PA0093
フランス
1850年代 Woodland with a mother and child / Oil Painting
サイズ |
幅 625mm 奥行 55mm 高さ 550mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から150年以上前! 19世紀半ば、フランスの時代区分で言えば、
ルイフィリップからナポレオンⅢ世の時代に描かれた古いランドスケープです。
・・雰囲気のある素敵な風景画です。
厚みのあるギルトフレームは「薄っぺら」な複製画などとは次元の違う
「格」の高さを感じるアンティークアートです。
慎重になりがちなアンティーク絵画の仕入ですが、こちらの絵画に関しては、
圧倒的な「本物」のオーラが、仕入に一切の躊躇を必要としませんでした。
作風は典型的なバルビゾン派(École de Barbizon)のもの。
バルビゾン派とは、美術史的にいえば、1830年から1870年頃にかけて、フランスで発生した絵画の一派です。
その当時の有名なバルビゾン派の画家といえば、言うまでもなく ”ジャン=フランソワ・ミレーJean-François Millet”。
オルセー美術館に所蔵されている、1857年の作品、ミレーの「落穂拾い(Des glaneuses)」 などは、
絵画に興味のない方でも知らない人はまずいないでしょう。
ちょっと専門的なお話になりますが、19世紀に入ると芸術分野において自然主義の風潮が起こります。
つまりそれまでの伝統的な風景画では、アトリエでの画面構成を重視し、聖書や神話など
宗教的、歴史的な画題や理想化された風景を描いていたのに対し、あらたな自然主義という風潮では
野外での自然観察を重視し、それまで画題になり得なかったフランス国内の森や渓谷、田園風景など、
自然な風景画や農民画をありのまま、写実的に描くようなトレンドが芽生え始めてきたのです。
自然主義派の画家たちは、フランスのパリ郊外、「フォンテーヌブローの森」を風景画の画題として着目し、
1830年頃より森に隣接するバルビゾン村に滞在したり居住したりするようになります。
そのことから彼らはバルビゾン派と呼ばれるようになりました。
バルビゾン派の有名な画家は、先に述べたミレー以外にも、コロー、テオドール・ルソー、
トロワイヨン、ディアズ、デュプレ、ドービニーなどビッグネームが軒を並べていて、
この中心的存在の7人は、「バルビゾンの七星」などとも呼ばれているそうです。
バルビゾン派の全盛期は1840年から50年代。
こちらの作品はまさにそんなバルビゾン派全盛の時代に描かれた作品です。
作者はエドゥアード・ショーヴェルEdouard Chauvel。
作品を見ていただければお分かりのとおり、典型的ともいえるバルビゾン派のアーティストです。
その名を知る人は少ないかと思いますが、
ジャン=バティスト・カミーユ・コローJean-Baptiste Camille Corot(1796-1875)のフォロワーとして、
作品を追っていくと行きあたる作家です。
出所情報は、フランスのファインアートオークション経由でイギリスへ渡った、という状況のようです。
イギリス・イングランド中部のウェスト・ミッドランズ州、ウォリックシャー Warwickshireにある、
アンティーク絵画専門ディーラーがイギリス人のプライベートコレクションを入手し、
その後、そのディーラーより直接、デニムがこの作品を買い取りました。
ディーラーは、高級骨董とされる重要なアンティーク絵画を専門に扱う信頼のおけるアートディーラーです。
安心してお求めいただければと思います。
ディーラーでは、この作品は19世紀半ばの制作ということでしたが、
コローに近い弟子ということであれば、まさにそのころのものと言えるでしょう。
日本でいえば江戸末期のものということになりますね。
いずれにしても、150年近く経過しているとても古い作品です。
大きすぎず小さすぎずのほど良いサイズで、インテリアのメインにも、アクセントにも、
アレンジはしやすいと思います。
19世紀の素敵なフォレストシーンを、エントランスに、書斎に、リビングに、ぜひ・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
コンディションにつきましては、アンティーク絵画としてエクセレントクラスです。
