PA0222 イギリス 1890年代 A Country Cottage Scene / Oil Painting
サイズ |
幅 800mm 奥行 65mm 高さ 600mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から100年以上前、19世紀後半にイギリスで描かれた古い風景画です。
もくもくと立ち昇る入道雲。
生い茂る草木の湿った空気の流れが、あたかも肌に感じられるかのような、美しいイングランドのカントリーシーン。
" A Country Cottage Scene With People And Barns"(人影と納屋のある田園風景)と名付けられた風景画です。
アンティーク絵画ファンの方なら一目でお分かりのことと思います。
典型的なイギリス画派、ヴィクトリアンのランドスケープペインターの作品。
ただ残念ながら作者は不明。
右下にサインはあるのですが、不明瞭で判読はできませんでした。
普通に見れば、”B L・・”で始まっているように見えますが、う~ん、はたして・・。
一般に名の知れた画家でB・Lがイニシャルに付くといえば、
ベンジャミン・ウィリアムズ・リーダー(Benjamin Williams Leader, R. A., 1831-1923)くらい。
いくら何でも、まさかね。
もしそうならデニム始まって以来の「お宝発見」ということになってしまいます。
ところで、イギリス・ヴィクトリアンの風景画家で代表的な作家は?といえば、
ほとんどの(日本の)絵画ファンの方は、まずターナーの名をあげるのではないでしょうか。
ジョセフ・マロウド・ウィリアム・ターナーJoseph Mallord William Turner(1775-1851)。
誰もがうなずく19世紀のイギリスを代表する巨匠ですね。
そして、そのターナーと並び立つもう一人の天才画家が、
ジョン・コンスタブルJohn Constable(1776-1837)。
やはり19世紀を代表するイギリスの風景画家であり、のちのフランス印象派の先駆けとも語られています。
この2人の活躍以降、それまでの歴史画、宗教画が中心だった西洋絵画の歴史は大きく変わることとなり、
単なる背景に過ぎなかった風景の描写に、その後脚光が当たることとなったのは皆様ご存知の通りです。
ターナーとコンスタブルは1歳違いで、同時代を生きた画家でしたので、
いろいろと比較されたりもしますが、一言でいえば、ロマン派色が濃く劇的な画面を創造したターナーに対し、
コンスタブルは終生故郷サフォーク周辺の身近な風景を描き続けた、という点が画風の違いといえるでしょう。
前置きが長くなりましたが、こちらの作品、
どちらかといえば、後者の画風によく似ています。
あたかもサフォークの田園風景を描いたかのよう。
直観的か、それとも先入観か、おそらくそうなのでしょうけど、作者の身近な風景を描いたように感じられます。
ちなみに、冒頭で申し上げたベンジャミン・W・リーダーは、
彼の父と交流のあったコンスタブルに大きな影響を受けています。
そして、こちらの作品には、”BL”のサイン・・。(しつこい?)
出所情報につきましては、直近ではイングランド北部、
サンダーランドのアンティークオークションハウスで競り落とされたものになります。
その後、その競り落としたディーラーより直接、デニムがこの作品を買い取りました。
入手したのは現地の骨董全般を扱うアンティークディーラーですが、
かなりの目利き力を持ったベテランのバイヤーですので、
驚くほどの「お宝」をお値打ち価格でゲットしてきてくれます。
以前にはめったに入手できない、デビッド・ロバーツDavid Roberts (1796–1864)の作品も手に入れています。
ディーラーは、高級骨董とされる重要なアンティークを専門に扱う信頼のおけるアートディーラーですので
安心してお求めいただければと思います。
前所有者などの情報はわかりませんが、一般的には、裕福な邸宅で所有されていた、
イギリス人のプライベートコレクション(個人収集品)の放出品であろうとのこと。
特に、当時もののオリジナルと思われるこの見事なバロック調フレームには、純金と思われる金箔張りが施されており、
間違いなく、この風景画には一定以上の評価を受けているもの、ということが推測できます。
そうした観点から、お安くはない作品ですが、かといって割高では決してありません。
相場から見て、順当な価格ではないかと思います。
むしろ、近年の骨董絵画の人気を考えると、将来的な資産価値として割安と思える時が来るのでは、とさえ思われます。
歴史に名を残した、間違いなくオールドマイスターの秀作です。
ぜひアンティークファンの方のお手元に・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
コンディションにつきましては、アンティーク絵画としてエクセレントクラスです。
保護ガラスなどのない入荷時のオリジナルフレームで、背面の処理状況からみて、
いつの時代かには、リフレームされた可能性もなくはないですが、
フレーム自体は19世紀クラスのかなり古いもののように思われます。
かなりぴったりとフレームに装填されていますので、プロの手によるリフレームか、
もしかすると初期からのオリジナルフレームであっても不自然ではありません。
フレームは、パイン系と思われる天然木無垢ベースに、ゴールドギルトのクラシックタイプ。
デザインは当時の貴族たちに好まれていた、19世紀のイングランド・バロック、
オールドトラディショナルスタイルです。
造りの良い硬質なソリッドウッドフレームとゴールドギルトゲッソのモールド装飾は
明らかに安価な模造品とは一線を画すシロモノです。
100年を経過した今見ても、その素晴らしさは失われておりません。
しかも!!
