CH0261 イギリス 1700年代 17世紀 フレンチカントリー サイドキャビネット
サイズ | 幅 1180mm 奥行 610mm 高さ 760mm 収納部内寸・幅 1080mm 収納部内寸・奥行 545mm 収納部内寸・高さ 365mm |
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Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
お写真でこの重々しさ・・お伝えできるでしょうか?
デニム最古級のアンティーク家具になります。
英国アンティークディーラーの情報によれば、
ジョージアン(ジョージ1~4世の治世:1714~1830)の初期、
およそ18世紀前半の田舎の家具ということで入荷してまいりました。
タイトルに”フレンチカントリー” とありますが、フランスの田舎の家具、というわけではなく、
フランスの田舎風のイギリス家具になります。
ただデニムの見立てでは、年代についてはもう少し前。
17世紀末から18世紀初頭にかけて、歴史上、ちょうどイングランド王国とスコットランド王国が合併し、
今のイギリス連合王国(U.K.)の土台ができたころの家具ではないかと推測しています。
現存するコファーあるいはスウォードボックス(刀剣を収納する櫃)は、
およそ1690年頃、大体この時期に作られた個体が多い、というのがアンティーク家具業界の通説です。
こちらは鍵がついていないので、スウォードボックスではなく何らかの収納庫として使われていた可能性もありますが、
サイズ的にはコファーというよりも、やはり刀剣を収納するのにちょうどよいサイズ、内寸1,080mm。
後年はサイドキャビネットとして使用されていたものだそうですが、
もともとは武器庫だった可能性も十分あります。
・・スウォードボックス。
何だか、ちょっと恐ろしい言葉の響きですね。
当時、戦争の武器を収納していた本物の木箱ですから、21世紀の一般人にはちょっと近付きがたいオーラがあるかも。
でも、前所有者のイギリス人、あっけらかんとかわいい布の内張などして、サイドキャビネットに改造、
ブランケットボックスやリネンキャビネットにでも使っていたのでしょう。
そんな心のおおらかさにはかなりリスペクト・・。
私感はさておき、一応、本当に17世紀のスウォードボックスかどうか、時代考証をしてみます。
ポイントは4点、デザイン、工法、素材の材質、そして経年の状態変化、です。
まずデザイン。
書籍やらネットやらで検索してみると、13世紀から17世紀のほぼ同時代のものまでありましたが、
確かにデザインとしてコファーほど背が低くなく、中のものを取り出しやすいサイドキャビネット型。
こちらのボックスとはほぼ共通、同型であることがわかりました。
サイズはまちまちありますが、「刀剣」は70cm前後の全長が中心で、長いもので1mほど。
その収納庫としてはこのボックス、ぴったりのサイズです。
また、いずれもスウォードボックスはスコットランドのお城から出たものが多いこと、
こちらの出所情報がスコットランドに接したイングランド北部のサンダーランドであることも
話のつじつまが合っています。
カブリオールレッグやホタテ貝風の装飾も、18世紀以降のロココ・クイーンアン風ではなく、
バロック系のCスクロールスタイル(17世紀主流)。
こちらも時代性に合致しています。
次に工法。
本体平面部分はオークの無垢板を、単に接ぎ合わせたかなり原始的な工法。
できるだけ大判の板を使っているので各面一枚板ですが、
天板は「さね継ぎ(隙間が見えないようにかぎ状に組む工法)」やつなぎ材などもせずに
2枚を接ぎ合わせているので、板の収縮で入荷時は隙間が出ていました。
