アーリーヴィクトリアン ブラスインレイ クロッチマホガニー ディードボックス アンティーク家具・照明の専門店｜デニム アンティーク ファニチャー
SU0451
イギリス
1840年代 アーリーヴィクトリアン ブラスインレイ クロッチマホガニー ディードボックス
| サイズ |
幅 205mm 奥行 135mm 高さ 140mm 収納部内寸・幅 180mm 収納部内寸・奥行 70mm 収納部内寸・高さ 55mm ※ 詳しいサイズは、こちら | |||
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
今から約2世紀ほど前、イギリス19世紀前半、ヴィクトリア女王の時代に製作された、
ジュエリーボックス/アクセサリーケース(ディードボックス)です。
小ぶりなサイズにもかかわらずこの存在感、この重厚感・・。
産業革命から2度の世界大戦を経て、ITが世界史を変えようとしている現代。
約200年もの間、そんな歴史の大波の中で揺られてきた、時代の積み重ねを感じさせる風格です。
でも、不自然なほど「自然」に存在していることに、ちょっとした違和感を覚えます。
だって、2世紀前の木製品が、何事もなかったかのように普通に使えるというのは、
よく考えてみればあり得ないこと。
確かに、当時のアクセサリーケースといえば、文字通り”ジュエリーボックス”(宝石箱)でしょうから、
間違いなく大切に扱われてきたのでしょう、状態が良いのも合点がいきます。
それに宝石箱を持てる身分といえば貴族階級でしょうから、お抱えの家具職人くらいはいたに違いありません。
まめにお手入れはされていた可能性もあるでしょう。
しかしそれ以前に、ケース自体の素材品質が高くなければ、100年以上も状態を維持することはかないません。
素材は、主材としてはマホガニー材。
当時のスパニッシュ・マホガニーのリボン杢で全面化粧張りされています。
近現代の最高級材で知られるホンジュラス産マホガニーとは印象が違いますが、
当時はホンジュラス産マホガニーがマホガニーの一般材で、高級家具用のマホガニーといえば、
ジャマイカンウッドやキューバンマホガニーといった旧スペイン植民地からの希少な輸入材でした。
それらの人気の高かったマホガニー材は、総称してスパニッシュ・マホガニーと呼ばれていました。
ベース材は内装木地の木理からするとマホガニーの無垢ベースと思われます。
天板と底板にだけはウォルナット系と思われる堅木が使われています。
構造的な歪み防止対策でしょうか。
いずれもアンティークの時代ならではの銘木級の材料が使用され、
今では考えられないほどの贅沢仕様となっています。
製作技術も非常に高く、化粧張りでさえも、張られた化粧張りが浮いてくる「浮き」などは
150年経った今でもほとんど見られません。
また後述いたしますが、非常に複雑なからくり構造を持ちながら、上蓋と下箱との突合せ誤差は、何と小数点以下!!
1ミリ以下です。
要するにほとんどずれることなく、今なお、ぴったりと蓋が閉まる、というのは驚異的な精度です。
奇跡的、と言い換えても良いかもしれません。
この一切の狂いを見せないフォルムの精度や、剥離一つ見せない化粧張りの品質を見るにつけ、
素材や扱いの良さだけで、カタチあるものがあるがままの姿で残っているとは、
ちょっとにわかには信じられないですね。
命あるものには必ず寿命がありますし、カタチあるものはいつかは失われます。
それでは、その「いつか」って、この箱にとってはいつ?
