HC0457
イギリス
1860年代 スーパークオリティ ヴィクトリアンチェア
サイズ | 幅 470mm 奥行 495mm 高さ 875mm 座面高 435mm 座面奥行 380mm 座枠高 405mm |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
今から何と! 150年以上前の19世紀中盤、
ヴィクトリアン中期のイギリスで製作されたパーラーチェア(客間用の椅子)になります。
・・一体、これを家具と呼ぶべきなのでしょうか?
座るべきもの?
それとも飾るべきもの?
個人的には「美術工芸品」と紹介した方がふさわしいように思います。
“カブリオールレッグ”(獣脚)と呼ばれる、 ”S”字カーブのフロントレッグデザイン、
そしてトップレイル(肩のライン)とトップから続くレッグラインとの3次元フォルム・・。
ご覧のように実に見事な曲線でアウトラインが構成されています。
あたかも絵に描いたかのような非現実的なプロポーション。
ヴィクトリアンの高級バルーンバックチェアのイメージを、そっくりそのまま、
現実に具現化してしまったように思います。
基本的には、ヴィクトリアン当時に流行していた、
気球のようなバルーンバックフォルムを持つデザインチェアになりますが、
その作り込み技術の高さは一般的な創作椅子とは隔世の感があります。
専門的に分析してみれば、バックレストは17世紀ロココの伝統デザイン、スクロールオーナメントで構成され、
オリエンタルな「唐草文様」を思わせる、植物モチーフのモールディング(造形パーツ)をアクセントに配置。
脚元にはオールドフレンチスタイルのフットスタイルを採用するなど、
フランス・ロココ、“ルイ15世”様式をヴィクトリアン風にリ・デザインした英国伝統の古典様式といえます。
しかしながら、見てお分かりの通り、その造作のデザイン、そして製作技術については、
ほとんど芸術的ともいえるレベルに達しています。
ちょっと話は横道にそれますが、筆者はこちらのチェアを見て、ある有名な椅子を思い出しました。
19世紀後半に販売されはじめたその有名な椅子。
その椅子は、世界最大の家具メーカーを築いた、オーストリアの”トーネットTHONET”社において、
イギリス・ヴィクトリアンのバルーンバックチェアを模したベントウッドチェア(曲げ木椅子)でした。
その”No.19”と呼ばれたモデルは、背あての中に入る2つの大きなループと小さなリングが特徴で、
あたかもこちらのヴィクトリアンチェアの細かい部分を省いてデザインしたかのようで、
こちらのチェアとは、実にそっくりなアウトライン。
その、ミヒャエル・トーネットが19番目にデザインしたクラシック・トーネットチェアは、
今では生産はされてはいませんが、長く親しまれてきたデザインで、
ヨーロッパのアンティークコレクターたちの中では、今でも高い人気を集めています。
ちなみに、コレクターたちはトーネットNo19のチェアを、別名、”エンジェルバックチェア”と呼んでいます。
もしかすると、エンジェルバックチェアのマザーモデルとは、
こちらのようなヴィクトリアンチェアだったのでは・・?
今となっては真実は知る由もありませんが、間違いなく言えることは、
このようなデザイン、このような素材、このような高度なハンドワークによる実用家具など、
決して未来永劫、二度と作られることはない、ということです。
ぜひ次代へ引き継いでいただきたい、
ヘリテイジ(遺産)級のコレクティングファニチャー(収集目的の家具)です・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
19世紀半ばの貴重なスーパーアンティーク、ヴィクトリアン・バルーンバックチェアです。
今から150年以上前に製作されたジェニン・アンティーク(真の骨董)になります。
年代的には1世紀半以上を経過した相当な年代物ですが、
フレームは年代を全く感じさせない保存状態の良さです。
素材はウォールナット。
それもアンティークだけでしか見ることのできない幻の高級材、
ヨーロッパ産の”サーカシア・ウォルナット”製になります。
サーカシア・ウォルナットは、ブラジリアン・ローズウッドやキューバン・マホガニーなどとともに、
非常に人気の高い銘木で、黒海周辺がその原産とされています。
別名”フレンチ・ウォルナット”とも呼ばれます。
年季を経れば経るほど、そして磨けば磨くほど、その木肌は艶やかに光ります。
カラーは赤みのある濃いめのミディアムブラウンです。
外観的にはマホガニー材とローズウッドを足して2で割ったような感じです。
そんな銘木が使われたフレーム、しかし、その年代が信じられないほど、
入荷時より、とてもしっかりした素晴らしいコンディションでした。
当時のクラフトマンの技術が、そっくりそのまま維持されています。
あくまで推測ですが、ここまでの手の込んだ椅子というものは、当時の家具工房たちが「展示用」として、
自分たちの製作技術の高さを証明するために作った「製作見本」だった可能性があります。
あるいは、家具職人のお金持ちのパトロンが、腕の立つお抱えの職人に、自由に作らせたとか・・。
とにかく、何らかの経緯がなければ、これほど手間暇のかかるチェアが、
自然発生的に、一般販売用として作られることはあり得ないと思います。
余談ですけど。
で、入荷時のコンディションの続きですが、彫刻やフレームには大きな損傷はありませんでした。
小さな傷などはもちろん年代なりに存在しますが、アンティークの「味」として表情の一つになっている程度です。
シートは入荷時のオリジナル仕様です。
張り地はざっくりと編みこまれたプチポワンのようなお花柄タペストリーで、
これ自体が貴重なヴィンテージファブリックです。
ベースカラーは良い感じのネイビー系になります。
状態はユーズドですので多少の擦れや年季は感じますが、生地自体に大きな損傷はありません。
内部のクッション自体はしっかりとしていますので、当面のご利用上には不都合はありません。
