PA0147
イギリス
1890年代 Shipping off Ramsgate / Oil Painting
サイズ |
幅 440mm 奥行 50mm 高さ 335mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
今から100年以上前、19世紀末の前のイギリスで制作されたとても古い作品になります。
まるで17世紀、オランダ黄金時代の作品のよう・・。
ネオクラシカルなロココ調のギャラリーフレームに収められた、素晴らしい海洋シーンになります。
英国のディーラー情報によれば、こちらはラムズゲート港Ramsgateからの航海を描いた作品とのこと。
作者のサインはありませんが、背面にかすかに”..Off Ramsgate ”と記載があったということです。
(デニムでは気が付かず、クラフト紙封印してしまいました・・。)
もちろん作家直筆のオリジナル作品になります。
今のところ、デニムでは出来るだけ評価の情報を集めやすくするため、
作者が明瞭な絵画を中心に入手しておりましたが、こちらは別格・・。
アンティークインテリアとして、ぴたりとはまる素敵な描写、イギリス絵画らしいスタイル、
そしてイギリス・クイーンアンの時代から受け継がれたネオロココのギルトウッドフレーム・・。
これだけの好条件がそろっていて、アンティークファンの皆様にご紹介しない手はありませんよね!
こちらはの作品はノーフォークNorfolkのアンティーク絵画ディーラーより、
デニムが直接入手いたしました。
出所情報は、ノースノーフォークのカントリーハウスに住んでいる
イギリス人コレクターのプライベートコレクションだった、ということです。
いかにも個人宅の書斎や個人事務所などに飾られていた絵画のように思われます。
ディーラー情報によれば、17世紀オランダ絵画の黄金期、すなわちゴールデンエイジの影響を強く感じる作品、とのこと。
イギリス絵画でオランダ・ゴールデンエイジを理想としていた一派といえば、有名なノリッジ画派があげられます。
ただ、ノリッジ画派が活動していた時期は19世紀初めのころですので、時期的にはちょっと違います。
作品の芸術性は高く、フレームにも本物の風格がにじみ出ていますので、
ノリッジ画派の画風を正統に受け継いだアーティストが描いたもの、と思われますが、残念ながら情報はなく詳細は不明です。
作品に関しましては、率直に言ってプロフェッショナルな印象。
もちろん表面的にとらえれば、当時よく描かれていたセイリングシップの情景的な印象なのですが、
まだまだこれから自分自身の画風に迷いがあって、あえて過去の(ゴールデンエイジの)作品に似せて描いたような、
まだまだ発展途上の若さを感じます。
といっても、決して悪い意味でそう申し上げているわけではなくて、
要するに、これほどの作品、決してすでにある程度完成された作家ではなく、まだまだこれから才能を開花させ得る、
伸びしろを持ったレベルの職業画家ではないか、ということです。
ちなみにノリッジ画派とは、19世紀初期に結成されたイギリスの地方画派のこと。
ノーフォーク州ノリッジの風景画家、クロームの家で結成されたことでそう呼ばれることになったそうです。
1805年から1834年の間、ノリッジ画派の展覧会を開催していました。
基本的にノリッジ画派は風景画に限った画派で、17世紀のオランダの風景画にならい、
自然観察と素朴な感情を軸としていました。
それまでのイギリスの風景画は、古典主義的で理想主義的な伝統が根強く、ノリッジ画派の運動以降、
自然的風景画の傾向が生まれ、J.コンスタブルやJ.M.W.ターナーへと受け継がれていくようになったいうことです。
こちらの作品には、そんなノリッジ画派から印象派へと発展する時代の中で描かれている印象を受けました。
そんな作品の一方、その額装デザインについてはイギリスの伝統的なヴィクトリアンフレーム。
製作されてちょうど1世紀ほどになりますから、ギャラリーフレームにはやや経年の自然劣化がありましたが、
日々精進しているデニムの修復技術が、ギルトウッドフレームの美観もレベルアップさせています。
年代なりの風合いは感じますが、かなりきれい目に仕上がっているものと思います。
木組みのフレームには新しくしっかりとした剛性感があり、造型もほとんどダメージらしいダメージもありません。
もちろんフレームのクオリティはアンティークならではのゴージャスさ。
どちらかというと、美術品というよりも、素敵なアンティークインテリアとしておすすめしたいです。
でも、作品のクオリティだって十分、アンティークアート上級者の方にもご満足いただけるもの。
コレクションとしても申し分ありません。
小振りなサイズで、インテリアのアクセントなど、ちょっとした空間アレンジにはぴったりと思います。
19世紀イギリス美術の素敵なシースケープを、ぜひエントランスに、書斎に、リビングに・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
19世紀後半に描かれた、作家オリジナル(肉筆)の風景画です。
こちらはキャンバスではなく木製パネルに描かれた油彩画になります。
描かれているのは、イギリスの人気の観光地、ラムズゲート港の海上風景です。
白波立った海面、波間を飛び交う海鳥、そして複数の帆船が
強い強風に立ち向かっているシーンが力強く描かれています。
