PA0077
オランダ
1850年代 Two Drunkards / Oil Painting
サイズ |
幅 440mm 奥行 60mm 高さ 525mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
農民たちの酒場での1コマ、"Tavern scene(酒場での風景)"を描いた小振りなキャンバス画。
イギリス現地で完璧にレストアされた骨董的価値の高い風俗画(=日常生活を描いた絵画)になります。
こちらはイギリス中部、ノッティンガムNottinghamの絵画ディーラーより輸入したものになります。
ディーラー情報によれば、19世紀中ごろ、およそ150年ほど前に描かれた作品ということです。
以前にも、フランドル絵画をご紹介させていただいた中でご案内しましたが、
こちらは、ヨーロッパのコレクターなら知らない人はいない、有名なコレクションアート。
”Manner of David Teniers II ”(ダフィット・テニールス2世の作風)と呼ばれる有名な骨董画です。
ただ今まで、デニムとしてはあまり扱ってこなかったタイプの作品。
何故なら、どちらかといえばこちらの作品は、美術的な評価やデニムのようにインテリア的な評価をされる作品ではなく、
投機的な評価で取引される作品になりますので。
通常では高価のため、ちょっと手が出しくいです。
もちろん、あくまで根底には美術史的な評価があるので、投機的な評価だけの作品、という意味では決してないのですが、
そういう傾向が強い、ということ。
すなわち極端に言わせていただければ、骨董絵画として価値が高くなっているのか、低くなっているのか、などと、
あたかも株の取引でもしているかのように、その人気や価値は相場で決まるタイプの作品、といえばわかりやすいかと思います。
実際、扱っていたイギリスの絵画ディーラーも、そのお店の富裕層のお客様向けのサービスなのでしょうけど、
投資したお金に対して利回りがいくら、などと、あたかも金融商品などのように骨董絵画の数字をはじいていて、
資産運用を考えるうえで、アンティーク絵画はとても賢い選択の一つです、というようなことまでアピールしているのです。
まあ、確かにそれも扱う作品に信頼がおけるからこそ、いえることなので、逆に作品に対する安心感はあるのですが、
インテリアとしておすすめしているデニムでは・・ちょっと違和感がありますよね。
なので、この手の作品は今まであまり買い付けてはいませんでした。
でも、そうはいっても、やはり破格なお値段で見つけてしまえば、ご紹介もさせていただきたくなるもの。
アンティーク上級者の方ならお分かりになるかと思いますが、骨董絵画をその筋のプロフェッショナルがフルレストアしたら、
一体、いかほどの費用が必要になるか、
場合によっては、こちらの作品の価格を超えてしまうことだってあり得なくはないと思います。
う~ん、その点だけでも、これはお得。
19世紀のManner of David Teniers IIのコレクションが、レストア済みでこの価格なら、
確かにデニムでもぜひ、アンティークファンのお客様にご案内させていただく価値はあるな、と。
小振りでちょっとインパクトのある作風も、お部屋のインテリアの良いスパイスにもなると思いますし。
ということで、はるばる海を越えて、デニムのもとへやってきた、というわけです。
前置きが長くなってしまいましたが、こちらの作品につきまして、前述のとおり、
”フランドル”の画家、ダフィット・テニールス2世David Teniers II(1610-1690)の作風を模写した作品になります。
※フランドルとは、現オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にかけての地域です。
ダフィット・テニールス2世は一般的には、
ダフィット・テニールス(子)David Teniers the Youngerと表記されることの方が多いです。
1世はもちろん、ダフィット・テニールス(父)David Teniers the elder(1582-1649)で、やはり著名な画家。
父は、かのバロック絵画の巨匠ルーベンスに師事していたため、
子もまた父を通してルーベンスの影響を受けていると言われています。
テニールス(子)はスペイン領ネーデルラント総督に召し抱えられ、宮廷画家として、生涯公務に従事していた、ということです。
彼の代表作はルーブルやエルミタージュといった第一級の国立美術館クラスに現在も所蔵されています。
ちなみにテニールス(子)の息子、フィット・テニールス3世David Teniers Ⅲ、孫の4世David Teniers Ⅳもまた、著名な画家です。
こちらの作品は、テニールス(子)がまだ若いころに描いた風俗画、”Two Drunkards”をアレンジしています。
テニールス(子)のこの一連の酒場シーンの作品は、とても人気が高く、
かの世界3大オークションハウスのクリスティーズやサザビーズでも、Mannner、Follower、Circle を問わずひっぱりだこ。
何故って、何といっても、かつてのフランス王家、
ブルボン朝のマリー・キャロラインMarie Caroline侯爵夫人(1798-1870)のコレクションだっただけあって、
ある意味では、アンティークのブランド品と言っても良いくらいですから、ね。
貴族クラスと肩を並べたいと思っている富裕層には、美術的価値うんぬんよりも、
とにかく箔をつけるために欲しくてほしくてたまらない、といったところなのでしょう。
ところで、マリー・キャロラインMarie Caroline侯爵夫人って?
