PA0229 イギリス 1940年代 Malvern Hills / oil painting
サイズ |
幅 895mm 奥行 65mm 高さ 650mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムがおすすめする”アンティークインテリア”のオイルペインティング(油絵)です。
丘を遠くに望む草原地帯を描いたイギリスのランドスケープ。
ヴィクトリアン調の額装に収められた素敵な風景画です。
英国のディーラー情報によれば、20世紀中盤、1940~50年ごろに描かれた、
70~80年前の作品ということです。
作者はイギリス人ペインター、” デビッド・ミードDavid Mead " (1906-1986) 。
イギリスのカントリーシーンや動物画などで優良な作品を数多く残しているアーティストです。
イギリスのアンティーク絵画に詳しい方であれば、その名を知る人も多いのではないかと思います。
デビッド・ミードは英国現地では、20世紀のイギリス風景画家として、広く認知されています。
彼はおそらく職業的なオイルペインターと思われ、欧米のファインアートオークションでは、
彼の作品をかなりの数、目にする事が出来ます。
現代作家のため比較的価格もこなれていて、
アンティークアートの中ではポピュラーな作家のひとりとして数えても良さそうです。
職人コメント欄に、作品情報を掲載させていただきましたが、
おおよそイギリス・ポンドベースで£400~1,000ほどの見積もりがつけられています。
※現在1ポンド=約150円
いろいろな彼の作品を見てみましたが、イギリスの古典スタイルを踏襲したナチュラルな作風で、
確かにくせのない、万人に好感の持たれそうな作風ですので、
アンティークアートとして、これからもさらに評価が上がってくる可能性は十分にあると思います。
彼自身については、バイオグラフィー的な情報は入手できなかったので詳細は不明ですが、
欧米のアートサイトなどでは、20世紀のブリティッシュアーティストとして、
一般に名のあげられる、ランドスケープペインターと紹介されています。
ただ実際に彼の作品を追っていくと、面白いことに、確かに風景画が多いのですが、
そこには人影や建物などを見ることはほとんどありません。
純粋に「自然」のみが被写体とされています。
まあ、それが風景画、といえばそうなのですが、
古い山小屋や古城くらい、景色のいい場所にはありがちではないですか?
そうしたものは一切ない。
ただただ、森林や山河、そして空と雲。
鳥以外、動物の姿すら見ることは稀です。
徹底してます。
彼の興味の対象は、単に目の前の風景だけだったのでしょうか?
それとも、自身の理想を描く原理主義的なナチュラリストだったということでしょうか?
どちらかといえば、後者の印象。
芸術家としての才能だけでなく、個性的な主義主張を持つ人物であったことがうかがわれます。
そんな作品なので、時代の流れを感じさせない作風となっています。
こちらの作品は、イギリスの首都、ロンドンに店を構えるアンティーク絵画ディーラーより入手しました。
かなりコレクション性の高い、高価な作品を多く取り扱っている老舗のアンティークアート専門店です。
作者のサインも右下に残っていますし、信頼できるディーラーですので、
作家オリジナルペイントであることは間違いないでしょう。
ディーラー情報によれば、出所は、イギリス人収集家のプライベートコレクションとのこと。
見る目の確かな富裕層が所有していた作品かと思われますので、作品の評価にも安心感がおけます。
作品情報に関していえば、背面に”マルバーンヒルズMalvern Hills”とあります。
マルバーンヒルズとは、イギリス中部、ウスターシャー州、ヘレフォードシャー 州、
およびグロスターシャー北部にある丘陵地帯で、「丘」だけを指しているのではなく
周辺の田園地帯とマルバーン地区の町や村一帯も含んだ地域の呼称のようです。
国が指定する自然保護区域で、ハイキングコースなども有名な観光地になります。
描かれた場所は、そんなマルバーンヒルズのふもとにあたる草原地帯、
緩やかな下流の川のほとりで風の抜けそうな場所と思われ、さぞ気持ちの良い場所だったことでしょう。
風景画家であるならば、いつか描いてみたい有名な観光スポットだったのかもしれません。
ランドスケープぺインターとして名を上げた彼の、こちらはその典型的な作品、といえそうです・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
1940年代から1950年代にかけて描かれた、作家オリジナル(肉筆)の風景画です。
こちらはキャンバスではなくハードボードに描かれた油彩画になります。
アンティーク絵画としては比較的若い時代の作品になりますが、のどかな田園の風景が、
優れた描写力を持った画家によって英国絵画らしく古典的に描かれていて、