1世紀半が経過し、これだけの状態をキープできているのは、
フレーム交換も含め、ある程度レストアを受けたことがあるのではないかと思われます。
保護ガラスなどのない入荷時のオリジナルフレームで、ラベルも残っていますし、
かなりぴったりとフレームに装填されているところから見て、
初期段階からのオリジナルフレームの状態であると思われますが、
長い歳月の間には幾度かのレストアを受けているものと思われますので、
その際に交換されている可能性もあります。
とはいえ、フレームだってそれなりのアンティーク品。
堅木の天然木無垢ベースに、ゴールドギルトのクラシックタイプ。
現代の安価な模造品とは一線を画すシロモノです。
こちらの作品の作者はエドゥアード・ショーヴェルEdouard Chauvel。
バルビゾン派のアーティストです。
作品の左下にサインがあります。
作者の詳細は不明ですが、これほど素敵な当時もののロココ様式の額装に収められた風景画ですから、
アーティストとしての評価は想像がつくというもの。
経験的にみて、こちらの作品は、職業的なペインターが公的な評価を得て、
しかるべきルートで販売されてきたものであることは間違いないでしょう。
ある程度、一般に知られたアーティストだったことと思います。
アーティストとしてのプライドを感じる繊細な描写、真摯で生真面目ささえ感じる表現力、
アースカラーの色遣いで印象付ける個性的なセンス・・。
専門家でなくとも、自然主義派のマイスタークラスが描いた作品であることは想像に難くありません。
画風はコロー・・かの ”ジャン=バティスト・カミーユ・コロー Jean-Baptiste Camille Corot"(1796-1875) の
影響を強く受けたもので、コローの弟子、あるいはコローの影響下にあった美術学校の学生、
といったところではないかと思います。
モルトフォンテーヌの思い出Recollections of Mortefontaine, 1864 (ルーブル美術館)
コロー独特の柔らかなタッチ、そして靄のかかったような抑えられた銀灰色・・。
幻想的で詩情性豊かなコローの作風と、エドゥアード・ショーヴェルの作品は共通点があることがわかりますね。
作品はキャンバスに描かれたオリジナル(肉筆)油絵。
確かに150年くらいの歳月を感じさせるものですが、古い木枠にしっかりと張られています。
キャンバスには3か所ほどのリペア跡が確認できますが、作品へのなじみはよく、プロの仕事だと思います。
フレームの素材はギルティングの施された天然木フレーム。
複雑な植物文様のパターンを四隅にアクセント的に配した、めずらしい ”Gilt Gesso Frame ” です。
当初からのオリジナルにせよ、後年交換されたものにせよ、19世紀半ばの当時ものと思われます
作品のコンディションですが、絵画自体の劣化は、非常に薄い絵の具のひび程度で、
保存状態としては年代を考えればかなり良い方だと思います。
基本的にデニムでは描かれている絵画自体には手を加えることは致しません。
描かれた時代を考えればかなり綺麗なレベルです。
ギルトフレームについては、各所にフレームを矯正した痕跡や、
ちょっとしたひびやクラックを幾度か修復されたあとが確認できました。
でも、長く大切にされてきたのが良く分かる、という程度のコンディションだと思います。
アンティークのダメージというよりも、愛されてきた証しといえるような修復あとです。
デニムでも、少々タッチアップ補修させていただいた箇所もありますが、
おおむね、オリジナルの雰囲気を変えないように現状を優先させていただきました。
ゴールドの部分はメンテナンスオイルによるクリーニングが中心です。
ワックスでシットリと仕上げ、小ぎれいにはなったと思います。
接合部には若干のゆるみがありましたので、締め直しの再接着は行っています。
がたつきなどのないしっかりとした状態です。
背面にはオリジナルのフックをそのまま残しております。
ナイロンシートをつけさせていただきましたのですぐにお掛けいただけます。
強度は十分です。
全体的には絵もフレームもアンティークらしい雰囲気を備えつつ、特別なご留意点もなく、
グッドコンディションといえるものと思います。
絵のクオリティも高く、骨董としてはかなり高く評価できるのではないでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします!
