DC1023 オーストリア 1880年代 ヤコブ&ヨゼフコーンJacob and Josef Kohn No633 ベントウッドチェア
サイズ |
幅 450mm 奥行 565mm 高さ 920mm 座面高 505mm 座面奥行 440mm 座枠高 470mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
今から100年以上前に作られた、大変美しいアンティーク・ベントウッドチェアです。
デニムがフランス人のベントウッドコレクターよりゲットしてまいりました。
こちらは旧トーネットThonet社の前身、ヤコブ&ヨゼフ・コーンJacob and Josef Kohn社製、
トリプルループバックのとても珍しいコレクションピースになります。
※こちらはAC0345 ヤコブ&ヨゼフ.コーンJ&J.Kohn No533 ベントウッドアームチェアと2脚ペアで入荷いたしました。
手間暇のかかった19世紀のベントウッドチェアは、
本当に別格にきれいなラインです・・。
特にトーネット社の当時の最大のライバル企業だったJJコーン社のベントウッドチェアについては、
アンティークで見る限り、率直に言ってその商品性はトーネットを超えていたように思えます。
JJコーン社はもともと、トーネット社の「曲げ木特許」が切れた1869年、
満を持してスタートしたトーネットにとって最大のライバル会社でした。
後発企業でありながら、デザイン力、技術力ともに高く、
アドルフ・ロースの”ミュゼアム”チェア、ヨゼフ・ホフマンの”サナトリウム”のチェアなど、
多くの歴史に残る名作椅子を数多く輩出しました。
しかし、JJコーン社は20世紀にはいるとムンドス社と合併してコーンムンドス(1914年)となり、
さらに第一次大戦が終結した1922年にはトーネット社とも合併し、“トーネット・ムンドス”社と社名変更します。
そうした会社の変遷はいずれも経営的な事情によるところが大きかったようですが、
それ以上に、おそらく相互に商品開発上のメリットがあったものと思われます。
さて、こちらのチェアは、JJコーン社がトーネットやムンドスと合併する前の純粋なJJコーンオリジナル品。
大変貴重な旧書体の刻印&ペーパーラベル入りモデルです。
ベースモデルは、JJコーン社の高級ラインアップでマニアが血眼になって探している”No33”。
No33は籐張り仕様のモデルでしたが、No33には”No533”と”No633”というバリエーションモデルが存在し、
前者が生地張り&パイピングトリム、後者が革(ビニール?)張り&スタッズトリムの仕様となっていました。
※下記エキストラフォトJJコーン社カタログ抜粋ご参照
ということで、こちらのチェアはそのNo33のバリエーションモデル、No533として製作されたものですが、
デニムが生地張りから革張りに変更し、No633の仕様とさせていただきました。
きちんと商品の歴史と仕様を踏まえた適切なメンテナンスです。
尚、No33は、1904年のカタログではすでに定番商品化されていますので、
33番目という数字の若さからいっても、JJコーンがベントウッド事業に参入したほどないころ、
少なくとも1870年代には存在していたモデルと思われます。
当時のカタログプライスから見ても明らかにフラッグシップクラスのチェアで、
サイドチェア、アームチェア、セティと、3種が共通デザインで用意され、
メーカーとしても力の入ったモデルであったことがわかります。
その品質の高さは素材の「質」を見ても明らか。
1世紀以上経過してもほとんど亀裂すら見せない素材のヨーロピアンビーチは、
標準的なベントウッドチェアよりも一回り太く、硬質に感じられます。
さらに3つのループが複雑に絡み合って、2本の後ろ脚と2本のサイドプレス、そして背当てのリングを構成するなど、
当時としては衝撃的ともいえるほどのエポックメイキングなデザイン。
下記にかなり高級クラスのカンファレンスホールで使用されている写真がありますのでそちらもご覧になってください。
世間の評価もわかるというものです。
また製造には高い素材品質と高度なノックダウン(組み立て)のテクニックが必要だったと思われ、
当時の著名なデザイナーたちが、こぞってJJコーン社にその製造依頼をした、
という史実にも確かにうなずけるものがあります。
最高品質のベントウッドファニチャーを供給する一流メーカーの、さらにその中でも最高級ラインのコレクションチェアシリーズ。
それがこのNo33になります。
クラシックな台形の座枠形状、脚の付け根の装飾、通常のアンティークベントウッドよりも一回り大きいサイズ、など、
欧米のマニアたちが好むセールスポイントも満載です。
何よりもトーネットが作らなかった(作れなかった?)デザインですので、
骨董的価値はヨーロッパではSクラスです!
コレクティングファニチャーとしても、非常にコンディションの良い状態で維持されてきていて、
まさに博物館クラスのコンディション。
実用も可能なコレクションピースという点でもかなりポイント高いです!
