TB0878 イギリス 1870年代 スーパークオリティ フレンチブールFrench Boulle ヴィクトリアンワークテーブル
サイズ |
幅 600mm 奥行 425mm 高さ 735mm 収納部内寸・幅 440mm 収納部内寸・奥行 280mm 収納部内寸・高さ 75mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
19世紀半ばのイギリスで製作された“フレンチブールFrench Boulle”スタイルのワークテーブルです。
“フレンチブールFrench Boulle”とは、19世紀の上流階級で流行した、
フランス独特のマーケットリーインレイ(絵画調象嵌細工)のこと。
きらびやかなブラス(真鍮)インレイを、エボナイズ(黒檀色)した躯体にふんだんに使ったとても豪華な装飾技法で、
19世紀のフランスでは宮廷家具の象徴的なインテリアスタイルでした。
正確には、”アンドレ・チャールズ・ブールAndré Charles Boulle”という、
宮廷家具専門のキャビネットメーカーが独自に作り上げた装飾技法だったようですが、
こうしたエボナイズ塗装とブラスインレイの組み合わせは、イギリスなど、
ヨーロッパ各国の多くの家具メーカーに取り入れられることになり、
汎用化した結果、このような装飾は一般的に”フレンチ・ブール”と総称されるようになったようです。
と、ここでアンティーク上級者の方ならきっと、お気づきでしょう。
そう、パピエマーシェによく似ているな、と。
パピエマーシェPAPIER-MÂCHÉ(パピエマシェ/マーシュ)もフランス生まれの装飾技法。
紙を粘土状に溶かして圧縮成形した素材に、漆塗りのような「黒檀」塗装を施し、
表面には金彩でハンドペイントやプリントを入れたのが、パピエマーシェでした。
このパピエマーシェはもともと、19世紀の日本の「漆器」などの高い人気から、
いわゆる”ジャポニスム”の影響で、生まれたものといわれています。
そしておそらくこのパピエマーシェに影響を受けて編み出された様々な装飾技法の一つが、
こちらのワークテーブルにも用いられている”フレンチ・ブール”なのではないかと思います。
それは、このエボナイズ塗装が、何か白い下地で表面処理されている点を見れば想像できます。
このワークテーブルの漆黒のボディは、単なる黒塗装ではないのですよ。
圧縮素材を張り付けるパピエマーシェと同じ技法で製作されているのではないかと思います。
そして、真鍮の薄板をパーケットリーであるかのように、幾何学文様にインレイワークし、
きらびやかな螺鈿(らでん)細工をパネル面に施しています。
その装飾の細やかさ、丁寧な仕上げぶりは・・、まさに日本発の「漆工芸」のよう。
実際、日本的なジャポニズムから生まれた技法ということであれば、何だかちょっと誇らしい気分ですね。
・・うんちくが長くなってすみません。
19世紀のイギリスを振り返ってみれば、ヴィクトリア女王治世下の“ヴィクトリア”期には、
豪華絢爛、華やかなスタイルの家具、調度品が数多く製作されています。
すなわち、こちらのワークテーブルも、そんな当時のリアルタイムな芸術的プレミアムアイテムのひとつ。
真珠貝/マザーオブパールの薄片を張り付けた象嵌装飾は、100年以上経過しているのが嘘のように若々しく
つややかなソリッドブラックの躯体がより一層装飾を引き立て、21世紀の私たちに「永遠の美」を誇示しているようです。
そして目にあでやかなブラスインレイ&ブラスエッジングのデコレーションワーク・・。
まさに正真正銘、ヴィクトリアン当時ものの宮廷家具!