日本ではあまり知っている人も少ないのでは、と思いますが、当時のナポリ公国の王妃であり、
かのマリー・アントワネットの妹です。
かつてヨーロッパ全土を支配していたといっても良いほどのハプスブルグ家と、
肩を並べるほどのブルボン家の一国の王妃のコレクションなわけですから、それはもうコレクションというよりも
「財宝」、「とか「国宝」と呼ぶべきなのでしょう。
フランス革命でブルボン家が失脚した後、子孫たちにより、彼女の収集品は売却されたそうです。
その中の一つに、このテニールス(子)の酒場シーンの作品があったことで、ブランド化してしまったのでしょう。
クリスティーズのデータでは、テニールス(子)のオリジナル作品で845,000 USD(アメリカドル)、
Mannnerの作品で約4,500 USDほどの値がついていました。
作品により相場は変わると思いますので、この価格については何とも言えませんが、実績値です。
まあ、現実的なお話ばかりですが、18世紀の空気感が身近に感じられる秀作で、額装の質も一級品、
こんなスーパーアンティークアートが、このようなプライスで入手できるのですから、
ぜひ、アンティーク上級者の方にはご検討いただきたい、と思いました。
きっとアンティークな空間のアクセントとして、お気に召していただけるインテリア、と
デニムでは確信しております・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
19世紀のフランドル絵画、フルレストア済みの油彩画になります。
ディーラー情報ではごく最近、ということですが、背面の状態からすると
20世紀末ごろに、かなり大掛かりなレストアを行ったように思います。
作品にはニスが引き直され、また彩色などもレタッチされているでしょう、
フレームは新品の高級額装にリフレームをされ、余すことなく手が加えられています。
背面のラベルからすると、プロフェッショナルな専門レストアラーのようなので、
相当の費用をかけて行ったことが想像されます。
なので、今から1世紀以上も前の作品とは思えないほどきれいに仕上がっていて、
長く所有していたい、という方には最適な状態となっています。
ということで、とても良い状態で、お値打ち品として入荷いたしました。
作者は不明ですが、おそらくオランダ画家によるもの、ということです。
元絵については、有名なフランドル画家、
ダフィット・テニールスDavid TENIERS the Younger(1610-1690)の作品になります。
”Two Drunkards” 1630s Oil on oak panel, David TENIERS the Younger by Sotheby's
上記の作品がこちらの作品の元絵と思われる、テニールス2世のオリジナル作品です。
ちなみにこちらは世界三大オークションハウスの一つ、サザビーズで〇千万円の値が付いています。
19世紀の画家が、17世紀の有名作家に迫ろうと描いた作品を、20世紀のレストアラーの手で修復され、
21世紀の私たちが鑑賞する、という、何だか壮大な、時空を超えたアンティーク絵画です。
作品面の詳細情報ですが、ニスが引き直されているとはいえ、レストア前にあったと思われる、
薄いひびは多少残っています。
ただ光にかざすとわかるレベルなので、鑑賞上はそれほど気にはならないものと思います。
彩色はきれいに補色されているように見え、
背面のキャンバス地の風合いを見なければ19世紀のものとはわからないほどです。
逆に言えばきれいすぎて、お好みはあるかとは思いますが、
良い意味で古びた感じはしなくなっています。
骨董絵画としては、まずまず良好なレベルと思います。
フレームもきれい目で新しい感じで、無垢材ベースにモールドの装飾が施された、
昔ながらのゴールドギルトフレーム。
細かな連続文様の装飾が、今では珍しい高級フレーム、と思います。
多少の金彩の擦れなどはありますが、一般的に見て、気になる程度ではないと思います。
フレームとキャンバス画の収まりは問題なく、ガタつきもありませんでした。
背面には、デニムで現代のフックと丈夫なナイロン紐を付けておきましたが、
商品価値には何ら影響するものではありません。
クリーニングも慎重に行いました。
フレームの木部補修はタッチアップ程度を行っておりますが、絵画への影響は全くありません。
仕上げには時天然蜜蝋のワックスだけで仕上げ磨きをしています。
全体的に良い仕上がりと思います。
描かれている絵画自体につきましては、基本的にデニムでは入荷時より一切手を加えておりません。
アンティークインテリアとしては、良い雰囲気なのではないかと思っております。
絵のクオリティは十分高く、骨董美術として上等な部類と評価できるのではないでしょうか。
額のデザインも絵画をより一層、格調高く演出しています。
とても良い雰囲気のアンティーク絵画と思います。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします!
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
ダフィット・テニールス ファミリー、1世から4世までの間で、
最も名を馳せたのはこちらの2世ではないかと思います。
もちろん作品のもつ価値(値段)としては1世が一番高いでしょう。
でも、才能、実績、人柄、家庭、財産とすべてに恵まれ、名声をほしいままにした人物は
ダフィット・テニールス ファミリー全盛期を築いた、やはりこの2世において他はありません。
この作品の作者もそうだったことでしょう、
ダフィット・テニールス2世は、後年まで多くの画家たちに影響を与えた稀代の人物、ということができます。
彼は巨匠ルーベンスに師事した権威ある画家を父(1世)にもち、アントウェルペンにて誕生しました。
幼い時からその才能を開花し、若くしてテニールスはアントワープの画家組合の組合長に選出されます。
さらに彼は宮廷画家、ヤン・ブリューゲル (父)を父に持つ娘アンナと結婚し、
後には、やはり著名な画家となる息子、ダフィット・テニールス3世を授かります。
その後、彼はネーデルラント総督であるオーストリア大公に認められ、
テニールスは宮廷画家として召し抱えられるようになります。
彼は公務で、ウィーン美術館のコレクションのため、イタリアの巨匠たちの作品などを集め実績を作ります。
それは次のオーストラリア大公からも好意を得るところとなり、生涯、宮廷画家として務めたということです。
と、まあ・・う~ん、こんなにパーフェクトな人生を送った画家は、かつて存在したでしょうか?
