OT0393 イギリス 1850年代 スーパークオリティ ローズウッド ヴィクトリアン タペストリーピクチャー ファイヤースクリーン
サイズ |
幅 550mm 奥行 450mm 高さ 1070mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
今から170年ほど前、19世紀中盤!
ミッド・ヴィクトリアンに製作された、「家具の宝石」ソリッド・ローズウッドのファイヤースクリーンです。
英国アンティークのコレクティング・ファニチャーを代表する逸品になります。
イギリスの老舗アンティークディーラーより、”トップクオリティ”の名のもと、
デニムに入荷してまいりました。
アンティークで取引される“スクリーン”について少し解説させていただきますが、
スクリーンには、ファイヤースクリーン、フォールディングスクリーン、ポールスクリーン、トリポッドスクリーン、
など、使用される用途や場所に応じて、いくつかのタイプが作られています。
こちらは後者、トリポッド(三つまた1本支柱)ベースのスクリーンになります。
いずれのタイプも暖炉の火の粉やすきま風をさえぎったりするために生まれた機能家具ですが、
時代が進むにつれてその機能性は徐々に低下し、お部屋の空間を魅力的に飾るためのインテリアとして、
そのデザイン性だけがどんどん特化して行くようになりました。
そしてヴィクトリアンの末期には、そのお宅のメインスペース、ファイヤースペース(居間)において、
その中でもメインのインテリア・アイテムとして、その流行はピークに。
第一次大戦まではそんな貴族趣味の傾向は続いていたようでした。
そんなわけで、コレクションしていた当時の富裕層の人たちの関心は、もっぱらそのパネルデザインの豪華さ。
特に、フォールディングスクリーンなど、もともと日本や東洋の「屏風」などの影響もあったのでしょうか、
いわゆる「金屏風」のようなシノワズリー風の絵画や刺繍のシルクパネル、
漆の絵画や“パピエ・マーシェ”と呼ばれる塗装技術など、様々な技法や素材を駆使して、
スクリーンはあたかも美術品であるかのごとく、変貌を遂げていったそうです。
見るもあでやかな、そのような当時の高級スクリーンですが、こちらのスクリーンについては、
まさにそんな流行がピークの時代の、リアルタイムなアンティークアイテム。
こちらは英国伝統のアートタペストリー(綴織)を、ブラジリアンローズウッド製の
美術品のような額装でフレーミングした、当時の超・高級調度品。
そのアートフレーム収められているのは、タペストリーというよりも、ニードルポイントといったほうが現代的でしょうか、
こちらもまた、ヴィクトリアンの貴族たちがこぞってお抱えのアーティストに製作させた人気のウォールアートです。
タペストリーについていえば、17~18世紀ごろ、イギリスで大きく発展した刺繍のテクニックの一つ。
当時の王侯貴族や富裕階級の人々が、専門の下絵作家や刺しゅう職人を雇い入れ、
女主人が侍女、召使いなどとともに室内装飾品を競って制作させていたそうです。
タペストリーはスペインを始め、フランスやイタリア、ドイツでも栄光や権威を示すものとして盛んに作られ、
中でも特に、古くから教会刺しゅうに伝統のあったイギリスで大きく発展。
貴族階級には必携のインテリアアイテムとなりました。
そんなタペストリーの中でも、こちらは全て刺繍でこれだけの細かい描写を構成させるなど、
素人目に見てもとても手間のかかった民芸品。
しかもベース生地はシルクと思われ、何色もの刺繍糸を使うなどの大変な豪華仕様です。
前オーナーはきっとお金と時間を持つ貴族階級だったことは明らかでしょう。
そして大切にガラスケースでパッキングされたこちらのタペストリーは、
※写真ではタペストリーが光って見えにくいのでガラスを外して撮影しています。
アカンサスC型スクロールで飾られた、明らかにブラジリアンローズ無垢製とわかるフレームに収められ、
またそのベースフレームは、見事なプロポーションにシェイプアップされた、
ヴィクトリアンスタイルのトライポッドで支えられています。
それらは全て「家具の宝石」、ブラジリアンローズ無垢材製で構成。
1世紀を経た今でも、見事な色つやと端正なフォルムを保持し続けています。
まさに「豪華絢爛」が主流だった、当時の典型的なコレクションスクリーン。
このような誰にでもわかる豪華さが、きっとオーナーにとっては何よりも代えがたい「芸術」だったのでしょう。
英国の歴史的な世相、そして、そこに生きた人々のプライドや価値観さえも身にまとった、
素晴らしきコレクタブルズ(収集目的の骨董品)と思います。
デニムがお勧めできない理由など、どこにもありません・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
19世紀半ば、1850年頃に製作された、ヴィクトリアン中盤の時代のポールスクリーンです。
イギリスアンティークを代表する高級コレクションアイテムです。
こちらは170年近く経過したジェニンアンティーク(真の骨董)になります。
ゴージャスなアンティークインテリアの空間で、アクセントとしてお役立ていただけそうです。
コンディションですが、年代の割に外観はまずまず良い状態でした。
日本でいえば江戸末期、そんな時代に作られた調度品が「まずまずの状態」なんて、
良く考えれば、日本では信じられないことですね。
本体の素材には、色艶の良い「銘木」クラスの高級材、「家具の宝石」ローズウッドが使用されており、
この墨汁を水面に流したような、黒っぽい縞杢はブラジリアンローズの特徴です。
インディアンローズや唐木の紫檀などでは決してないと思います。
しかも総無垢!