ご婦人の「宝飾品収納庫」として使われていたことは今さら申し上げる必要すらないように明らかですが、
150年を経た現代にあっては、このワークテーブルの方こそが、「宝飾品」といっても良いような気がします。
本当に素晴らしい稀代の文化遺産。
全く、デニムがお勧めできない理由はどこにもありませんね・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
高級家具の代名詞、ヴィクトリアン中期の"フレンチ・ブール"、別称パピエマーシェ・テーブルです。
今から何と、150年以上前の家具になります。
おそらく貴族のご婦人がご自身のアクセサリーケースとして使っていたであろう、
贅沢なコレクティングファニチャー(収集目的の家具)です。
木部の主材は、「家具の宝石」ローズウッド。
内装面はほぼ全面にわたり、ローズウッドの化粧材が使用されています。
このローズは、杢から見て明らかに南米産の最高峰、ブラジリアンローズウッドと思われます。
内装は杢で判断ができますが、外面はエボナイズ(黒檀)塗装がされているので、
ベースとなる構成材の種類は不明。
ただ、硬質な白木の天然木無垢であることは確認しております。
装飾面のインレイ(象嵌細工)に関しては、ブラス(真鍮)板を薄く切り張りした格子文様に、
キラキラした部分は天然のマザーオブパール=真珠貝の薄片で、花びらのような連続模様が描かれています。
入荷時のコンディションとしては、インレイワークの欠損を数か所確認した程度で、
比較的、外観は整っていて150年前当時のオリジナルに近い状態が維持されていました。
機能的にもワークテーブルの内部構成や、リフトアップ天板の開閉もスムーズで、
細い脚にはガタつきやぐらつきもなく、構造的に見てもとても良好なコンディションでした。
ただ2点ほど、残念な点が・・。
1つは、天板が無垢板ベースのため両端が反り上がっている点。
背の低い家具なので、普通に立ち位置で見下ろせば、全く気が付かないレベルなのですが、
真横から見れば、1cm強、左右に跳ね上がっているのがわかります。
そしてもうひとつは、3本の脚先がなぜか砕けたたようになっていて、
コルク片のようなブロックが脚裏に取り付けられていました。
幸い1本、見本となる「脚先」が残っていましたので、脚裏のコルクブロックは撤去したのち、
オリジナル通り埋木をして仕上げることが可能と思われましたので、
この点については特に問題なくきれいに仕上げることができるでしょう。
しかし、1つ目の天板の反りだけは・・う~ん、これを直すのは難しい。
テーブルトップであれば、裏に「反り止め」と言って、固い金属板などを添え木して、
強制的に平らにすることもできますが、このテーブルの場合、裏側も表面で、
重要な内装面なので、そこに目障りなパーツをつけるわけにはいかない。
仮に、ある程度デニムで平らに矯正できたとしても、その状態を維持するパーツがつけられなければ、
元に戻ってしまう可能性が高いです。
ただ幸いなのは、「反り下がって」いるのではなく、「反り上がって」いること。
これなら、引力とは逆方向なので、これ以上ひどくなることはならない可能性が高いと思われました。
また、扉と幕板の接地している部分が、ロックの部分なので、鍵もしっかり利かせられる状態。
要するに、見た目上、少し天板が跳ねているだけのことなので、その点はもう少し日本の気候になじませつつ、
性急な修理をせずに、様子を見た方が良さそうに思われました。
※現状の状態については、下記エキストラフォトにて、反りの程度を掲載しております。
ということで、まずは構造的なメンテナンスとして、脚先の埋木処理から始めることにいたしました。
脚先には、ソリッドブラスの装飾的なエッジパーツが伸びてきていて、
入荷時はそのパーツに当たらないよう、つまり、地面に接地しないよう、
コルクのようなブロックが取り付けられ、かさ上げされていました。
まあ、役目としては果たしているものの、見た目があまりに悪い。
それほど強度は必要ない部分なので、形状が整えられやすい、パイン材無垢を使用し、脚先に連結、
そして形状をきれいに整えさせていただきました。
結果、コルクがついていたオリジナルよりも5mmほどかさ上げされましたが、
これでエッジのブラスパーツに干渉する心配はなくなり、カタチも、より一層、
美脚のラインがきれいに見えるようになったのでは、と思っております。
尚、ヴィクトリアンのカブリオールレッグフォルムを熟知しているデニムですので、
シルエットラインは全く違和感なく仕上がっているのではないかと思います。
さらに、これほどのテーブルですのでもう一度足回りは根元から総チェック、
