PA0193 イギリス 1880年代 Two Woman And A Child / plaque picture
サイズ |
幅 310mm 奥行 60mm 高さ 310mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
素敵な額装に収められた珍しい壁飾り/プラークです。
19世紀中盤に製作された、フランス製と思われるマーブルレリーフ(大理石彫刻)になります。
キラキラのゴールドギルトウッドゲッソのロココ調フレームに
イタリア・トスカーナの有名な白大理石、”カッラーラ・ビアンコ”のレリーフ。
・・アンティークファンの方には、もう、たまりませんね。
見ていて楽しい、持っているだけでもうれしい、
デニムが一瞬で悩殺されてしまったアンティークコレクションです。
こちらは1841年、イギリス人彫刻家、
エドワード・ウィリアム・ワィオンEdward William Wyon(1811-1885)の作品として入荷いたしました。
それ以上の作品情報はありませんでしたが、一般的なアンティークの商品情報としては、
およそ1850年代から1900年代にかけて、パリやローマを中心に流行したプラークということです。
アンティークコレクターの間では比較的知られた骨董品です。
陶器などのプラーク(壁飾り)自体は18世紀末ごろからヨーロッパ各地に広がった装飾品ですが、
こちらのようなマーブルレリーフのプラークについては、19世紀後半、
それも1870年から80年代のピンポイントな時期に作られていたようです。
この時期、ギリシャやローマのルネッサンス建築が再び注目されていたタイミングだったのでしょうか、
確かにこの時期のイギリスのヴィクトリアン建築でも、
こちらの作品同様の神話を由来にした装飾が、建物の外壁などでよく見かけられます。
フランスでは、古くから似たような陶器製の美術品も作られていますのでそちらとも混同しやすいですが、
イタリアのホワイトカッラーラは従来からヨーロッパ各国に供給されていますので、
フランスやイギリスなど、ヨーロッパ各国で作られたマーブルレリーフも、この時期、確かに存在していました。
あたかもイタリアの工芸品、”ストーン・カメオ”のようなハイレリーフ(深彫り)。
イタリアにおいては、こうした作品はローマを中心に流行していたようです。
こちらの作品は、イギリス中部バーミンガムの北西、ウォルソールWalsallのアンティークディーラーより
デニムが直接入手いたしました。
作者のサインや製作年の刻印などが確認できますが、真贋を証明できる背面メダルもあり、
19世紀当時、ヨーロッパで流行していたマーブルプラークと考えてほぼ間違いありません。
ややあいまいな記憶で恐縮ですが、確か、フランスのこの美術館が
販売するマーブルレリーフをオーソライズした証しとして、
背面にメダルを埋め込んだ、とどこかの記事で読んだように思います。
デニムの見立てでも、額装の年季、大理石の質感などから、当時ものとみて間違いないと思います。
ちなみに、このメダルだけでもアンティークマーケットで200USDほどしているのを見たことがあります。
貴重品です。
背面のメダルが確認できる一方、背面を保護するクラフトなどははがされてしまっておりますので、
当時扱っていた場所を示すギャラリーラベルについてはすでに存在しておりません。
一般的には、フランスあるいはベルギーの美術館のラベルがついていたのではないかと思います。
いずれにしても、この19世紀もののマーブルレリーフは、
それほど多くマーケットに出回っているわけではないのに、探しているコレクターは多く、
出てきても、すぐに売り切れてしまう人気のアンティークアイテム。
デニムでも入手するのに苦労しました。
世界3大オークションハウスの一つ、クリスティーズでも同様の作品が扱われていて、
おおよそ1,000~1,500USDほどの値がつけられています。
一般的な相場でも、600~1,800EURで取引されています。
※現在1ドル=110円前後、1ユーロ=125円前後です。
まあ、お値段のお話はともかく、室内装飾としては、とてもとても素敵なアイテムと思います。
アンティーク上級者の方でもご存知ない方も多いと思われるお品ですので、
今後、さらに日本で価値の上がっていくアンティークアイテム、と思っております。
ぜひ今のうちに、ご検討いただいた方が・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
素晴らしいマーブルレリーフが入荷して参りました。
グッドコンディションでの入荷で、ほぼ19世紀オリジナルの状態と思われます。
それにしてもこの大理石、これほどの繊細な彫りができるのにはびっくりです。
何か特殊な製作法があるのでしょうか。
まるで、浮世絵の版木を思わせるほど、なめらかで繊細なディティールです。
作品は2人の女性が乳児を抱えているシーン。
右端に ”E.Braga Roma 1841””とあるところから、稀代のイタリア人天才彫刻師、
”エンリコ・ブラガEnrico Braga ” (1841- 1919)の誕生シーンと思われます。
Monumento a Giuseppe Garibaldi a Novara, fusa da Enrico Braga nel 1886