もしかすると、長い歴史の中で、何回もレストアが入っているのかもしれませんが、
きっとこのようなアンティークには、保存に良い条件が偶然いくつも重なり、
ある意味では、本当に「幸運」に生き残ってきた、というのが真相なのではないでしょうか。
・・というのが、こちらのアンティークの率直な感想。
私感はさておいても、200年前の時代を反映する「宝石箱」を、
ダイレクトに知ることのできる幸運を、こうして享受できていることは、紛れもない事実です。
リボン杢独特の、光の具合で順目と逆目が織りなす縞杢は、ナチュラル・アートのような見事な描写。
こうした「炎が立ち上がるような」木理は、”クロッチ・マホガニー” などとも呼ばれています。
蓋を開けると、すっきりと清潔感のあるピュアマテリアルの内壁。
内部スペースは、意味ありげな収納区画。
立体的に3分割されています。
ふたを開けてすぐ手前のスペースは、出し入れしやすいフリーなエリア、
その後ろ側は底深の薄型スペース。
何か、高さ10cm程度の薄型のものを、差しておくにはちょうど良さそう。
例えば、ブローチやブレスレットなどの大き目のアクセサリーなどでも良いでしょうし、
写真などのカード類でも良いでしょう。
下部には引き出しが設けられていますが、この引出しは蓋が閉まっていると引き出すことはできません。
天蓋の開閉と連動して引き出すことのできる「隠し引き出し」的なスペースです。
引出し内部は底浅のトレー状。
仕切りで4つのスペースに分割できますので、ピアスやイアリング、ネックレス、指輪など、
雑多な小物類の収納に適しています。
初代のオーナー様の時代には、様々なアクセサリーが
あふれんばかりに収められていた状況が目に浮かぶようです。
もちろんこちらのボックスはキーロックの付いたシークレットボックス。
盗られてはならないものが満載だった、ということでしょう。
それにしても、その状態の良さにも驚きますが、これほどの機能家具が、
2世紀経過した今なお現役で、普通に機能し続けることに、何とも、言葉がありません。
製作されたのは、家具の量産化が始まるビクトリアン初期の時代。
ハンドメイド家具の技術水準が英国の歴史の中でもピークを迎えていた時代です。
近代家具の工業生産が始まる以前の、数少ない木製品の一つが、
こうしてほぼオリジナルの状態で残っているわけですから、
これは、本当に「幸運」というよりも「奇跡」に近いことですね。
紛れもなく“スーパープレミアム・アンティーク”の一つと言ってよいでしょう。
素材・品質だけでなく歴史的背景から考慮しても、間違いなく価値ある逸品。
アンティーク上級者の方には、ぜひお見逃しなきよう・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
今から200年近く前、年代もののジェニン・アンティーク(真の骨董)です。
こちらはジュエリーケース(宝石箱)として使われていたものということでした。
全面、大変貴重なクロッチ・マホガニーの杢でベニヤリングされております。
あたかも宮廷家具のような素材品質。
構成材もアンティーク品質のスパニッシュ・マホガニー無垢の高級仕様です。
アクセントには真鍮板の象嵌。
フロントエリアに、エスカッチョン(鍵穴飾り)とドロワーハンドル(引き出し引手)として設置され、
あでやかなゴールドカラーに輝いています。
どこをとってもゴージャスなお品です。
中をあけてみますと、機能的に仕切られた、コレクション収納スペースが現われます。
内装もマホガニー材。
入荷時には、天蓋の裏側などに中で暴れても傷がつかないようにクッションシートが、
内張りとして張られておりました。
ただ内張りはさすがに劣化が進んでボロボロでしたのでこちらは剥がすことにいたします。
ということで、入荷時は全体的にかなり経年劣化の進んだ状態でした。
ただ、外観的に古ぼけている、といった状況で、特にどこが損傷している、
といったわけではありませんでした。
不具合としてはキーが失われていて鍵の操作ができないこと、隠し抽斗内の仕切りが失われていたこと、
引き出しと天蓋の開閉を連動させる金具のばねが欠損していたこと、などでした。
これらは一つ一つ解決していけば復元できる内容です。
幸いなことに、構造的には全く問題なく、ヒンジ金具もロック本体も調子よく動いてくれていました。
木部の躯体についても、150年もの間、無垢の狂いも見せず機能していることには本当に驚きです。
その他、外観的には小傷や塗装の劣化がかなりありましたので、いつも通り
リフレッシュ塗装を進めていきたいと思います。
レストア作業自体は基本メンテナンスを中心にしっかりと行いました。