コーナーの接合方法はほぞ継ぎですが、おそらく精度が低かったのでしょう、
すべてテノンペグ(木釘)で補強されています。
鉄の釘打ちはされていません。
一般的に、17世紀には接合技術が急速に進歩した時代で、
継ぎ手にテノンペグで補強することがなくなっていった時期でした。
ただ、当時は情報の伝達が遅く、そうした最新技術の伝播が田舎のエリアまで伝わっていくには
かなり時間がかかっていたそうです。
そういう点でも、このような田舎の家具に関しては、製作年代の時代性としてロジックが通っています。
17世紀末の家具としては、工法的には間違いではありません。
またオリジナルと思われる天板の蝶番(ヒンジ)は、もちろんハンドメイドですが、
形状から見ると、明らかに、まだまだ鉄の加工技術が低かった時代のもの。
非常に硬い錬鉄を強引に曲げて手作りしたかのような、この櫃オリジナルの金具。
良く300年もの間、折れることなく維持されてきたものです。
素材と経年変化につきましては、あくまでデニムの経験に基づく感覚的なものになりますが、
日本の「ミズナラ」に近いヴィクトリアン(19世紀)のオーク材とは少し質感が違って見えます。
ジョージアンのオーク家具(200年前くらい)に近い雰囲気がありますが、
こちらのボックスは時代が正しければ3世紀は経っていることになりますので、
素材の風合いだけで17世紀ものかどうかの判断をすることはちょっと難しいです。
虫食いのあとや木肌の風合いからすると、少なくとも200年前よりも新しい、
ということだけはあり得ない、とは感覚的にわかります。
・・と、以上のことを考え合わせてみると、可能性としては300年位前の家具である確率はかなり高いと思われます。
それにしても、日本で言うとまだ戦国時代にも近い時代のものですから、
普通に考えれば、歴史資料館に飾られていてもおかしくないシロモノ。
それが「実用アンティーク」として普通にマーケットで売られているわけですから、
イギリス人の懐って、よほど深い?
いや、というよりも、たまたま紛れ込んでしまっただけかもしれません。
つまり、相当な掘り出し物ってこと。
古ければ古いほどアンティークに興味のわく方、または武器マニアの方、
これを見逃す手はありませんよ・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
信じられませんが、構造的にはほとんど手を入れる必要のないコンディションでした。
300年以上前の家具がエクセレントコンディション?
あり得ませんよね?
でも事実なのです。
しかも特別レストアされた形跡もありませんでした。
まあ、外観は年代なりの姿でしたけど・・。
唯一手を入れたのは後ろ脚の先。
虫食いと腐食で足先がボロボロ。
致し方ないので、強度のある部分まで腐食部はカットし、現代の硬いオーク材を継ぎ脚いたしました。
ただそれ以外、構造的に影響があるような目立ったダメージはありませんでした。
でも、外観は・・入荷時さすがに300年の時を感じさせるものでした。
え? 写真ではそんなに古くは見えない?
そうなのです。
時代感は失わないようにしながらも、ちょっと気になる欠けや虫食い跡、
気になりそうな黒ずみは吟味してつぶしていき、
古来からのステイン塗料と蜜蝋ワックスで磨いたら、割とキレイ目になってしまったのです。
う~ん、これはレストアラーとしてはきれいになって気持ち良い半面、
「武器収納庫」としてのおどろおどろしさがちょっとなくなってしまったかな・・と。
でも、実際、日常のご家庭でお使いになるのでしたらこのくらいの方がお使いやすいでしょう。
TV台などにご利用いただいても素敵なくらいだと思います。
店舗などのインテリア什器としてお使いになるのでしたら・・、
思う存分、手荒に扱っても、雰囲気が良くなることはあれ、悪くなることはありませんよ!