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
コローについては、デニムが語るまでもなく、間違いなくフランスの19世紀を代表するアーティストの1人。
裕福な家庭に生まれ、何不自由なく創作活動に取り組むことができ、
晩年にはサロンドパリの審査員にも任命されたほどの、成功した画家です。
画家を志した若き頃には当時のフランス美術の第一人者といえる人物に師事し、
壮年期に描いた作品は、ナポレオン3世が購入してルーブル美術館に所蔵、
また、人生を通して、多くの実力ある画家たちと親交をもつ、という、
ちょっと略歴を読んだだけでは、どこにも影のない人生を歩んできた巨匠です。
こちらの作品は、そんなコローを思わせる、独特の色調の風景画。
かなり強い影響を受けたアーティストの一人と思われます。
コローに似た銀灰色の靄に包まれたような、とても叙情的なカントリーシーンです。
ただ、サインが入っていることで先入観が入ってしまうのか、
どこか演出的、というかテクニカルな描写のように感じてしまうのは筆者だけでしょうか。
つまり、巨匠の大作のように「心の情景」を描いたものではなく、
「目の前の情景」を描いたもののような・・。
そしてみると、子供連れの女性も描かれていますが、なんとなく演出っぽい感じ。
あくまで個人的な感想ですので、軽く読み飛ばしていただければと思いますが、
ただ、そうはいってもコローの画風を受け継いだ直系のオールドマイスターであることは間違いないと思います。
画面構成でも、多くの人の琴線を揺さぶるこの表現力。
単なる若い美術学生では、こんな情緒は表わせられないのではないかと思います。
でも、逆に言えば、人気のあるバルビゾン派のアーティストで、
これほどの技量を持った描き手が全く無名というのはどこか不自然では・・?
ここから先は(前述もですが)筆者の私感になりますが、
エドゥアード・ショーヴェルEdouard Chauvelとは、もしはすると、だれか有名な作家のペンネームなのでは?
19世紀当時のバルビゾン派のぺインターといえば、花形職業のアーティストの中にあって、
さらに注目されていた存在。
その中で、これほどの才能を秘めた人物なわけですから、無名なのはちょっと解せませんよね。
少なくとも、他にもいくつか彼の作品が流通していても良さそうに思います。
ということは、誰か、名の知れた作家のペンネーム版、という可能性も十分に考えられます。
入手したディーラーからの情報では、エドゥアード・ショーヴェルの作品は他で見たことがないそうですが、
絵画のオークションデータを見ると、過去に一度だけ、1991年に$900USドルの値がつけられていた、
というデータがあったそうです。
価格は当時の貨幣価値ですので、こちらの作品よりももう少し上かな、と思われる価格ですが、
やはり誰が見ても、入手したいと思わせる力量を持ったアーティストであることには間違いなさそうです。
筆者の感覚では、名がもう少し知れていれば、かなりの値が付くアーティストではないかと思います。
残念ながら、エドゥアード・ショーヴェルに関して、これ以上、多くを語ることはできませんが、
これほどの才能を持つアーティストですので、いつの日か、他にも未公開の作品が発見され、
彼に関する情報もまた、入手できる日が来ないとは限りません。
その時のために、大切に所有していただきたい作品と思います。
もちろん、純粋に19世紀のアーティストの創作として、後世へ長く、
多くの方に感じていただきたい名画だと思っております。
本物を知るアンティークファンの方に、
ぜひ、所有していただきたいです・・。
(Sales/YM)
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商品基本情報 | ||||
品名 | Woodland with a mother and child / Oil Painting | |||
品番 |
PA0093
|
管理番号 | Lot15-21_0620 | |
販売価格(税込) | 129,600 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 625mm 奥行 55mm 高さ 550mm ※絵のサイズは幅445mm×高さ365mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック160 送料目安:2,450円~3,010円
(沖縄 3,180円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | フランス | 年代 | 1850年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | フランス | 年代 | 1850年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | あり | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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