生地のちょっとしたほつれもユーズドシートとして許容範囲程度のものです。
ということで、長く大切に扱われてきたのでしょう。
お手入れもマメにされてきたようです。
デニムでは基本メンテナンスのみ、しっかりと行うことといたしました。
まずは構造点検から。
木部の接合部には、日常使用されてきたら普通に生じる程度の緩みがありました。
釘を使わないほぞ組み構造なので、組み直しをすることで、何年たっても実用強度を回復させることができます。
水平台の上にのせて接合部を再接着。
現状、がたつきぐらつきはありません。
外観的には目立つ小傷などを、硬質パテなどで埋めて形を整えます。
埋め木などもできないほどの浅い傷がほとんどなので、手間のかかるパテ埋めですが、根気よく行っていきます。
このひと手間で仕上がりが大きく違ってきます。
外観補修の後は、全面リフレッシュ塗装で仕上げをします。
でもその前に、積年の汚れ落とし。
塗装の後でクリーニングすると、クリーニング剤で塗装面を傷めてしまいますからね。
座面はオリジナルの再利用なので、しっかりクリーニングを行っております。
界面活性フォームを利用して、衛生的にご利用いただけるよう清掃を行っております。
もちろんデニム愛用の布生地クリーニング剤、
「CR0307 HOWARD Naturals アプホールスタリークリーナー 473ml」も活躍しています。
多少の汚れや色褪せ、くすみなどはありますが、決して不潔な印象はないと思います。
さて、クリーニングの後はいよいよ塗装工程。
塗装面では、良くお手入れされていたようで、木肌の状態はとても良い風合いでした。
ただ経年でお色味が退色してしまっていて、パッとしない印象になっていたので、
軽く表面の汚れ落としでサンディングしたのち、英国製のオイルステインで色調整することにいたします。
サーカシアウォルナットらしい、赤みの華やかな色合いに回復させました。
色味が染まった後は、こちらも英国直輸入、天然樹脂製のシェラックニスで仕上げてあります。
座裏や脚裏まで、念入りにしっかりと塗装いたします。
塗装では、アンティークらしい時代感を失わないように配慮して行っています。
良い雰囲気に仕上がったものと思います。
以上、大変貴重なヴィクトリアンチェアとして、隅から隅まで、しっかりとメンテナンスいたしました。
最後は塗装の完全乾燥を待って、天然蜜蝋のアンティークワックスで磨き上げてお届けいたします。
なかなかこれほどのアンティークチェアに巡り合うことはないのでは、と思います。
担当修理職人から自信を持ってお奨めさせていただきます。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
流れるような躍動感あふれる曲線のトップレイル(笠木)と、
高貴なフォルムのスプラットバック(背当て)・・。
彫刻だけでなく、何とも言えないウォルナットの木肌の美しさ・・。
150年経っても全く色あせることのない、すばらしいフォルム、そしてマテリアルです。
また座面は、 “プチポアン”のようなタペストリーで、ヴィンテージファブリックとして、
この生地にも希少価値がありますので、そのまま活かしました。
“ジェニン・アンティーク”(真のアンティーク)で、高価ではありますが、アンティークに造詣の深い方でしたら、きっとその価格以上の価値をお感じいただけるものと思っております。
質、実、デザインともに三拍子そろったすばらしいお品と評価しております。
ぜひ次代へと引き継いでいっていただきたい19世紀の遺産です。
一生ものの実用アンティークとしてお使いくださいませ。
「本物」をお求めの方!ぜひこの機会にご検討ください!
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | スーパークオリティ ヴィクトリアンチェア | |||
品番 |
HC0457
|
管理番号 | lc28-6_0506 | |
販売価格(税込) | 108,000 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ | 幅 470mm 奥行 495mm 高さ 875mm 座面高 435mm 座面奥行 380mm 座枠高 405mm | |||
送料ランク・重量 |
B/2ランク 送料目安:4,400円~7,040円
(沖縄 10,010円)
らくらく家財宅急便による配送:同ランクの椅子をもう1つ同梱できます。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ |
椅子/Chair
> サロンチェア/ホールチェア
無銘の椅子コレクション/Premium Chair Collection > 無銘の名作椅子 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1860年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン・ニス・ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1860年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | パイン | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | S級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 布 | |||
その他の素材のカラー | 青系 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | 少ない | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
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