よく見てください、このフレームを。
外側の彫刻面と内枠のビーズのモールドとの間に挟まれた飾り面、
妙に金色に光っていると思いませんか?
デニムでもちょっと「 HOWARD Naturals グラナイト & マーブルクリーナー 473ml」で
磨いただけなのに、とてもきれいな金色の艶が出て、あれ?と思いました。
これ、金箔は金箔でも、もしかして「純金箔」なのでは?
一般に金箔には3種類あって、グレードの高い順に「純金箔」、「本金箔」、「洋金箔」
とされています。
「洋金箔」とは真鍮ベースの合金を薄く箔にした金箔、「本金箔」は金に銀や銅をいくらか混ぜた金箔、
そして「純金箔」は99.99%の純金、いわゆる24Kの純金で作られた金箔です。
ご存知の通り、純度の高い純金は何年経とうが変色することはありません。
変色するのは金に何らかの金属を混入させることでその金属が酸化するからです。
周りの彫刻面は赤っぽく変色しているので「本金箔」なのでしょう。
中央の飾り面はおそらく「純金箔」によるギルティングかと思われます。
よく見るとうっすら10cmくらいの間隔で箔がつなぎ合わせれているのがわかります。
こういう波紋が出るのも「純金箔」の特徴です。
24K純金箔のギルティングフレームは最高級額縁の証。
普通の作品とはその装いにも違いがあることがはっきりわかります。
さて、そんな最高クラスのこのフレーム、入荷時には彫刻の欠損があり、
また接合部の留め部分にも緩みがありました。
装填も多少ガタがありました。
1世紀以上経過しているわけですから致し方のないレベルですね。
ただ、作品面の状態は良く、キャンバスには張りがあり、表面にニスも塗られていないのに、
ほとんど絵の具のひび割れなども見られない状態でした。
1世紀以上が経過し、これだけの状態をキープできているのは、
ある程度レストアを受けてきたためか、よほど良い環境に飾られていたか、
のどちらではないかと思われます。
レストアについては、フレームの補修を中心に、全体のクリーニングをすることにいたします。
ところで、ちょっと作品について触れますが、作品には右下に‘B L・・’のサインがあります。
が、作者は不明。
作品は典型的な19世紀ヴィクトリアンのイギリス画派のアーティストによるものです。
ジョン・コンスタブルJohn Constable(1776-1837)、
ベンジャミン・ウィリアムズ・リーダー(Benjamin Williams Leader, R. A., 1831-1923)、
ダニエル・シャーリンDaniel Sherrin (1868-1940)、といった
当時の人気画家たちに近い立場にいたアーティストだったのではないかと想像しております。
↑Daniel Sherrin (1868-1942)
‘Resting in the fields’ signed 'D Sherrin' (lower left)
Price Realized £3,500
oil on canvas 20 x 30¼ in 2010 Christiie's London
上記のお写真は、こちらの作者と最も近い世代ではないかと思われるダニエル・シャーリンの
世界3大オークションハウスの一つ、クリスティーズで扱われていた作品です。
ダニエル・シャーリンは、当然ですがクリスティーズの目にもかなった作家、ということになります。
アメリカのコレクターの間ではかなり人気が高い作家です。
以前にデニムでもダニエル・シャーリンの作品を扱っておりますが、
こちらの作品と比べて、そのクオリティに遜色はないと断言できます。
もちろんそれ以前に、信頼おけるアンティーク絵画ディーラーの目にも、
デニムと同じ評価をしていますので、まずそのクラスに疑いはありません。
ぜひ、ご安心いただければと思います。
また余談ですが、ダニエル・シャーリンは、彼が師事したヴィクトリアン・ランドスケープぺインターの巨匠、
ベンジャミン・ウィリアムズ・リーダーBenjamin Williams Leaderのフォロワー(継承者) とされる作家です。
そしてそのベンジャミン・ウィリアムズ・リーダーは大御所のジョン・コンスタブルの影響を受けています。
そうしたイギリスのヴィクトリアン・ランドスケープペインターたちの一連のグループの中に、
こちらの作者もかかわりを持っていたのではないかと思います。
いずれの点でも多くの関心を集める要素の多いアーティストと言えます。
さて、こちらの作品面の状態につきましては、前述のとおりもともとエクセレント級で、
キャンバスに描かれた古い作品なので、光にかざすとアンティーク・オイルペイント特有の薄いひびくらいは見えますが、
ダメージとは言えない程度で、ほとんど気にはならないと思います。
また、見る限りレストアあともなく、あったとしてもここまで現状回復されているのであれば、
相当なプロの技ですので、商品価値には全く影響のないものと思います。
色の発色も、約100年くらい前のものですがまだまだ良いと思います。
オイル絵の具表面には汚れが多少ありましたので、慎重にアルコールを使用し、くすみを取っておきました。
現状、全体的には色鮮やかな状態で、年代相応以上の風合いと思います。
一般的に見て、100年物のアンティーク絵画としては、かなり状態の良いレベルです。
おそらく、作品表面、オイルの汚れ落としくらいは行われてきたのではないかと思います。
フレームにつきましては、全体的にフレーム接合部をしっかりと矯正固定し、
作品の装填を一部、金具を使用しがたつきを止めました。
彫刻面の欠損はエポキシで成型し、形状を整えております。