上記の彫像はエンリコ・ブラガEnrico Bragaの作品。
ちょっとややこしいですが、その製作者のエンリコ・ブラガ(の誕生)を描いたのがこちらの作品です。
作者はエドワード・ウィリアム・ワィオンEdward William Wyon(1811-1885)。
背面のクラフトがはがされ、ギャラリーラベルなどがありませんでしたので、
制作された年代は不明になりますが、このレリーフの元絵が1841年のものと考え、
作品自体の生産年代は1880年代としています。
一般的にはそのころに人気のあったプラークといわれています。
おそらくこちらの作品は、オリジナルの彫刻作品(博物館の所蔵品?)を
美術館の記念プレートなどとして数量限定で複製し、
そのいくつかのリファレンスモデルの内の一つではないかと思います。
額装に関しましても背面の状態から見て明らかですが、当時もののオリジナルフレームになります。
非常に細やかなロココ調デザインの高級品です。
入荷時より天然木ベースにゴールドギルトゲッソの装飾面が上品な輝きを放っておりました。
大理石の白と対比されて、より一層神々しいような雰囲気を醸し出しているのではないでしょうか。
さて、この様にとても価値あるレリーフかと思いますので、隅々まで手を尽くしました。
作品、額装ともに不具合のない、とても良い状態で入荷いたしましたので、
基本的にはクリーニングをメインに行いました。
埃などはエアダスターで吹いて飛ばしています。
作品面の汚れは専用クリーナ―、
「CR0303 ハワード ナチュラルズ グラナイト&マーブルクリーナー 473ml」でクリーニング致します。
白さが際立ちました。
クリーニングしながら、彫刻面のチップやクラックをチェックいたしましたが、
ダメージと思える欠損などは確認できませんでした。
ほぼオリジナルの状態でパーフェクトコンディションと思っていただいて差し支えないものと思います。
また大理石彫刻面に小さくうっすら汚れのように見えるのは、もともとの天然石自体のくすみなのではないかと思います。
クリーナーで落とせるような状態のものではなく、また削って落ちるような性質のものでもないようでした。
大理石背面にも同色の微細なくすみが出ているので、やはり素材の性質によるものかと思われました。
額装も彫りの深めな装飾ですが、ほぼノーダメージの状態でした。
ただ・・額装に関して一つ申し上げておかなければならないのは、かなり油性の汚れがひどくこびりついていたこと。
装飾の彫りが深いために、お手入れができなかったのでしょう、大理石の作品面はそれなりにお手入れはされていたようですが、
そこで力尽きたのか、額装はほとんどお手入れがされていないように見受けられました。
当初はメンテナンスオイルなどでブラッシングすれば落とせるだろうと軽く考えていたのですが、これが大間違い。
クリーナーでごしごしやってもびくともしません。
あきらめて塗装をしてフタしてしまおうかとも思ったのですが、
汚れとわかっているものを封じ込めてしまうのは気が引けてしまう。
仕方なく、エタノール系のシンナーを使って、汚れを溶かし取ることにいたしました。
そうしたら・・ご想像通り、きれいにはなりましたが表面の光沢が全くなくなってしまい、
心なしか金彩の発色も悪くなってしまいました。
なので、致し方なく真鍮粉を使い、ほぼ額装全体に薄く金彩を引かざるを得なくなってしまいました。
良く言えば、ほぼ制作された当時を思わせるような、きれい目な表情には再生できましたが、
一方ではアンティークらしさは、残念ながら感じにくくなってしまいました。
一応、使用しました真鍮粉は基本的に金属ですので、何年かすればまた経年変化して雰囲気が出ては来ると思いますが、
現状はちょっと新しい感じになっておりますことを、何卒ご了承ください。
さて背面の状態ですが、こちらはそれほど汚れてもおりませんでしたので、入荷時の状態を維持しております。
木部はマットブラックの染色がされていて、作品は当時の釘で固定されています。
そして、作品の裏面中央には本物の証し、当時のメダルが装填されております。
背面保護のクラフトがはがされていますが、メダルを確認できる方が良いかと思い、
クラフトの張り直しは行いませんでした。
なお、上部にはフックとコードがもともとついていて、利用可能な状態でしたので現状再利用しております。
(発送時に新品交換させていただく場合もございます。)
お手元に届いてすぐにお掛けいただけます。
以上、隅から隅まで適切にかつ丁寧に手を入れさせていただきました。
なかなか見ることのできない珍しい作品で、コンディションも良好、
フレームとマーブルレリーフのデザインもマッチング最高! と思います。
価値あるアンティークアイテムかと思います。
担当職人から自信を持ってお奨めさせていただきます。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
イタリア・トスカーナの”カッラーラ・ビアンコ”を使った有名な彫刻といえば、
ミケランジェロのダビデ像。
こちらも、そのダビデ像と同じ由来の白大理石なわけですから、
ギリシア、ローマと続く、生粋のヨーロッパ美術、と言って良いでしょう。
