PA0115
イギリス
1900年代 A Far-Eastern Harvest Girl / Water Colour
サイズ |
幅 505mm 奥行 40mm 高さ 600mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のウォーターカラーペインティング(水彩画)です。
今から100年以上前の20世紀初頭、おそらくイギリスで描かれたと思われる古い風俗画です。
タイトルは、”A Far-Eastern Harvest Girl in a Landscape”。
直訳すれば、「極東の農作業をする少女のいる風景」(日本語としてちょっとおかしいですが・・)、ということになります。
でも・・そう、私たち日本人ならすぐにわかりますよね。
これは江戸から明治のころの、当時の日本人農婦を描いた作品です。
こちらはイングランド中部、ノッティンガムシャーNottinghamshireのアンティーク絵画ディーラーより、
デニムが直接入手いたしました。
こちらのディーラーはアンティークアートを専門に扱う老舗画廊で、
高価な価値ある作品のクオリティには定評があり、安心して信頼いただける入手元と思います。
そのディーラー情報によれば、前所有者情報は残念ながら不明。
とはいっても、小振りな飾りやすいサイズで、
あたかも美しいお花の静物画のような、色鮮やかなインテリア性の高い作品です。
いかにもアンティークアートの収集家が好みそうな雰囲気の作品と思います。
きっとアンティークアートのコレクターが、
オリエンタルな(大陸的な)クラシック家具にふさわしいインテリアとして所有していた、
プライベートコレクションだったのではないか、などと想像しております。
確かに、こちらの作品・・後年のリフレームかもしれませんが、
水彩画とは思えないほどの高価そうな、天然木無垢ベースのゴールドギルトウッドフレームで額装。
一級の油彩画で使用されるような、高級バロック調の額縁でフレーミングされています。
「薄っぺら」なドローイングなどとは次元の違う存在感です。
美術品一般として適切な評価を受けていたという証しでしょう、
確かに「格」の高さを感じるアンティークアートです。
購入には慎重になりがちなアンティーク絵画の水彩画ですが、こちらの絵画に関しては、
一級のアーティストによる「本物」のオーラが、購入に一切の躊躇をさせませんでした。
ただし、作者につきましては不詳。
扱いディーラーによれば、19世紀末のオランダ美術系のイギリス人作家、
あるいは東欧系のポートレイトぺインターによる作品ではないかと指摘しています。
でも、実は・・本当のことを言えば、デニムがこの作品の仕入れを決めたのには、別の理由があったのです。
それは・・この作品の作者に心当たりがあったから、なのです。(!)
いえ、正直なところ、デニムの独りよがり、勝手な解釈かもしれません。
ただ、どうしても、その作家の名前が、あたかもパズルのピースがピタッとはまってしまったかのように、
この作品と切っても切り離すことができなくなってしまったのです。
その作家の名前は、”フランク・アーネスト・ベレスフォードFRANK ERNEST BERESFORD” (1881-1967)。
主に宮廷画家としての作品で名を残した、ポートレイトぺインター(肖像画家)になります。
彼を知ったのは、たまたま、ほんの偶然の出来事でした。
何気なくボナムスBonhamsという、世界的なオークションハウスのウェブサイトを見ていた時のことです。
ふと日本画家が描いたかのような「富士山」の絵に目が留まりました。
でも、どこか様子が違う。
それは20世紀初頭のイギリス人アーティストが描いた富士の風景画で、すでに落札された過去の作品例だったのですが、
「へえ、当時のイギリス人が描写すると、富士山もこんな風に解釈されるのか」
と、妙に印象に残っていました。
そして、その作家のことが気になり、ちょっと名前で検索してみたところ、
いとも簡単にバイオグラフィの情報が入手できました。
イギリス美術界の中ではかなり有名な作家のようだったので、
ウィキペディアをはじめ、様々な美術サイトでも、多くの情報がヒットしました。