脚元はガタつきやぐらつきもなく実用コンディションに再生されたことをしっかりと確認いたしました。
かなり重厚な天然木無垢の骨格と脚で、
接合部さえしっかりと接着されていれば、かなりの剛性感が感じられる設計です。
現状、実用面では安心してお使いいただける状態です。
その他、引き出しや天蓋などの可動部の動作不良なども見られませんでしたので、
構造補修の後は、合鍵製作を済ませておくことにいたします。
ロックはヴィクトリアンオリジナルのロックだけあって、ロック自体に彫金が施されていたりするような、
珍しい、とても凝った高級家具専用のドロワーロック。
ロックは生きていたものの、鍵は欠損していたので、デニムストックのアンティークキーをベースに合鍵作成いたしました。
このテーブルにイメージぴったりのデコラティブなデザインキーがちょうどあったので、そちらを使用。
現状、かしゃんかしゃんと、気持ちよくロックアンロックが行える状態です。
ちなみに、こちらのロック、開閉共に、2度回しでロックアンロックいたしますので、
ご利用時にその旨ご確認いただけますよう、よろしくお願いいたします。
で、合鍵作成時に気が付いたのですが、こちらのテーブル、上下2段に引き出しがついていますが、
どちらもストッパーがついていないのですぽっと引き抜けてしまい、
うっかり、引き出しを床に落としてしまうような状況が考えられました。
ただ、どこにも引き出し止めのストッパーなどがあった形跡はない。
でもよく見ると、本体の底板面に何か、棒のようなものが刺さっていた1cmほどの穴が開いておりました。
もしかして・・と、直径1cmほどの「丸棒」を差してみたところ、
案の定、上下ともに引き出しストッパーの役割をすることがわかりました。
これで引き出しが抜け落ちる心配はなし。
逆に引き出しを抜き外したいときは、この「丸棒」ストッパーを(下に引っ張って)引き抜いてくださいね。
以上、これで実用面での補修作業はすべて完了いたしました。
続いて、塗装の前の下準備。
塗装といっても、内装部は通常の木部なので、下地処理として標準的なサンディング処理でニス引き、という
普通のアンティーク塗装で良いかと思いますが、表側はどのような塗料でエボナイズドペイントをしているのか、
見た目ではわからないので、シェラックニスの塗装は避けておいた方が無難と思われました。
ラッカーなどの合成樹脂塗料はまだ存在していなかった時代とは思いますが、「漆塗り」というか、
アクリル系に近い塗料のようにも見えましたので、塗装の安全面を考慮し、
オイルフィニッシュで仕上げることにいたしました。
オイルならば基本的にはどのような下地塗装がされていてもある程度無難に仕上げることができます。
ということで、まずはしっかり裏の裏まで、デニム愛用のウッドソープで、
150年間の汚れをきれいさっぱり洗浄することから始めます。
「CR0291 HOWARD クリーナフィニッシュClean-A-Finish 473ml」でしっかりと拭きあげていますので、
全体的にクリーンにお感じいただける状態になったと思います。
次は中面をサンディング。
ローズウッドの表面の古い塗膜を軽く剥がして下地を均します。
う~ん、さすがローズ、甘いバラの香りが周囲に広がります・・。
そして、外側のブラスインレイ面。
入荷時、腐食と汚れで残念ながらくすんでしまっていた、マザーオブパールとブラスインレイの表面を、
とにかく磨き上げを行うことで、付着している汚れを落とし、元の美しい輝きを取り戻させることを主眼に作業いたします。
ただ、なかなか地味で、技術とともに根気のいる仕事。
周囲のエボナイズ塗装面には干渉しないように、気を配りながら進めなくてはなりません。
小細工用のミニルータを使用し、端から少しずつ、丁寧に磨き上げを行っていきます。
するとブラス面はゴールドの輝きを取り戻し、マザーオブパールは徐々に、
キラキラとした虹色を再び身にまとってまいりました。
おお美しい・・。
おそらく150年前の製作された当時は、このようなキラキラした状態だったのだろうと、
製作当時の往年の状態がしのばれました。
そして仕上げは「CR0287 Uncle Bill カパー, ブラス&メタルポリッシュ 235ml」で、
仕上げ磨きもきっちりと行います。
もちろん、丁番や鍵、モールなどの真鍮パーツも、併せてしっかりと磨き上げを行っております。
すべてが真鍮無垢製ですので、これで全身ピカピカのゴールドを、漆黒のボディにまとえるようになりました。
で、下地処理の後は塗装工程。
中面は、古くからの英国製オイルステインでローズウッドカラーに着色。
時代感を残しながら、天然樹脂製シェラックニスでポリッシュに仕上げました。
ローズウッドの縞杢がきれいに現われて、かなり良い感じになったと思います!