アンティークファンの方にはとても魅力的と思います。
作品のタイトルは”マルバーンヒルズMalvern Hills”。
イングランド中部の観光地です。
Walkers on the Malvern Hills(Wikipedia)
流れる雲、背面にそびえる丘、新緑を映す水面。
時間という概念が失われてしまったかのように、空気がゆったりと流れています。
異国の風景ではありますが、田園風景というのは国内外を問わず、
無条件に惹かれるものがありますね。
でもこちらの作品、筆者的には単なる「風景画」とは異質な印象を受けました。
どこが?・・と言われても、はっきりとはお答えしにくいのですが、
あまりにも端正に整いすぎたその風景の美しさが、あたかも夢の中の景色のようで・・。
現実の風景、というよりも目の前の風景を理想化した風景、といった印象です。
自然な、というよりもむしろ、シュールな感じさえ受けました。
あたかも、超現実主義(シュールレアリスム)、あるいは形而上絵画の旗手、
ジョルジョ・デ・キリコGiorgio de Chirico(1888-1978)の作品をほうふつとさせるようです。
「不安を与えるミューズたち」(1916-1918)
Giorgio de Chirico(1888-1978)
ちょっと言いすぎですかね。
まあ、個人的な感想は置いておいて、ディーラーからの情報によりますと、
作者は”デビッド・ミードDavid Mead ” (1906-1986)とのことです。
サインは見えにくい配色ですが、明瞭に記載があります。
制作年などの記載はなさそうです。
背面にはタイトルが記載されています。
同じ作者の他の作品と比較しても、本人の作品であることは間違いないと思われます。
A Wooded River Landscape
David Mead
Oil on canvas
また背面には、”・・・R.A.”と読めるような表記もあります。
デビッド・ミードに関する詳細なプロフィールはありませんでしたが、
名前の知名度、そしてその技量からしても、イギリス・ロイヤルアカデミーの正会員だったとしても
全く不思議な話ではありません。
さてそんなこちらの作品、フレームについても、作品に負けず劣らず美しい。
素材は天然木ベースにホワイトペイントが施され、エイジング処理をしたものか、
それとも自然の経年劣化なのか、アンティークらしいシャビーな雰囲気に色落ちしています。
デザインは、ハイレリーフの植物や幾何学文様のパターンを周囲に配した、ロココ調 ”Gesso Frame” です。
なかなかこれほどの一級品は目にすることはできないのでは、と思います。
こちらの作品の制作年は1940年前後ですが、フレームもその当時のアンティーククラスの品質に見えます。
デザイン×画風、作品の経年具合×フレームの経年具合、ともに、全く違和感はありません。
さて、入荷時のコンディションですが、絵画面自体には全く問題はありませんでした。
古いオイルペイントに見られがちな微細なひび割れも目立たず、発色も良好です。
ただ少々作品の表面に汚れが付着しているように思われました。
作品自体の発色や描写にはそれほど影響がなかったので、
作品に影響がない範囲で表面のクリーニングを軽めに行っておきました。
フレームに関しては、多少のホワイトペイントの剥がれ程度は見られたものの、風合い的な状態は良かったです。
大事に扱われてきたものと思われました。
絵画パネルとフレームの間には多少ガタつきがありましたので、背面四隅に押さえ縁をつけておきました。
板一枚で覆ってしまうと背面のサインが見えなくなってしまいますからね。
現状がたつきなくしっかりとした状態です。
また、裏側上部にはフックとワイヤーがついていました。
フックはそのまま流用、ワイヤーは劣化のためナイロンロープに交換しました。
それほど重量級の作品ではありませんので、強度としては十分かと思います。
安心してご利用いただける状態です。
背面は特に見苦しいわけでもありませんし、清潔な印象です。
バードボードの状態も確認できますので、特にクラフト紙などで覆わずにに、
現状にてクリーンアップさせていただきました。
フレームの装飾面に関しましては、ちょっとした欠けに硬質パテを充填し、
入り組んだ彫刻の入り隅に詰まった埃はかきだし、しっかりクリーニング致しました。
不自然な塗装剥がれはなかったので、タッチアップペイントなどはせず美観を整えております。
アンティークらしい味わいです。
一連のクリーンアップ等の作業中は絵画面はやさしく養生をしておりますので、作品への影響はありません。
また、描かれている絵画自体につきましては、特に塗料はがれなど美観を損なう点もありませんでしたので
基本的にデニムでは手を加えておりません。
とても雰囲気の良い、素晴らしいアンティーク絵画として、将来にわたって育てていくべき作品だと思います。
ぜひご検討のほど、よろしくお願いいたします!