the Dutch Golden Age painting, 1620-1680
上記は17世紀のオランダ絵画ですが、モチーフとしてはよく似ていますね。
フレームについても、おそらく製作時オリジナルと思われる古いヴィクトリアンフレーム。
素材はギルティング(金彩)の施された天然木ベース。
ハイレリーフの植物や幾何学文様のパターンを周囲に配した、ロココ調 ”Gilt Gesso Frame” です。
フレームはインナー/アウターを組み合わせた、2層構造になっています。
さて、入荷時のコンディションですが、年代を考えれば絵画面自体はかなり良好な状態でした。
古いオイルペイントに見られがちな微細なひび割れも目立たず、
マチエール(作品表面のその作家独特の肌合い)がしっかりと確認出来ます。
しかも無垢板に描かれた板絵ながら、支持体の経年変化による影響は見られません。
100年以上経過したオイルペイントとしては絵画面はとても安定しています。
絵画の下地作りなどのベースとなる工程を正しく理解していないと、
絵画の表面に早い段階で悪い影響を与えることがありますから、
きれいな状態を維持しているこちらの絵画の作者は、芸術性だけでなく技術的な部分もしっかり
体得している方と言えるかと思います。
表面をコーティングしているワニスは少々黄変が見られますが、それもアンティーク絵画の証明、
古色(パテナ)の一部として、雰囲気としては悪くはないものと思います。
フレームに関しては、多少の装飾の欠け程度は見られたものの、ギルティングの状態もまずまず良かったです。
近年レストアをされているのではないかと思われました。
ただ外側の大きい方のフレームが外れた状態になっていました。
メンテナンスのため、一旦各々ばらしてから、作業後にしっかり組み直し、固定しておきました。
フレームの金彩部分の小さな欠けや、経年のくすみなどは、
目立たないように硬質パテで成形しタッチアップを施しました。
あまりきれいにやりすぎてしまうと、のっぺりとして全くアンティークらしくなくなってしまいますので、
目立たないレベルのくすみなどは雰囲気程度に残しています。
もちろん、金彩部分には、当時のゴールドギルトと同様、真鍮粉にて仕上げております。
基本的に金属ですので、経年で古金調に変化していくと思います。
汚れについてはしっかりとメンテナンスオイルでクリーニング、気になる汚れは除去しておきました。
裏面は板絵の保護のため、また何度となく張りかえられたクラフト紙の跡が少し気になるかな、と思われましたので
クリーニングの上、新たにクラフト紙で密閉いたしました。
また、裏側上部にはフックとコードを取り付けましたのでお手元に届いてすぐに
壁にかけていただけます。
また、描かれている絵画自体につきましては、特に塗料はがれなど美観を損なう点もありませんでしたので
基本的にデニムでは手を加えておりません。
ただ、絵画を少しでもクリアに見ていただくために画面洗浄のみ行いました。
洗浄といっても、もちろんザブザブ洗うわけではありません。
面棒の先程度の小さな面積に水を含ませて、ちまちまとやってまいります。
表面を保護しているワニスはどうしても経年とともに黄変していくものですので、完全にクリアに、
というわけにはいきませんが、ワニスの表面の汚れを取り除いてやります。
時間をかけた甲斐あって、空のあたりの淡色系の部分など、ワントーン明るくなったかと思います。
以上、大切な価値ある芸術作品ですので、しっかりメンテナンス致しました。
クラシックなお部屋のアクセントにいかがでしょうか。
担当職人より自信を持ってお勧めいたします。
(Restorer/MJ)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
製作年代は19世紀末ごろのものと思って間違いはなさそうです。
もちろん信頼できるディーラー情報ですので疑う余地はありませんが、
同時期製と思われるヴィクトリアン調フレームのマッチングを見ればまず間違いのないところでしょう。
「100年もの」としてのピュアな質感をお感じいただければと思います。
作品について、こちらはオランダ美術の影響を感じる、ロマン主義的なイギリス古典スタイルの風景画です。
作家のサインが入っていないから、あえていうわけではありませんが、印象としては、
アーティストを志す研究生によって描かれたもの、というような未熟さは全く感じられません。
ある程度、自身の画風を確立しつつある中堅クラスの作家が、何らかの意図をもって、
自分自身の理想形を追い求める、というような芸術観の中で描き上げた一作、といった印象です。
・・でも、それはあくまで筆者の私感です。
イチアンティークアートファンの感想程度にお読みくださいね。
作品については、”Off Ramsgate”というタイトルからして、
イギリス南部、ラムズゲート港を出港する帆船を描いたものと思われます。
風が強く、白波が立つ荒れた海を、風上に向かっていくかのように力強く進んでいく小型の帆船。
当時の人たちには頼もしく目に映ったことでしょう。
その帆船は、19世紀の小型船として典型的なデザイン。
1本マストに三角形の帆がついた、現在でもヨットなどで見られる形状の帆船ですが、
17世紀から19世紀には軍艦としても用いられたということです。
といっても、こちらは軍艦のようには見えませんね。
かといって、漁船のようにもみえませんので、輸送船なのでしょうか?