硬く重いローズウッドらしく、プロポーションはしっかりと維持されていて、
今なお、低重心バランスの重量配分で、どっしりと自立を保っていました。
脚の接地も良く、ガタつきぐらつきはありません。
3本脚ですのでそもそも接地が悪いなんてこと自体ないのですが、
端正な垂直を170年間キープしてきた、ということは天然木無垢の造形物としてはすごいことだと思います。
厳密に言えば、上部のスクリーン部は微妙に上向きに傾きをつけられています。
経年で傾いてしまった、というのではなく、支点の形状から見て、
立ち位置から見やすいようにそうしたものと思われます。
ただ、構造的にちょっと気になったのが、このしっかりしたスクリーンフレーム部と台座のトリポッドベースが、
小さな1点で支えられていた点。
デザイン性を考慮してこのような構造にしているのだとは思いますが、
いくら硬いローズウッドとはいえ、これでは心もとない。
というか、今までこの状態で破損もせずに堪えてきたのは一種の奇跡、といっても良いほどのように思われました。
詳しくチェックしてみると、この構造を支えていたのは、2種類2点、計4か所に設置されたL型金具でした。
フレームの連結支点自体は硬く厚みを持たせたローズウッドで構成されているので、比較的強固なのですが、
逆に、その支点からくる荷重はその周囲の弱い部分に送られていきます。
すなわちその終着点は、上部のフレームの下辺の両端(角)。
このフレーム下部の「留め」の部分に揺れの荷重がすべて集まってしまっていたので、
ここにL型金具を左右それぞれ2つずつ、接合部が外れないよう、連結用の留め具で補強されていたのです。
しかし、入荷時、少しぐらぐらするので、この金具をチェックしてみると、案の定、
内側の金具の一つがぽっきりと折れてしまっておりました。
さらに金具が折れてしまったことでフレームの接合部が緩み、
そのフレームを取り巻く飾り彫りまでぽっきりと折れてしまっておりました。
う~ん、L型金具自体は交換すれば済みますが、
根本的に、この金具だけに頼る構造は何とかした方がよさそうに思われました。
そのお話は後述することとして、フレームには製作された当時のオリジナルと思われるタペストリーが収納されています。
かなり細かな描写の刺繍です。
専門家ではありませんが、オーストリアの民芸品“プチポワン”クラスのかなり細かなニードルポイントのようです。
これだけでも十分な価値を持つものであることは想像できます。
相当な多色の糸による刺繍アートです。
描写は、初老のように見える身なりのよさそうな夫婦の肖像画。
インテリアから見て、ヴィクトリアンより前、18世紀以前のように見えますので、
その家の「ご先祖様」、あたりでしょう。
ステッキを持ち足元にペットの犬を従えている姿は、明らかに英国貴族、身分の高そうなジェントルマンです。
それにしてもこの描写、どのように編まれたものなのか、想像も及ばないほどのテクニックです。
170年も経過しているだけに、多少刺繍には退色も感じられますが、まだまだ色は鮮やかで
これといってダメージはなく、アンティークらしい良い雰囲気を持つ素敵なタペストリーです。
そのタペストリーは、キャンバスのフレームのような木枠にしっかり縫い付けられていて、
その状態でローズウッドフレームに収納されていました。
写真には写っていませんが、入荷時、保護ガラスで前面をカバーされていました。
ただ、端の方が少し欠けていたので、オリジナルガラスのようなので残念ですが、新品交換とさせていただきます。
現代ガラスなので、透明感が高く、鑑賞上はより良くなってご満足いただけるものと思います。
ということで、これほどのアンティークですので、メンテナンスは構造面、塗装面ともに、
細かな部分までしっかりと手を入れさせていただくことといたします。
構造面では、長期間荷重に耐えられる補強の仕組みを考えることとし、
塗装面では、まずまず良い状態でしたがやや全体的に色あせが進んでいましたので、
時代感を残しつつ、全面リフレッシュ塗装を行うことといたしました。
まずは構造補修から。
自立の面ではほぼ問題がなかったので、早速、揺れへの補強に取り掛かります。
何とか目立たないような補強ができないものかと、いろいろと思案いたしましたが、
ただ、補強するにはやはり、裏面に支え木のようなものを取り付ける以外に方法はなさそうです。
一般的に、ファイヤースクリーンの裏面には、パターンのきれいなテキスタイルなど、
生地を張っていることが多いように思われますが、こちらももともとはそうだったのでしょう。
ただ、裏返すことはほとんどなく、また、裏側に回ることもまずなかったと思われ、
入荷時はベージュの無地生地が無造作に張られているだけでした。
なので、裏面は見られないものと割り切れば、裏面全面を使って補強をすることができます。
まず、前述の折れていたL金具は現代の強固なステンレス製に交換。
オリジナルの構造補修は簡単に完了です。
次に、このL金具の負荷を減らすために、裏面全体に裏板をねじ止めします。
これで上部のアートフレームへの負荷は、一か所の接合部にかかることなく分散されるようになります。
そして、最後に支点部の補強。
ベース部とフレーム部が硬くなったので、おそらく今度は負荷が支点部に集中するはず。
ここを補強しなければなりません。
幸いベース部には、上の方に平らな面があったので、この部分からフレーム部トップに至るまで、
それなりの幅の取れる支え木スペースを取ることができました。
裏板には現代のシナ合板を使用しましたが、支え木には硬いアンティークのアッシュ(タモ)材を使用。
これで、上から下まで、支点を支えられる補強材を持たせられる構造となりました。
物理的に、支点部は10cm四方程度なので、もちろん手で持って揺らせば揺れますが、