まずは躯体の構造点検。
前述の通り、天蓋と受けの函にはほぼ正確に突合せが維持されていて、
見事な製作精度の高さが確認できました。
接合部の補強程度のメンテナンスで、200年前のオリジナル強度をそのまま保持しています。
次はかなりの重労働が予想される、内張りはがしとクリーニング作業。
入荷時の内壁に張られていたビニールレザーを剥がすと、さらに下から別のビニールレザーが出現。
さらにその下を剥がしてみると、200年前のオリジナルと思われる布張りのクッションシートが現れました。
要するに2世紀の間に最低2回は張替えのレストア作業が受けられた、ということですね。
半世紀ごとにフルメンテナンスを受けてきたのでしょうか。
親から子に、引き継いだタイミングでの恒例行事的な儀礼なのかもしれませんね。
一見、「手抜き」のようにも思われる、こうした古い材料を残すレストア作業も、
「時代考証」という観点では、とても役に立ちます。
残しておいたアイテムの「歴史」から、様々なヒストリーが想像できますので、
かつてはこのようなレストアをデニムでも心がけていましたが、でも今では、
データとして、画像でも動画でも、残しておける時代ですからね。
実際にアイテムに残しておかなくても、我々が扱ってきた歴史的遺物には、
永遠にヒストリーがインターネット上に残されています。
ということで、安心して内装の内張りはすべて剥がしとりました。
結構苦労しましたが、木地の接着剤もしっかりと取り除きました。
まっさらなマホガニー無垢の内装になりました。
比較的綺麗なので、塗装はせず、ピュア・マテリアルといたします。
ちなみに、内張りにはレストア業者?と思われる金箔押しがレザー上に刻印されていて、
いずれも所在地が入っていて、レストアの場所が確認できました。
表生地にはマンチェスター、その内側はケンブリッジ、そしてこのアイテムを入手したのはサンダーランド。
なんだか、古くなるほど南へ(都会へ)下っているようですね。
そうすると、作られたのはロンドンあたり・・?
そういう妄想も楽しめるのが骨董品の良いところですね。
(刻印の部分だけは切り取って残してありますので、次のオーナー様にお渡しいたしますね。)
生地張りを剥がした後の内部クリーニングも慎重にリフレッシュ作業を進めます。
エアダスターで埃をはたきだし、
専用クリーナー「CR0307 HOWARD Naturals アプホールスタリークリーナー 473ml」で、
慎重に木地、張地を拭きあげた後、しっかりと消臭・除菌作業をしております。
もともとにおいなどはほとんどありませんでしたが、
数日間、陰干しもしておりますので、まずまず清潔な状態になっていると思います。
そして仕上げは塗装工程。
塗装は、乾燥が進んでいたので全面塗装をいたしました。
木部については全体を軽くペーパーをかけて下地を均すように処理して下準備。
旧塗装層はすべて剥がれ、美しいスパニッシュマホガニーの杢が現れました。
かなり古いものですが、キズについてはアンティークとして「味」の範囲のものです。
ちょっと目についたキズなどはタッチアップ補修を行っております。
最も重要なのが時代感を失わせないこと。
その点に配慮しながら、全体の色調に馴染むように薄くレッドマホガニーカラーのオイルステインで色調整。
ほぼ地色を生かすようにしています。
仕上げはクリアにクロッチマホガニーが愛でられるよう、ウレタンクリアで鏡面仕上げ塗装をいたしました。
細かい点ですが、底面には傷付き防止のフェルトが貼ってありました。
使用感がありましたので、気持ちよくお使いいただくため、そちらも撤去いたしました。
素地の状態です。
キーに関しましては、失われていましたので、工房にストックしておいたアンティークキーの中から
合いそうなものを選び、調整致しました。
当時ものの鍵ですので、セキュリティ性は現代基準レベルのものではありませんが、
当時のロック機能としては、使用が可能な状態となっています。
最後は欠損していた「引き出しと天蓋の開閉を連動させる金具のばね」を現代品で補充。
天蓋を開ければ引き出しオープン、締めればクローズと、ばねの力で調子よく動くようになりました。
以上、隅々まで手を尽くして当時の機能まで完全再生、および外観リフレッシュさせました。
お届け前には塗装の完全乾燥をまって、英国の天然蜜蝋ワックスで磨いて仕上げてお送りいたします。
貴重な19世紀の生活骨董で、素晴らしい色つやを持つ高級アンティークです。
担当職人が自信を持ってお勧め致します。
(Restorer/TE)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