それらによれば、何でも、フランク・ベレスフォードは1908年から1909年の2年間、日本に滞在していたとのこと。
そこで、日本の風景画や風俗画を描き留めたそうなのです。
その時、描かれた作品が、先の富士山の油絵。
それ以外にも、日本の田園風景や祭りの風景など、当時のイギリス人の目に映った新鮮な日本の印象が、
微妙に日本人の感覚とほんの少しずれていて、とても興味深く彼の作品を観察していました。
でも、そんな出会いも、日々の生活の中で埋没し、記憶は頭の片隅に・・。
それが、こちらの”A Far-Eastern Harvest Girl..”を見た瞬間、はっと記憶がよみがえってきたのです。
実際には確証はありません。
でも、アンティークインテリアのプロフェッショナルとして、ですが、確かな自信があります。
19世紀末から20世紀初頭に存在したヨーロッパの職業画家は星の数ほどいるとは思いますが、
その中で、日本に来て創作活動をした画家など、そう何人もいるはずはありません。
史実による時代考証、そして後述いたしますが、作風画風をチェックしていただいても、
間違いなく彼の作品であることをご納得いただけるのでは、と思っております。
1908年ごろの英国人から見た日本人、というテーマ、そしてアンティーク美術の歴史性について、
アンティークアートの上級者様には、ぜひご覧になっていただきたい、
そして大いに語って、評価していただきたい、
そんな風に、切に、思っている素晴らしい時代性を持つ作品であります・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
とても色鮮やかで心温まる水彩画が入荷して参りました。
今から100年以上前の真のアンティークアートになります。
上品な色使いで、古き良き日本のカントリーシーンが印象的に描かれています。
和骨董の空間でも良いと思いますが、ヨーロピアンアンティークの空間にこそ、
ぴったり、しっくりとくるインテリアかと思います。
作者は ”フランク・アーネスト・ベレスフォードFRANK ERNEST BERESFORD” (1881-1967)。
作品にはサインは確認できません。
作者は扱っていた英国のアンティークアートディーラーの情報ではありません。
デニムの推測になります。
しかしながら、当店の信用を懸けた、かなり確度の高い推察と思っております。
↑Frank E Beresford(1881-1967)
※ちょうどこちらの作品を書いた20代後半ごろではないかと思いますが・・。
彼はイングランド中部の工業都市、ダービーDerby出身。
若いころから、その才能を認められ、将来のアーティストの登竜門、
難関の王立美術院the Royal Academyに入学します。
知的でアカデミックな彼の描写は、多くの貴族たちの好感を得ることになり、
王族貴族の要人たちの肖像画を請け負うことで、彼はどんどん名声を高めていきます。
イギリス19世紀を代表するポートレイトぺインターの一人、と言って良いと思います。
※彼の肖像画の作品例はこちらをご覧ください。
彼の代表的な作品、とされているのは、”The Vigil of the Princes ”。
現在でもロイヤルコレクションとして、英国王室で所有されています。
デニムがフランクを知ったのは、一枚の富士山の絵画。
何か、日本人らしくない富士山の描写が心に引っかかり、調べていくうちに彼に行き当たりました。
1908年から翌年までの2年間。
フランクは王立美術院の奨学金で日本に渡航します。
もちろん、絵画の修行の一環です。
その後、アフリカに旅行したり、戦争アーティストとして英国空軍に同行したりと、
生涯、活動的な創作活動を行っていました。
こちらの作品はそんな彼が観た、1908年~09年の日本のスケッチ。
当時の農婦のいる風景といえば、実際にはどんな感じだったのでしょう?
※ウェブに掲載されていた「1908年の日本」の写真を拝借しています。
こんな感じだった農村風景も、彼の目には色鮮やかに写ったようですね。
デニムには、彼が日本に好感を持っていたような印象を受けました。
そして同じ時期に描かれたと思われる、当時の「東京近くの民家」。
・・いかがですか?