不自然な力を加えない限り、経年で破損してしまうような心配はこれでなくなったものと思います。
見た目は少々仰々しくなってしまったので、塗装で一体感を持たせるようにします。
尚、この補強材取り付けの過程においては、一切フレームに加工を施してはおりません。
すなわち、補強材を外せば元の状態に戻せますので、後年、将来の修復士が元に戻そうと思えば、
生地張りするなど、オリジナルの状態にも戻すことも可能、ということです。
(もちろんねじ穴を埋め木する必要はありますけど。)
可逆性がこの補強のウリです。
さて、補強材が無事設置できた後で、フレーム周囲の破損していた飾りを接着して整形。
以上、構造補修に手がかかりましたが、あとは塗装をすれば仕上がりです。
内部や全体をクリーニング後、少し紫がかったローズウッドカラーの英国製ステインで全体を磨きあげ、
天然樹脂製のシェラックニスで、ウッドフレームともにポリッシュ仕上げをしています。
きれい目ながら、アンティークらしさは失われてはいないものと思います。
補強材にも色合わせして塗装いたしましたので、見た目には全く違和感はなくなったものと思います。
塗装乾燥後、軽く表面の汚れをぬぐい取ったタペストリーをはめ込んで完成。
現時点では、とても良い雰囲気に仕上がっているものと思います。
最後には塗装の完全乾燥を待って全体的に天然のビーズワックスで磨きあげて仕上げます。
艶も落ち着いて魅力的になることでしょう。
尚、何らかの事情で、裏に設置した補強材を外し、またつけ戻す場合、
ねじは補強材が全くがたつかないようにぴったりと締め付けてくださいね。
ねじが緩んでいたら補強材がぐらついて、全く補強の役目を果たさなくなってしまいますから。
以上、これほどのアンティークですので、隅から隅まで手を尽くしました。
これだけデザイン性に特化した家具ですが、重量バランスが良く、設置には安定感がありますので、
ファイヤースクリーンとして実用はもちろん可能ですし、
置いてあるだけでもアンティークインテリアの演出にお役立ていただけると思います。
担当修理職人から自信を持ってお奨めさせていただきます。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
素敵なアンティークが入荷しました!
「木の宝石」と呼ばれるローズウッドをふんだんに使ったポールは、
細部まで丁寧に彫刻が施され、
また、フレームにはとってもあたたかみのあるタペストリーの刺繍のスクリーンがはめ込まれています。
既に160年を経過したジェニン・アンティークですが、
今尚、当時そのままの姿を残すグッドコンディションです。
欧米には、このようなスクリーンが上流階級で使われていた高級調度品であったことから、今尚コレクターが多く、
例えば、ものにもよりますが、ジョージアンクラスのポールスクリーンで1,000ポンド前後、
ヴィクトリアンクラスで400~800ポンド程度の値がついています。
※権威ある英国アンティークのプライスガイド“Miller's"より。
高級感がありながら、ちょっとカントリー風にも演出できるデザイン性。
アンティークとしてのインテリア性だけとってみても、とっても高く評価できるお品です。
ちょっとした目隠しやお部屋のアクセントにおすすめです!!
レアなアイテムなので、ぜひお早めのご検討を!
(Sales/TJ)
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商品基本情報 | ||||
品名 | スーパークオリティ ローズウッド ヴィクトリアン タペストリーピクチャー ファイヤースクリーン | |||
品番 |
OT0393
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管理番号 | Lc29-12_0101 | |
販売価格(税込) | 237,600 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 550mm 奥行 450mm 高さ 1070mm ※スクリーンのサイズは、幅395mm×高さ445mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
Cランク 送料目安:7,535円~13,035円
(沖縄 18,865円)
らくらく家財宅急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 家具/Furniture > その他の家具 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1850年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン・ニス・ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1850年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | エルム | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | S級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 布 | |||
その他の素材のカラー | その他 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
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