東洋人には絶対発想できないクリエイティビティ。
本当に素晴らしい秀作と思います。
こちらは当時の高名な彫刻家、"エドワード・ウィリアム・ワィオンEdward William Wyon(1811-1885)" の作品。
作品にネームと年号が入っていて、”E.Braga Roma 1841”とありますが、
こちらは”エンリコ・ブラガEnrico Braga ” (1841- 1919)の作品、というわけではなくて、
エンリコ・ブラガ、その人の誕生1841年を記したもの、ということです。
素性の良いアンティークアートです。
こちらの作品がエドワード・ウィリアム・ワィオン本人の作品なのか、
それとも彼の作品を複製して作られたものか、判断は難しいですが、
これほどの仕上げであれば間違いなくオールドマスタークラスの作品でしょうから、
自作か複製かは、それほど重要なことではないのかもしれません。
といっても樹脂を流し込んで作ったレプリカではないことは明らかですし、
背面のメダリオンもインサートされていて、権威的な機関がオーソライズしたものであることは確かです。
ギルトウッドゲッソの見事なロココフレームも、間違いなく19世紀ものの風合いです。
こちらは19世紀後半にフランスの美術館がリファレンスとともに販売した人気のコレクションアイテム。
当時、明らかに富裕層向けに用意された作品と思います。
作品も、稀代の彫刻師の誕生シーンを題材にし、あたかも宗教画のように描写するなど、
いかにも貴族クラスの富裕層が好みそうな高尚な描写です。
作品の題材について、詳細は不明ですが、おそらくはエンリコ・ブラガの誕生、あるいは彼の作品に由来する、
何らかのヒストリーのワンシーンではないかと思います。
羽の生えた天使のように見える乳児、そして抱える女性と寄り添う女性との意味ありげな動作、
産湯のための大きな桶のように見える台、背面の薪、そして出産を象徴しているかのような樹木・・、
すべてが1つのストーリーを構成する、何らかの要素のようにも見えます。
ちょっと気になったのは、”ローマRoma”とありますが、確かにエンリコ・ブラガはイタリア人のようですが、
彼が生まれたのは調べてみると、スイスのティチーノ州Canton Ticino(イタリア人の多い地域)だったようです。
1841年といえば、そのエンリコ・ブラガが生まれた年なので、
こちらの作品の題材が、その誕生を記しているものとすると意味は合致しますが、生まれた場所は違う。
とすると、エンリコ・ブラガの誕生シーンとは違う、何か他のストーリーの1シーンなのかもしれません。
まあ、作品の題材はともかく、あたかもギリシャ美術のようなこちらの古典美術、
きっと、宗教画などの旧来的な理想主義を崇拝する、当時の貴族層の人たちにとっては、
たまらない記念品だったことでしょうね。
こちらの作品については、もともと額装に入れることを前提に描いたような構図であることからも、
ウォールプラーク(壁飾り)を目的として創作した、E.W.ワィオンのオリジナル作品であることが想像できます。
その描写の細やかさ、見事な構図、そしてこれほどの立体的な深彫りを実現させる「匠」の技・・、
デニムが図らずもほれ込んでしまった希少な19世紀の限定アイテムです。
きっと貴方のアンティークインテリアの演出に、大いにお役立ていただけることと思います。
アンティーク上級者の方に、ぜひ。
(Sales/YM)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | Two Woman And A Child / plaque picture | |||
品番 |
PA0193
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管理番号 | Lot17-21_0624 | |
販売価格(税込) | 108,000 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 310mm 奥行 60mm 高さ 310mm ※彫刻部分のサイズは、幅180mm×高さ180mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック100 送料目安:1,450円~2,020円
(沖縄 2,160円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1880年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1880年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | その他 | |||
その他の素材のカラー | 金系 | |||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 年代なり | |||
交換・改造 | 少ない | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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