家具、と言われていることです。
次のヴィクトリアンの時代には、後に家具の大量生産が始まり、
家具は一部で近代的な「工業製品」に成り下がってしまいました。
ヴィクトリアンの家具デザイン自体も、過去の様式を折衷した、
独自性の低いものであったことも挙げられています。
(決してレベルが低いと言っているわけではございません。念のため。)
つまり、先に述べたような、椅子が「権威」をあらわしていたり、と
家具がまだ庶民には手の届かない、富裕層の贅沢品だったのは
このウィリアム4世の時代が最後だったのです。
もちろん、デザイン性だけではなく、今では入手できないような銘木が使われていたり、
高い技術を持った「匠」でなければ製作できないような造形を伴っていたり、と
本当の意味での「前時代的な家具」も、この時代以前のものにほぼ集約されています。
従って、年式に偽りさえなければ、ウィリアム4世時代以前のアンティーク家具は、
全て歴史的な骨董品、あるいは「過去の文化遺産」と断言しても過言ではありません。
話がちょっと横道にそれてしまいましたが、・・このチェアのデザインは、いわゆる“リージェンシー”(摂政)スタイル、
それも“オールドフレンチ”と呼ばれる、フランス“ルイ14世”様式の流れを組む正統なもので
伝統家具としての血統、製作者の主張、マニュファクチャーの水準、素材の等級・・、等
その全てが最高位に位置づけられるものです。
そして、2世紀近くもの間、大切に受け継がれてきた椅子です。
さらにそのマテリアルは、家具の宝石・ブラジリアンローズ!
固く狂いが少ないことで、バイオリンなどの楽器に使われる素材を、何とも贅沢に無垢で使用しています。
これ以上の贅沢ってありますか?
さてさて、このヘリテイジ(遺産)を次の世代へと引き継いでいっていただけるのは
この日本のどなたでしょうか・・?
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
1840年頃に製作された高級アンティークチェアです。
素材には、ローズウッドが使用されています。
日本でいえば江戸時代の末期頃のチェア、170年~180年も経過したジェニン・アンティーク(真の骨董)ですね。
全体的に使用感といった程度の細かい傷や先端の磨耗など、歴史を感じるちょっとしたダメージはございますが、
年代を考慮すれば、とても良いコンディションだと言えます。
構造に影響するような致命的な破損は全くありませんし、
小さなへこみや細かい傷もアンティークの「味」程度のものです。
本体については通常のメンテナンスをしっかりと行ってやれば充分に回復いたします。
構造面では入荷時よりほとんど緩みなども無く、高い強度を持っていました。
またフレームはしっかりとはしていましたが、念のため、安心して長くお使いいただけるよう、
締め直しにより、ジョイント強化しております。
座面についてですが、入荷時オリジナルのグリーンモケットです。
少し退色したベルベット調のパイル地で、3脚共に多少のクッションのヘタリ等はありますが、
比較的状態もよく、まだまだ充分にお使いいただける状態です。
自然な時間の経過がアンティークらしい風合いになってきています。
クリーニングは界面活性剤のシートフォームによるドライクリーニングで、
しっかりと行っております。
ただしご留意点ですが、1脚のみ、前側に1cmほどの丸い補修個所があります。
たったこれだけの補修個所のために、アンティークらしい風合いのモケットを撤去してしまうのは
忍びなく思いましたので、お張替については次のオーナー様が現状をご覧になってからお決めいただこうと思いました。
※お届け前にお張替の場合には、お張替工賃3,150円にて実施させていただきます。
(生地、およびブレード代は別途ご負担お願いいたします。)
さて、まずは木部を念入りにクリ―ニングをすることにいたしました。
本体の塗装面では、本体は裏表しっかりとクリーニング、およびデニム独自のウッドトリートメントを行い、
英国直輸入のステイン塗装をしております。
フィニッシュは天然樹脂製のシェラックニスを使用しています。
最後に、フレーム全体を英国直輸入、天然の蜜蝋ワックスで磨き上げて仕上げました。
木部フレームについては、小傷や色むら等はアンティークレベルですが、
いずれも商品価値や実用性には影響しない、「味」レベルのものです。
170年という、気の遠くなるような年月を経過した素晴らしいアンティークチェアです。
しっかりメンテナンスを行いましたので自信をもってお勧めします。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
流れるような躍動感あふれるトップレイルとバックレッグのライン、
ウィリアムⅣ世の”ベルフット”(釣鐘型の脚)の流れをくむ、ヴィクトリアンスタイルのフロントレッグ・・。
そして背あての端正なレリーフ、まさに、ため息もののアンティークチェアです。
彫刻だけでなく、木の宝石・家具材の最高峰“ローズウッド”の木肌の美しさ・・。
近年まではヴァイオリンなどの、形状変化を起こせない高級楽器にだけ使われていた高級材ですが、
この当時には、こうして一般的に高級家具に使われていたんですね。
うらやましい時代です・・。
上品さの漂うこちらのお椅子を前にして、しばしボーっと見つめてしまいました。
年代を確認してまたびっくり!1850年代です。
ゆうに160年以上は時を経てきているにもかかわらず、この艶!!
瑞々しいという表現がぴったりではないでしょうか?
よほど歴代のオーナー様がきちんと手入れをされ、大切に扱われてきたのでしょうね。「はぁ~」ため息がとまりません。
本当に、大切に扱われてきたことが伺われます。
そして、100年以上前の“ジェニン・アンティーク”(真のアンティーク)で、このお値段。
高価ではありますが、アンティークに造詣の深い方でしたら、
きっとその価格以上の価値をお感じいただけるものと思っております。
質、実、デザインともに三拍子そろったすばらしいお品と評価しております。
ぜひ次代へと引き継いでいっていただきたい19世紀の遺産です。
マホガニーやウォルナットなどのアンティークとも
相性はグッドです!
一生ものの実用アンティークとしてお使いくださいませ。
「本物」をお求めの方!ぜひこの機会にご検討ください!
(Sales/TJ)
↑3脚中1脚の座面の前あたりに補修あとがあります。
※こちらのチェアは3脚セットで入荷いたしました。
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | ヴィクトリアン ローズウッド パーラーチェア | |||
品番 |
HC0379
|
管理番号 | LC16-8_0928 | |
販売価格(税込) | 39,900 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 460mm 奥行 485mm 高さ 835mm 座面高 455mm 座面奥行 370mm 座枠高 410mm ※「座面高」は床からクッションの頂点までの高さを計測しています。 実際に座られた際の座面高は「座枠高」もご参照いただき、座面高~座枠高の範囲内とお考えください。 | |||
送料ランク・重量 |
B/2ランク 送料目安:4,400円~7,040円
(沖縄 10,010円)
らくらく家財宅急便による配送:同ランクの椅子をもう1つ同梱できます。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ |
椅子/Chair
> サロンチェア/ホールチェア
無銘の椅子コレクション/Premium Chair Collection > 無銘の名作椅子 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1840年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン&シェラックニス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1840年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | エルム | |||
主要素材の材質 | 化粧材 | |||
主要素材の等級 | S級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 布 | |||
その他の素材のカラー | 緑系 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | 年代なり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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