AC0351 オーストリア 1880年代 トーネットTHONET No11ベントウッドアームチェア
サイズ | 幅 565mm 奥行 625mm 高さ 985mm 座面高 480mm 肘掛高 690mm 座面奥行 445mm |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
19世紀後半につくられた旧トーネット社初期のころのベントウッドチェアです。
大変貴重なコレクターズアイテムです。
こちらはまだ、トーネット社がウィーン本社の時代のモデルと思われます。
もしかすると、創業者ミヒャエル・トーネットがまだ生きていた時代であった可能性もあります。
正式なモデルコードは”No11”。
市場に出てくるのは非常にまれな若い番号のクラシックトーネットで、
19世紀の新品当時も、アンティークの今も、非常に人気の高いモデルです。
当時、トーネット社の人気モデルは、こぞって競合企業のJJコーン社やフィッシェルFischel社が
コピー版を製造していたので、おおよそ人気のモデルはうかがい知ることはできます。
もちろんこのNo.11もJJコ-ン社から販売されていました。
人気モデルの証明です。
尚、このNo.11は、モデル番号からもお分かりのように、
2億脚を販売したメガヒット作、No14よりも前に開発されたモデルになります。
おそらくその配番から見て、ミヒャエル・トーネット自身によるデザインだったのでしょう。
1857年の現存する旧トーネット社のカタログには、すでにNo11のルーツモデル、
No10が存在しています。
No11はNo10の背に籐を張ったバリエーションモデル。
基本的には同モデルと思って良いかと思います。
※下記エキストラフォトに1866年当時のポスターカタログを掲載しています。
現在でもNo11はドイツやポーランドなどの「新トーネット」各社によりつくられてはおりますが、
エキストラフォトでドイツ・トーネット社製215との比較でもお分かりのように、
現行モデルは、実用性と生産効率を優先させた、コンパクトなモデルにまとめられています。
これはこれで良いとは思うのですが、オリジナルモデルだけに見られる、
「雄々しい」存在感が失われてしまったのはちょっと残念です。
特に、生産性の問題と思いますが、ひじ掛けの「ウィーン曲線」はアンティークならではの職人技です。
トーネット社創業期のころの初期のベントウッドは、そのデザイン性の高さで現在でもファンは多いものの、
製造面から見ると、構造的に長い部材や手加工の多いパーツを使わなければならないモデルが多く、
材料の調達や製造の効率性の観点から、現在もつくられているモデルはごく一部なのです。
No.20までの初期モデル=クラシック・トーネットに限って言えば、
No4、No10(=No11)、No14の3タイプしかつくられておりません。
No7000番台のモデルコードをもつ最初期のロッキングチェアなど、近年行われた復活プロジェクトにおいて、
日本円で3ケタに届く販売価格をつけなければならなかったという逸話もあるほどです。
おそらくは将来にわたっても、新品の状態では二度とお目にかかれることはないであろう、このNo11オリジナルモデル。
デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
旧トーネット社オリジナルのベントウッドチェア、No.11です。
さすが、コレクターズアイテム。
実物を見るのは初めてでしたが、オーラすら感じるほどの存在感をもって入荷してまいりました。
素材はもちろんヨーロピアンビーチ材。
いつも感じますが、19世紀もののビーチ材は現代のヨーロピアンビーチとは
ちょっと杢目が違うように感じられます。
素材もそうですが、アンティークのベントウッドと現代のベントウッドの最大の違いは、
材料となる丸棒の太さが現代は均一であるのに対し、
アンティークは、そのデザインに合わせ、1本1本削り込まれていて、
くびれがあったり先細りしていたりして、フレーム自体に美しいフォルムが備えられていること。
例えば、このNo.11と現代品を比べてみてください。
その笠木(背あて)のライン、腕、脚のライン・・。
まさに「ウィーンの曲線」とも言うべき美しさです。
こちらはフランス人のコレクターより入荷したモデルになりますが、
入荷時のコンディションは、当時ものとしてはエクセレント級でした。
トーネット社の当時の刻印は旧トーネットがウィーン本社だった時代の
”THONET AUSTORIA”の文字がしっかりと確認でき、
このNo.11が1880年以前につくられたものであることがわかります。
尚、No.11の誕生したのが1860~70年代ですから、こちらはごく初期の製造モデルといって良いでしょう。
間違いなくコレクターズピースです。
約130年程経過しているお品ですが、致命的な欠点は無く、
全体的にはフルレストアされたエクセレントコンディションといって良いと思います。
ご留意点はありません。
現状のケインシート(籐張り座面)は19世紀のオリジナルではなく、デニムにて張り替えさせていただいたものです。
入荷時、もともとケインシート座面だったものにビニールレザー張りが施されておりました。
生地交換だけで仕上げる事も出来たのですが、やはりこれだけ貴重な個体ですから、
本来のケインシートに戻してあげたいところ。
とはいえ、背と座で約3週間ほどの製作期間が必要になるため、やや躊躇しましたが、
最終的には、ケインシート張りをする決意をいたしました。
アンティークのケインシートは現代品のように機械編みを張りこむものではなく、
1本1本手編みして編みこみます。
簡単そうに見えますが、実は意外に堅い糸を通すのは難しい。
非常に時間と根気のいる職人作業です。