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
1906年が作者デビッド・ミードの出生年ということは、
こちらの作品は彼が40代前後のころの作品、ということになります。
普通に考えれば、彼の全盛期の作品、といって良いでしょう。
背面には17/21とあるので、一連のシリーズの内のひと作品なのかもしれません。
アンティークインテリアになじみやすいクオリティの高い作品が多く、
R.A.(ロイヤルアカデミー)会員という確かな地位を得ていた人のようなので、
これからもウオッチし続けていきたいアーティストです。
さて、デビッド・ミードに関するバイオグラフィは入手できなかったので、
全てはあくまで想像の域を出ませんが、プロフェッショナルなオイルペインターである彼は、
自身の作品に、純粋に追及すべき理想を抱いていたように思います。
時代を超越した永遠に続く美。
そんな理想が人影や動物など、一切の「移ろうもの」の登場を拒否したのではないでしょうか?
それが筆者には、超・現実的、シュールにすら感じられました。
しかしながら、シュールレアリスムに影響を与えた、ジョルジョ・デ・キリコが活躍したのは1920年前後、
時代的には本当にシュールレアリスムに感化されていてもおかしくはないと思います。
そうは言っても、根本的には、彼は保守志向のだったのでしょう、
19世紀のイギリス美術を受け継ぎ、どこかウィリアム・ターナーを思わせるような、
ロマン主義的な描写を好んでいたように思います。
印象的な木々の写実描写から、幻想的な空や水辺などの印象表現・・。
そして一方では、超現実主義(シュールレアリスム)という美術界の前衛的な潮流。
彼は自分自身の可能性を追い求めながら、
理想的な芸術観の終着点を探していたのではないでしょうか。
さて、作品について、気候としては春から初夏のころでしょうか、
気持ちの良い季節、場所はマルバーンヒルズのハイキングコースなのでしょう、
風抜けの良さそうなスポットで、絶景のロケ―ションです。
おそらくは旅のワンシーン、スケッチなのだと思います。
しかしながら実際には、そんなのんびりとしたものではなく、
それは職業画家としての純粋なるビジネスであったはず。
鮮やかな色遣い、力強く印象的でありながら繊細なタッチ・・、
複雑で奥深さの感じる彩りは、観賞する人に自身のテクニックを誇示しているようにさえ見えます。
おそらくこの絶景のロケーションは、ランドスケープペインターの題材としてふさわしい場所であると確信し、
彼の仕事の一環として、行くべき時に行き、そして、描くべくして描いた、そんな状況だったように思われます。
そんな彼のプロ意識というのは、支持体(絵画を描くベース素材)のハードボードにも見て取れます。
こちらの現代のファイバーボードのような「ハードボード」が普及したのは、
やはりこの作品が描かれた時代と同じ、1940年代といわれています。
職業画家で全盛期だった彼は、進取の精神に富んでいたのでしょう、
素早く、キャンバスとは違う支持体を試したのではないでしょうか?
それは彼のプロ意識の表れではないかと思います。
筆者が感じた彼の作品のシュール感は、そんな彼のアンテナが、
時代の前衛画風をとらえたのかもしれない、ということです。
作品数も多く、本当にエネルギッシュなアーティストだったのでは、と想像しています。
と、いろいろと想像を膨らませてしまいましたが、まあ、いつもの通り、
イチ・アンティークファンの邪推レベルのお話ですので、軽く読み流しておいて下しさいね。
でも、確かそうなのは、それほど遠くない将来、20世紀のイギリス人ランドスケープペインターとして
きっと人気作家のひとりにリストされるであろうこと。
いずれ、サザビーズやクリスティーズなど、世界的なオークションハウスで、見られるようになり、
より多くのアンティークアートファンたちに支持されることになるでしょう。
アーティストとして、彼はその才能を正当に評価される成功者になるはずです。
まだ彼の作品をすべて見たわけではありませんが、ぜひこれからも追いかけてみたいものです。
作品がどのように変遷していったのか、機会があればぜひチェックしてみたいですね。
こちらの絵画は、アーティストとして、名実ともに確かな才能を感じる作品です。
「理想主義」的でありながらも、時代を超えた「美的感覚」で、多くの人々に印象付ける快作だと思います。
後世まで永遠にアンティークファンの心をつかんで離さないことでしょう。
ぜひ、ご自宅の最も大切な場所に。
(Sales/YM)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | Malvern Hills / oil painting | |||
品番 |
PA0229
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管理番号 | Lot20-3_0307 | |
販売価格(税込) | 99,000 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 895mm 奥行 65mm 高さ 650mm ※表側に露出する絵画のサイズは、幅650mm×高さ495mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
ゆうパック140 送料目安:2,120円~2,680円
(沖縄 2,860円)
ゆうパックによる配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 装飾品/Decor > 絵画/写真/美術品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1940年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1940年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | 彩色系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | 一部メンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 年代なり | |||
交換・改造 | 少ない | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
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