彼の死後、150年経っても、テニールスにあこがれて彼に追従しようとするフォロワーたちが後を絶たなかったのも
無理からぬこと、といえそうです。
さて、こちらの作品の製作年代は、19世紀中ごろのものと思って間違いはなさそうです。
もちろん信頼できるディーラー情報ですので疑う余地はありませんが、
背面の状態をデニムの経験値から見ても、それはまず間違いのないところでしょう。
バロック調のフレームは新品額装が20年ほど経ったといった感じのユーズドコンディションですが、
フルレストア済みの作品とのマッチングはグッドかと思います。
きれい目な150年もののアンティーク絵画として、その雰囲気をお感じいただければと思います。
作品については、1630年代、テニールスが20代から30代の若いころに描いた酒場シーンシリーズ、
”Tavern scene”の中で、”Two Drunkards”とタイトルされた作品を模写したものです。
※前項の職人コメント欄ご参照。
オリジナル作品もこちらのフォロワーの作品も、登場人物は同じ2人の男性。
一人は帽子に羽根の付いた、顎ひげを蓄えた男性、もう一人はベレー帽のような帽子をかぶった、
やや背が低めに思える初老の男性。
ほとんど、といって良いほど、状況は同じに描かれているのですが、
意図的に、オリジナル作品の数秒後のシーン、としたかのような、現代の感覚でいえば、
数コマ先送りしたところのシーンとして描写しているかのように見えます。
テーブルや椅子の配置も同じですし、二人の位置関係も同じ。
ただ、横顔だった右の男性は酔った表情でこちらを向き、オリジナルではパイプを持っていた手が
お酒のかめを抱えるように変わっています。
左の初老の男性は、オリジナルでは逆に、右の男性にお酒をすすめるかのように抱えていたのが、
こちらではパイプを手に持っています。
つまり、右の男性にお酒をすすめていた左の男性は、右の男性を酔わすことに成功し、
左の男性が持っていたパイプを取り上げて、自分が吸っている、という状況?
洋服の色や形が少し変わっているのはもしかするとレストアのせいかもしれません。
こちらの作品の制作当初は、もっとオリジナル作品に近かったのでは、といった印象です。
・・まあ、いつものことながら、それはあくまで筆者の私感です。
イチアンティークアートファンの感想程度にお読みくださいね。
他人の作品を模写するというのは、まだ自分の作風が確立できていない証拠。
作者は若い研究生だったのかもしれません。
ただテニールスの作品に強く感化されているのがうかがえますから、
オランダ美術を理想としている、イギリス人リアリスト、というような画家のイメージが浮かんできます。
空想の中で人の表情を作り上げる表現力は一級品。
その後、どのような画家に成長したか、ぜひ知りたいものですね。
まあ、すべては筆者の想像の域を出るものではありませんが、
いずれにしても、この小さめなキャンバス(ボード)に多くの空想を膨らませてくれる楽しい作品です。
とにかく卓越した芸術センスを持った若きアーティストによる作品、と確信しています。
複雑で奥深さの感じる彩りも、天賦の才。
彩色の妙、というよりも自然な色彩の描写が素晴らしいと思います。
そしてこれほど作品のトータルクオリティ、薄っぺらなエセ芸術家によるものでないことは明らかです。
きっと、作家自身もそれなりに名の通った人物かと思いますが、
・・きっとそれは永遠に判明することはないのでしょうね。
眺めては古き良き時代をしのび、見つめては憎々しい表情に口元がほころぶ、魅力あるアンティークアートです。
ぜひ大らかなアンティークファンの方に、後世へ引き継いでいっていただきたいものです。
とても好感のもてるダフィット・テニールス2世の作品、
空間を演出するインテリアのスパイスとなさっていただければ幸いです・・。
(Sales/YM)
↑上記はこちらと同じ、ダフィット・テニールス2世の模写をクリスティーズで売買した情報です。
4500USD(米ドル)ほどの値がついています。
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | Two Drunkards / Oil Painting | |||
品番 |
PA0077
|
管理番号 | Lot15-18_0529 | |
販売価格(税込) | 63,720 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 440mm 奥行 60mm 高さ 525mm ※絵のサイズは幅340mm×高さ420mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック160 送料目安:2,450円~3,010円
(沖縄 3,180円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | オランダ | 年代 | 1850年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | タッチアップ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | オランダ | 年代 | 1850年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 化粧材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 布 | |||
その他の素材のカラー | その他 | |||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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