外面は天然の亜麻仁油ベースで作られた、フィニッシングオイルでオイル仕上げ。
これも英国直輸入のフィニッシングオイルを使用していますので、元の塗装との相性も良く、
つややかなグロスブラックが再生されました。
このエボナイズ塗装面は、擦れによってやや薄くなっていたりしている部分もありましたが、
違和感がある部分のみ、黒ニスでタッチアップ補修させていただき、
自然な擦れに感じる部分には、できるだけ艶付けのみの仕上げとさせていただきました。
一様にベタっとペイントしてしまうよりも、その方がアンティークらしい自然な風合いに感じていただけますので。
またよく見れば、数か所、真鍮片が欠けている部分がありましたので、
その部分には真鍮粉を使用し、目立たないように補色させていただきました。
あとは24時間、オイルの乾燥を待った後でばらしたパーツの組付け作業。
これで完成です。
現状、内部のミラーバックにつきましては、オリジナルのミラーを再利用しておりますが、
気持ちよくお使いいただくため、ミラーは新品交換(現代日本製)させていただく予定です。
※無償対応です。
交換不要をご要望の方にはオリジナルミラーにてお送りいたしますので、
お求め時にその旨お申し付けくださいませ。
以上、これほどの高級アンティークですので、細やかな部分にまで、手抜きなく仕事させていただきました。
脚部を中心とした装飾や彫刻はとても状態が良く、欠損もほとんど見られず、
きれいに整っております。
全体的にきれいな艶ものっています。
最後に塗装の完全乾燥を待って、全体を英国直輸入、天然の蜜蝋ワックスで磨き上げてお送りいたします。
しっかりと手を尽くしたエクセレントコンディションの仕上がりです。
担当修理職人から自信を持ってお奨めさせていただきます。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
とてもレアなアンティークが入荷しました!!
今から140年以上前に製作されたパピエマーシュ調のワークテーブルです。
素材は、「木の宝石」と呼ばれるローズウッド。
美しく輝く華やかな色艶は、まさに、アンティークならでは・・です。
さらに全面に施されたマザーオブパールの象嵌・・。
希少なコレクターズアイテムですので、今後めぐりあう事はないお品かもしれません・。
100年を迎えた“ジェニン・アンティーク”(真のアンティーク)ですが
まだまだこれからも充分永くお付き合いいただけるクオリティです。
現代家具にはないこの味わい・・。
そして、世界にいくつも存在していない、貴重な逸品です。
ぜひ、この出会いに、お早めにご検討ください!
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | スーパークオリティ フレンチブールFrench Boulle ヴィクトリアンワークテーブル | |||
品番 |
TB0878
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管理番号 | Lc29-11_1223 | |
販売価格(税込) | 267,840 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 600mm 奥行 425mm 高さ 735mm 収納部内寸・幅 440mm 収納部内寸・奥行 280mm 収納部内寸・高さ 75mm ※ミラーサイズは、幅385mm×高さ230mmです。 ※収納部は最大サイズを表示しています。 ※下部引き出しサイズは、幅200mm×奥行230mm×高さ95mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
Bランク 送料目安:4,400円~7,040円
(沖縄 10,010円)
らくらく家財宅急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 家具/Furniture > ワードローブ/チェスト/ミラーチェスト |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1870年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン・ニス・ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1870年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | エルム | |||
主要素材の材質 | 化粧材 | |||
主要素材の等級 | S級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 金属 | |||
その他の素材のカラー | 素材色 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 年代なり | |||
交換・改造 | 年代なり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
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