この作品を見れば、ほぼこの”A Far-Eastern Harvest Girl in a Landscape”が彼の作品、
と断言しても良さそうに思っておりますが、果たして?
他にも、こちらのポートレイトの作風から見ても、ほぼ彼の作品であることは間違いなさそうに思います。
さて、こちらの作品のアンティーク絵画としての状態ですが、
年代からは考えられないほどのグッドコンディション。
作品には目立った劣化や退色もなくかなり良い状態でした。
フレームも、製作当時のものかどうかはわかりませんが、
かなり古い時代の価値あるアンティークフレームでしょう。
水彩画には割と簡素なフレームが選ばれやすいのですが、こちらは油彩画のような重厚なゴールドギルトフレーム。
作品の評価がうかがえるようです。
フレームのベースは天然木の無垢フレームですが、かなりぴったりとフレームに装填されていて、
入荷時よりがたつきやぐらつきはありませんでした。
ただ、フレーム自体が無垢のため、少し変形を起こしていたので、形状の矯正のみ行いました。
フレームは、針葉樹系と思われる天然木無垢ベースに、金彩が施されています。
金彩部分には多少小傷がありましたが、目立たないように真鍮粉でタッチアップを施しました。
ゴージャス系のフレームですが、色鮮やかで華やかな水彩画の雰囲気にとてもよくあっていると思います。
絵画自体のコンディションにつきましても良い状態をキープしておりました。
発色も良くダメージと言っていい損傷は全くありません。
支持体は紙と思われますが、劣化や酸化は感じられません。
大切に扱われてきた事が伺われます。
また、見る限りレストア跡はありません。
水彩の修復は油彩に比べて困難で、仮に修復歴があったとしても、
ここまで現状回復されているのであれば、相当なプロの神技ですので、
商品価値には全く影響のないものと思います。
基本的にはオリジナルコンディションと思われます。
背面にはクラフトテープが張られていて、入荷時はボロボロでした。
水彩画ということもあり、なるべく埃が侵入しないよう、入荷時の状態と同じように
フレームと作品の隙間をクラフトテープで封印しておきました。
埃を防ぎながらも背面の状態も確認いただけてよろしいかと思います。
尚、裏側には吊下げ用にフックが付属しておりましたので、
クリーニングを済ませ、見栄え良くチェーンをお取りつけ致しました。
そのまま 安心して飾っていただけるかと思います。
以上、大切な芸術作品ですので、しっかりとチェック&お手入れをさせていただきました。
色鮮やかで場を華やかに演出してくれる素敵なアンティークアートです。
間違いのないクオリティの絵画と思います。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします!
(Restorer/MJ)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
アンティーク家具のプロを自認するデニムではありますが、
まだまだ美術品に関しては研究途上、「鑑定士」と胸を張れるほどの目はまだ養われてはおりません。
そして、こちらの作品の作者については残念ながら不詳。
しかしデニムの前項までの推察では、どんな鑑定士の方も説得できるだけの史実を積み上げてまいりました。
デニムでは英国19-20世紀の時代を代表するポートレイトぺインター、
”フランク・アーネスト・ベレスフォードFRANK ERNEST BERESFORD” (1881-1967)で間違いないものと確信しております。
時代的にも、19世紀後半以降、等身大の女性を描いたポートレイトに美術マーケットのニーズがありました。
個別の史実以外にも、大きな時代の流れから見ても、制作時期が合致いたします。
でも悔しいかな、それらを証明することはできません。
ただ一つだけ、証明できる可能性はあります。
それは・・ベレスフォードBERESFORDのファミリーに直接作品を見てもらうこと。
フランクはアーティストの妻を持ち、二人娘の妹もまたアーティスト、というアーティストファミリーの主。
フランクは生前、娘の姉の方に、ベレスフォードBERESFORDファミリーの作品をまとめてほしいという希望を伝え、
姉はその希望にこたえるように、フランクの死後、作品を取りまとめていた、という情報があります。
そのファミリーの作品集なるものは、ファミリーのホームページが構築されていて、
その様子を垣間見ることはできますが、→ http://beresfordart.net/
ただ、そのホームページによれば、姉はその道半ばで他界してしまったとのこと。
現在ホームページはほとんど「空き家」のようになっていて、
更新はおろか、管理人すらいるかどうかもわからない状況です。