背と座、両方を張り上げるのはただ事ではありません。
でもこのような作業を、昔の人たちは軽く片手間にでも、さっ、とこなしていたのでしょう。
一体どのようにして、素早く編み上げていたのか、ぜひ教えていただきたいですね。
まあとにかく、1か月近い時間をかけながら、結果、仕上がりはオリジナル通りに仕上げることができました。
もちろん実用強度を備え、張り替えたばかりなので切れもなく、新しいだけあってとてもきれいです。
当面張り替えは必要ないと思います。
貴重なコレクターズコンディションです。
さて、フレームのメンテナンスについてですが、躯体には大きな損傷がなかったため、
色あせていたフレームのリフレッシュ塗装と、接合部の締め直しを中心に、
基本メンテナンスをしっかりと行いました。
ベントウッドチェアは接合部分の多くが木ねじでのジョイントになっていますので、
ジョイント部に致命的なダメージがあることは少ないです。
こちらも大きな損傷はありませんでしたので、
緩みや破損がないかどうかのチェックを行い、増し締めを行っています。
逆に木ねじなどは金属疲労で折れていたりすることも多いので、弱っているネジは、
同時期のしっかりとしたアンティークねじに交換し、締め直しました。
そういった基本的なメンテナンスだけでも、アンティークチェアとしてご利用に不安は感じられず
構造的な強度には特に問題はありません。
接着を必要とする木部同士の接合部などについてはきちんと締め直しも行っています。
塗装面には、全体的に目立ったような傷は特にございませんが、
フレームの色あせや若干の使用感、細かい小傷などがありましたので、
細かいサンドペーパーで表面を整え、アンティーク風に天然樹脂製のシュラックニスで塗装の再生を行いました。
定期的に蜜蝋ワックスなどで磨き続けていただければ、良い状態を長く維持することができ、
これからもさらに長い年月使用できると思います。
座面の裏側までもきちんとクリーニング済みですので、全体が清潔な状態です。
この後、完全な塗装の乾燥を待ってワックスで仕上げを行います。
貴重なオリジナルトーネットのアンティークですので、細かなところまで、
手抜きなく、しっかりとメンテナンスに手を尽くしました。
担当職人から自信を持ってお奨めさせていただきます。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
希少性がとても高いモデル、オリジナルトーネットのNo.11です。
現在も世界各地で生産され続けているベントウッドチェアですが、
現ドイツ人のミヒャエル・トーネットがウィーンのカフェに広めたのが最初でした。
その美しい曲線美は、またたく間にヨーロッパ中のカフェシーンに広がり、
ベントウッドの生産もオーストリアからチェコ、ポーランドへと拠点を移し大量生産が始まり、
のちには北米、南米、そしてアジアへ、と世界中に拡大していきました。
今では私たちのごく身近に存在する、愛すべき食卓椅子です。
でも、元をたどれば・・、
ミヒャエル・トーネットが生きていた初期のトーネット社から、全ては始まっているのです。
希少なモデルのNo11、当店で丁寧に丁寧にメンテナンスを入れ、ケインシートもお張替して、次の100年に備えております。
高価なお品ですが、こちらのチェアをヨーロッパから日本へ運ぶ運賃分は間違いなくお値打ちな一品と思います。
ぜひこの機会をお見逃しなく!
アンティーク上級者の方にもきっとご満足いただける、とても貴重な逸品だと思います。
この機会をぜひお見逃しなく!
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | トーネットTHONET No11ベントウッドアームチェア | |||
品番 |
AC0351
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管理番号 | Lot15 -22_0627 | |
販売価格(税込) | 140,400 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ | 幅 565mm 奥行 625mm 高さ 985mm 座面高 480mm 肘掛高 690mm 座面奥行 445mm | |||
送料ランク・重量 |
Cランク 送料目安:7,535円~13,035円
(沖縄 18,865円)
らくらく家財宅急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ |
椅子/Chair
> アームチェア
無銘の椅子コレクション/Premium Chair Collection > ベントウッド/トーネット |
商品プロフィール | ||||
原産国 | オーストリア | 年代 | 1880年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン&ニス&ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | オーストリア | 年代 | 1880年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ローズウッド | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ミディアム系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 革 | |||
その他の素材のカラー | 赤系 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
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