とても美しいジュエリーボックス、正真正銘の「宝箱」です。
スパニッシュマホガニーの杢目にブラスインレイのアクセント、
そして、経年によって得た深い古艶は、まさに真の骨董、プレミアム・アンティークです。
小ぶりなボックスながら、内側は奥深、薄浅、フリースペースと用途別に機能的に区切られ、
様々な形のアイテムが入れられるような仕様になっています。
内装はきれいに未塗装仕上げとさせていただきましたので、清潔感も感じられます。
また蓋を開けると初めて引き出すことのできる、”シークレット・ドロワー” 機能もあり、
ちょっと所有感をくすぐられますね。
さらには、200年以上前の物であることが分らないほどのグッドコンディション。
大事に大事に扱われてきたことが良く分ります。
さりげなくこんなボックスをお部屋に置いたら、
それだけで雰囲気がグッと上品で高級感あふれた空間になりそうです。
厳選された素材、デザインのバランス、仕上げの技術等、
3拍子そろった素晴らしいお品だと評価しております。
まぎれもなく世界に一つのアンティークです。
ぜひこの機会にご検討ください!
(Sales/TJ)
★EXTRA PHOTO
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スペック表
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| 商品基本情報 | ||||
| 品名 | アーリーヴィクトリアン ブラスインレイ クロッチマホガニー ディードボックス | |||
| 品番 |
SU0451
|
管理番号 | LC38-44_1130 | |
| 販売価格（税込） | 55,000 円 | 在庫数 | 0 | |
| サイズ |
幅 205mm 奥行 135mm 高さ 140mm 収納部内寸・幅 180mm 収納部内寸・奥行 70mm 収納部内寸・高さ 55mm ※収納部内寸寸法は天蓋下の手前スペースです。 ※内部奥スペース内寸は、幅170mm×奥行35mm×深さ95mmです。 ※引き出し内寸は、幅175mm×奥行65mm×深さ35mmです。 | |||
| 送料ランク・重量 |
佐川急便60 送料目安：910円～1,440円
佐川急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
| 商品分類 | クラス | |||
| デザイン | ||||
| ユース | ||||
| ランク | ||||
| カテゴリ | 雑貨/Miscellaneous ＞ その他の雑貨 | |||
| 商品プロフィール | ||||
| 原産国 | イギリス | 年代 | 1840年代 | |
| メーカー | デザイナー | |||
| 主要素材 | ||||
| 主要素材の材質 | ||||
| 主要素材の等級 | ||||
| 商品の無垢率 | ||||
| カラー | ||||
| 塗装・仕上げ | ステイン＆ウレタンクリア仕上げ | |||
| その他素材 | ||||
| その他の素材のカラー | ||||
| メンテナンス状況 | ||||
| コンディション | 傷の程度 | |||
| 目立つ傷 | ||||
| 交換・改造 | ||||
| 実用性 | ||||
| 商品プロフィール | ||||
| 原産国 | イギリス | 年代 | 1840年代 | |
| メーカー | デザイナー | |||
| 主要素材 | ウォルナット | |||
| 主要素材の材質 | 化粧材 | |||
| 主要素材の等級 | Ｓ級 | |||
| 商品の無垢率 | 90％以上 | |||
| カラー | ダーク系 | |||
| 塗装・仕上げ | ||||
| その他素材 | 金属 | |||
| その他の素材のカラー | 素材色 | |||
| メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
| コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
| 目立つ傷 | 少ない | |||
| 交換・改造 | 少ない | |||
| 実用性 | あり | |||
| 商品評価 | ||
| デニムの総合評価 | ||
| 商品評価 | ||
| デニムの総合評価 | Ａ | |
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