確かに年代を考えれば、フランクの娘たちは2人とも他界していておかしくはなさそう。
フランクを直接知る人に作品を見ていただくのは不可能かと思います。
ただ、もし、その彼女たちに子供がいて、その遺志を受け継ぐ人が残っているのであれば、
このホームページ経由で接触することはできるかもしれません。
とはいえ、いくら直接の子孫たち、といっても、やはり鑑定ともなれば推測を交える以外、
あり得ないとは思いますけど、ね。
フランクの創作活動を直接知っているわけではないはずですし。
とにかく、日本の一般のアンティークファンの方にはそれほど知名度はなくとも、
その道を知る人には間違いなく著名なアーティストです。
何せ、大英帝国の国費ではるばる日本へと渡ってきたという大人物です。
当時まだ27歳の若者だったと思いますが、当然、国賓待遇を受けたものと想像されます。
どこかのサイトに記載されていましたが、何と、当時の明治天皇の「お茶会」にも招かれたとのこと。
間違いなく当時の重要人物、
歴史の中にその名を刻んだほどのアーティストかと思います。
そんなマスタークラスの秀作として考えれば、こちらは絶対に破格のプライス。
埋もれていた「お宝」というべきでしょう。
さて、長文になってしまいましたが、こちらの作品について。
陰影はそれほど強くありませんが、複雑で奥深さの感じる彩りの美しさは、
いかに被写体に深い心情を抱いているか、を示しているようなもの。
写実的でありながら、非常に印象的な描写かと思います。
農婦は年齢的には10代後半くらいでしょうか。
日本人ならわかると思いますが、きっとこんな人はいませんよね。
確かに日本人、とわかることはわかりますが、現実にこんな人はいない。
起伏の少ない目鼻立ちに、細く切れ上がった目、白い肌、
頭が大きく、手足が短い。
色々な日本人の特徴を全て足しあげて、頭数で割ったかのような、
何か、外国人がイメージする、平均的な日本人像を想像して描いたかのようです。
でも、大きな藁の束を背負子(しょいこ)に歩く姿は、きっと実際に見た風景だったのでしょう。
おそらく、ラフスケッチを描きとめておいて、最終的な描き込みはイギリス本国に戻って
イメージして描いた、何か、そんなところではないでしょうか・・?
果たして真実はいかに・・。
しかし!
確実に言えることは、これほど作品のクオリティ、薄っぺらなエセ芸術家によるものでないことは明らかです。
これほどの力作、かなりの時間、そして労力をかけた作品だったことでしょう。
まさに歴史的なアーティストが描いた「お宝」。
ぜひ本物を知るアンティークファンの方に、後世へ引き継いでいっていただきたいものです。
人類の歴史の流れの中で生み出されたアンティーク・ピクチャー、
おくつろぎの空間の「お華」となさっていただければ幸いです・・。
(Sales/YM)
↓Queen Elizabeth (1900–2002) by Frank E Beresford
↓The Vigil of the Princes by Frank E Beresford
↓a small oil of Fujiyama (Bonhams) by Frank E Beresford
↓‘Near Tokyo’by Frank E Beresford
↓‘Portrait of Mrs George Strutt etc.’by Frank E Beresford
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | A Far-Eastern Harvest Girl / Water Colour | |||
品番 |
PA0115
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管理番号 | Lot15-38_1226 | |
販売価格(税込) | 62,640 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 505mm 奥行 40mm 高さ 600mm ※絵のサイズは、幅325mm×高さ425mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック160 送料目安:2,450円~3,010円
(沖縄 3,180円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1900年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1900年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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