フレームは天然木無垢ベースに、周囲は石膏によるモールドで飾りが成型され、
ゴールドギルト(金箔張り)が施されております。
金彩は、若干擦れている個所もありますが、アンティークの風合い的なレベルで、全体的には綺麗だと思います。
彫刻の再生部分には、当工房に金箔がありませんでしたので、真鍮粉を使用しタッチアップ処理しています。
アンティークらしく、良い「味」に仕上がっているものと思います。
クリーニングは、表面の汚れ落としのみ、行いました。
マーブルクリーナーや「 HOWARD オレンジオイルOrange Oil 473ml」で行っております。
作業は各所、慎重に行いました。
絵画への影響は全くありません。
描かれている絵画自体につきましては、基本的にデニムでは一切手を加えておりません。
木枠から外すこともしておりません。
背面には作品保護のため、クラフト紙でキャンバスの裏面をカバーリングすべきか悩みましたが、
背面の雰囲気以外、時代考証に役立つポイントが少ないので、カバーせず、開けておくことにいたしました。
裏側にはフックがついていてしっかりしていましたので、そのまま再利用させていただきました。
ナイロンロープのみ交換しています。
安心して飾っていただける状態かと思います。
絵のクオリティも高く、骨董美術としては高く評価できるのではないでしょうか。
額のデザインも絵画をより一層、格調高く演出しています。
とても良い雰囲気のアンティーク絵画と思います。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします!
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
ダニエル・シャーリンはイングランド南東部、エセックス、
コンスタブルは同じくサフォーク周辺を、いずれも本人所縁の地を多く描いています。
もしこちらの作品の作者が彼らと近しい人物だとしたら、
きっと巨匠たちと同様、身近な場所の景色を書き留めたことでしょう。
描かれた季節は、やや草木が色づき始めたころ、夏から秋に向かう時期。
まだ暖かく穏やかな気候の中で、うっそうと茂る草木の空気が
自身の体にも心にも、居心地のよい場所だったことと思います。
その場所には、納屋があり子供と母親と思われる人影も見られます。
色鮮やかな服装なので背の高い方は女性かと思われましたが、父親かもしれません。
納屋の前には流れの緩い川が流れ、クローズドな場所のように見えます。
でも、一方では遠くには山を遠望するような方向があり、この地が比較的開放的な平地であることが想像できます。
作者の身近な風景、=(イコール)イングランドのごくありふれた農家の納屋のある場所、といったところでしょう。
多くの人に、古き良き時代を想起させる、19世紀のヴィクトリアンワールドです。
しかしながら技術的に見れば、緻密に計算された構図と、
複数の色を混ぜるのではなく掛け合わせることで表現する色彩、
そして無数の筆遣いによる描写、と、アーティストのかなりのエネルギーを作品に費やした力作かと思います。
バランスのとれた構図の中に必ず存在する、「水」と「人」、「造作物」。
そして時間、季節、自然の色どり、と全ての作品に共通する「万人受け」する要素。
さらには前景を中心にして後景をぼかす、自然な目線の流れが計算されています。
RA(ロイヤルアカデミー)会員クラスのアーティストといっても過言ではないはずです。
この作品に対する評価はきっと年を増すごとに高まっていくのでは、と思います。
後世へ長く、多くの方に感じていただきたい名画だと思います。
やや大きめなサイズですので、インテリアのメインのディスプレイにも、効果的と思います。
どこにおいてもそつがない、インテリアとして美しい。
鑑賞者にとっては、気持ちを晴れやかにしてくれる作風です。
19世紀のノスタルジックなカントリーシーンを、ぜひエントランスに、書斎に、リビングに・・。
本物を知るアンティークファンの方に、ぜひ。
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | A Country Cottage Scene / Oil Painting | |||
品番 |
PA0222
|
管理番号 | LC31-1_0929 | |
販売価格(税込) | 129,600 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 800mm 奥行 65mm 高さ 600mm ※絵のサイズは幅595mm×高さ395mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
佐川急便200 送料目安:3,480円~5,890円
佐川急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1890年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1890年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 布 | |||
その他の素材のカラー | その他 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 年代なり | |||
交換・改造 | 少ない | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。