それはさておき、気になるのはトリコロールの旗(三色旗)がたなびいていること。
・・ということはオランダ船籍の船ということですよね?
イギリス人アーティストならば、凛々しく帆走しているのは自国船、
すなわち”ユニオンジャック”がたなびいている船を描くと思うのですが・・。
それって筆者の考えすぎでしょうか?
それとも、作者はイギリス人ではなくオランダ人、ということなのでしょうか?
ディーラー情報では、イギリス人アーティストの作品、ということでしたので、
その情報を信頼するとすれば、作者は芸術家として、ナショナリズムよりも
自分自身の芸術観を優先した、ということなのでしょうかね。
つまり、見たものをありのままに描く、自然主義的な思考を持ったアーティストだった、と?
それともう一つ気になるのは、風向き。
この帆船が、ラムズゲートからオランダのロッテルダムあたりに向かおうとすれば、
ドーバー海峡を渡ることになりますが、ドーバーは基本的に北東からの風です。
仮に、陸から(ラムズゲート側から)沖へ向かって進む船を見た場合には、
左からのサイドショアになりますので、この絵とは逆方向の風向きです。
大陸側から見た場合であれば、この絵と同じ向き。
う~ん、もしかすると、古いオランダ絵画を見ながら、ラムズゲートの出港シーンを
イメージして描いたとか・・?
まあ、そうはいっても、いつも風向きは一定とは限りませんし、陸からではなく
船上から眺めた海洋シーンを描いたのかもしれませんし、
単なる筆者の思い過ごしという可能性の方が高いような気もしますけど、ね。
いずれにしても、この小さ目なキャンバス(ボード)に多くの空想を膨らませてくれる楽しい作品です。
話が長くなりましたが、とにかく、卓越した芸術センスを持ったマスターによる作品、と確信しています。
複雑で奥深さの感じる彩りは、天性の才。
彩色の妙、というよりも自然な色彩の描写が素晴らしいと思います。
かなり印象的に描きこまれてはいますが、それはこの作者が感じた自然体のリアリズム。
一級のテクニックと思います。
そしてこれほど作品のクオリティ、薄っぺらなエセ芸術家によるものでないことは明らかです。
一糸乱れぬ迷いのない筆の動き、風上ぎりぎりに帆走している臨場感ある描写・・、
若き日にエネルギーを注いだ作品だったことでしょう。
そして作家自身もきっとそれなりに名の通った人物だったことと思いますが、
・・きっとそれは永遠に判明することはないのかもしれません。
そんな俗な欲求などどうでも良い、と思わせてくれる、魅力あるアンティークアートです。
ぜひ大らかなアンティークファンの方に、後世へ引き継いでいっていただきたいものです。
とても好感のもてるアンティーク・ピクチャー、
充電する空間の「滋養強壮剤」となさっていただければ幸いです・・。
(Sales/YM)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | Shipping off Ramsgate / Oil Painting | |||
品番 |
PA0147
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管理番号 | Lot16-23_0910 | |
販売価格(税込) | 54,000 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 440mm 奥行 50mm 高さ 335mm ※絵のサイズは、幅250mm×高さ155mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック120 送料目安:1,770円~2,340円
(沖縄 2,490円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1890年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1890年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ビーチ | |||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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