さて、具体的なメンテの内容ですが、まずは構造面。
板と板の継ぎ目に、素材の収縮で隙間ができていたので、
そのあたりは埋め木で一通り潰しておきました。
300年前の無垢の家具ともなれば収縮などの変形は致し方のないこと。
ただ反りやゆがみは出ていませんのでご安心を。
よほど質の良い材料なのでしょう。
また、前述の脚先の腐食につきましては、幸いデザインされた前脚ではなく、
各脚の後ろ脚だけでしたので、ほとんど違和感なく仕上がりました。
強度的にも太さがありますので全然大丈夫、
がたつきぐらつきはありません。
前脚も傷や欠けなどは細かくチェックし、硬質パテなども使用し、
造形は整えてあります。
ヒンジについては、おそらく300年前のオリジナル。
かなり朽ちている部分もありますが、いまだに重い天蓋を支えるだけの強度はあり、
その金具を受け止めいている木部側もまだまだ実用強度を持っていました。
驚くべきことです。
ただ、撮影のお写真では天蓋を後ろ側に無造作に投げ出して撮影していますが、
あくまで、わかりやすく撮影するための演出ですので実際の実用時には
天蓋は壁などにできるだけ立てかけるなどして、ヒンジにあまり強度をかけないようにしてくださいね。
天蓋だけでも数キロほどの重量はありますし、いくらなんでも300年ものの家具ですので、
そのあたりは常識の範囲内でのご利用方法でお付き合いをお願いいたします。
構造補修の後は外観を仕上げていきます。
まずボックスの内部について、もともと布張りがされていましたが、
布がかなり劣化していましたので、すべてはがし取り、木の素地に戻しています。
内壁は汚れやのり残りでなどの色むらが激しかったので、全面サンダーで削り落としたのち、
一応ステイン塗料で染色をしています。
黒っぽくなってしまいましたが、不潔な感じではないと思います。
そしていよいよ外観補修。
時間を費やしたのは傷と「味」の区別でした。
この傷は残した方が、この傷は消した方が、と一つ一つチェックしていき、補修をしていきました。
深い傷は硬質パテや埋め木で成型し、調色をしたことでそこそこきれい目になったと思います。
隠れる端の部分や自然なダメージなど、あえて少し傷を残した箇所もありますが、
日常でも気にならずにお使いいただける程度には傷消しの処理しています。
前述しましたが、とても目の詰まっている(3世紀の歳月で炭素化した?)素材のため、
ワックスののりがとても良く、ニスなどは一切使っていないのに、なかなか良いつやが乗って仕上がりました。
まあ、これはこれで将来何年経っても磨けば光るということの証明になったわけですが、
マニアの方には古めかしさが足りなくてちょっと物足りないかも。
まあ、そのままほっておけばまた元通り「時代感」はでてきますけど、ね。
一見、ちょっと古い骨董家具。
でも実は300年前のサイドキャビネット。
おそらく今後一生出会うことのない家具です。
次の時代までこの家具とともに過ごしてみたいとお思いの方、
お早目のご検討、お待ちしております。
担当修理職人から自信を持ってお奨めさせていただきます。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
何と!今から300年前!!
アンティークを超えたスーパーアンティークが入荷しました。
17世紀末から18世紀初期につくられたと推定される、ものすごく古~いサイドボードです!
本当に「奇跡」といって良いと思います。
300年前の家具が現存していること自体、ほとんどありえないことなのに
実用家具として、その姿を今に残しているなんて・・。
間違いなく「博物館クラス」のお品です・・。
でも、確かに相当、年季は入っておりますが、
デニムが手塩にかけて仕上げた逸品。
あえてクオリティ、コンディション共に、パーフェクト!と申し上げます。
でも、まだアメリカがイギリスの植民地だったような時代に作られた家具ですので、
”パーフェクト” のご判断は、ご良識の範囲内ということでお願いいたしますね・・。
とにかく、人類が後世に伝えていくべき家具と思っております。
21世紀の子供たちへ、ぜひ引き継いで行っていただければ幸いです。
実用可能なご家庭の骨董資産、家財として、最高のコレクティングファニチャーです。
ぜひご検討ください!!
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | 17世紀 フレンチカントリー サイドキャビネット | |||
品番 |
CH0261
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管理番号 | LC33-23_1023 | |
販売価格(税込) | 220,000 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ | 幅 1180mm 奥行 610mm 高さ 760mm 収納部内寸・幅 1080mm 収納部内寸・奥行 545mm 収納部内寸・高さ 365mm | |||
送料ランク・重量 |
Dランク 送料目安:10,945円~19,525円
(沖縄 29,095円)
らくらく家財宅急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 家具/Furniture > ワードローブ/チェスト/ミラーチェスト |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1700年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン&ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1700年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | マホガニー | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | S級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 金属 | |||
その他の素材のカラー | 素材色 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 年代なり | |||
交換・改造 | 年代なり | |||
実用性 | 年代なり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
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