いつか、日本でもアンティークベントウッドチェアが広く知られるようになった時、
こちらのチェアはきっと手の届かないほどの高級アンティークとなっていることでしょう。
デニムがお勧めできない理由は、まったくどこにもありません・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
19世紀末ごろのトリプルループバックチェアです。
大変珍しいJJコーンNo33モデルになります。
これから先、二度とめぐり合う事がないかもしれない超・希少モデルです。
いや、実は、過去には数年前に一度、巡り合っていました。
見た事もない珍しいデザインだったのでその時の記憶は脳裏に強く焼き付いています。
そして・・ようやく、その時のもやもやとした気持ちがすっきりとしました。
謎が解けたのです。
そのチェアはおそらくNo33のプロトタイプだったのでしょう。
その時、妙に手作り感が溢れていて「どうもメーカー品らしくないな」と思っていたのですが、
このチェアが生まれる前に作られた(あるいは参考にされた)マザーモデルだった、とすればまったく合点がいきます。
まあ、思い出話はこれくらいにしておいて、こちらのチェアの素材について。
ベントウッドならではのヨーロピアンビーチなのですが、ちょっと普通のビーチ材よりも硬質な感じがします。
気のせいか「はじけ」(木割れ)も少ないような・・。
こちらは品質の高さではトーネット社製すら上回るJJコーン社製。
特にこのような高級ラインのチェアには厳選した素材を使っていたのかもしれません。
非常に設計精度の高さが必要になるバックレストデザインですから、
素材品質も重要なポイントだったはずです。
逆にコスト増でもあったはずで、当時は他社のデザインをパクったりパクられたりが当たり前の時代だったにもかかわらず、
トーネットがこのデザインのチェアを作っていなかったのは、このあたりにその理由がありそうですね。
さて、約100年以上経過している曲げ木椅子になりますが、大きく破損したような箇所も無く、
当時のオリジナル性はほぼ完璧に維持していました。
とても貴重なアンティークと思います。
入荷時より全体的にはすばらしいコンディションでした。
背のカービングには突き板の薄いひびや軽い摩耗がありましたが、
アンティークとしては「味」程度のもの。
メンテナンスで一蹴できる程度のものでした。
構造的にも目立ったダメージはなく、塗装面でも比較的手の入れられていた状態でした。
何よりも、マニアの方にお喜びいただける刻印とペーパーラベルがぎりぎり残存している状態。
なかなかこれほどのアンティークにめぐり合うことは難しいものと思います。
メンテナンスは基本メンテナンスをしっかり行うことで、より一層磨きがかかるものと思われました。
ただし!
全てはそううまくいかないもの。
古い椅子の宿命、座面生地が残念ながら使用には耐えられない状態でした。
年代から考えると過去に一度くらいは張り直しをされているとは思われましたが、
おそらくその時の椅子張り職人がとても頑固な人だったのでしょう、
あたかもソファのように座面が作られていました。
スプリングをウェビングテープ(底バネ)に組み付け、「馬毛」を詰め、
古典家具のごとく・・の張りぐるみ仕様です。
う~ん、この状態で再生してよいものか・・。
JJコーン社ほどのメーカーですから、この構造がオリジナルである可能性はあります。
でも、果たして将来、このような古典家具の張りぐるみを行える椅子張り職人が永遠に存在しているかどうか・・。
一般的にトーネットや20世紀以降のベントウッドメーカ―の標準仕様はベニヤの板座に綿入れ。
普通に考えて、ベントウッドチェアが座裏の刻印やラベルを椅子張りで隠してしまうなんて、ちょっと考えにくい、とも思い、
この仕様は途中で変更されたもの、と結論を出しました。
すなわち一般的な板座に綿入れ(今回はウレタン入れ)に変更、いや本来の仕様に再生しよう決断いたしました。
座面には合板を使用し、軽くしなりが出るようにして、チップウレタンと発砲ウレタンを2層にして構成。
生地にはデニムストックの本革「FB0165 本革(濃茶) ニュースムースJ3-635」をセレクト。
縁飾りには「CR0030 ネイルヘッドトリム アンティーク」を使用しました。
そして、もうひとつ。
背当ての生地張りについて。
この点は最初から気になっていたのですが、こんな細いフレームで何度も生地張りを張り替えていたら、
そのうち、くぎの打ちすぎでフレームに亀裂が入って背当てが折れてしまうのではないか・・。
もちろん、1回や2回くらいの張替なら耐えられるでしょう。
でも、このようなチェアにはあと100年は生きていてほしいもの。
とすれば、あと5回や6回は張り替える可能性も出てきます。
筆者が思うに・・もってあと3回か。
と思うと、なんだか背もたれを張り替えるのはちょっと気が引けてきました。
何とかならないものか・・。
そこで、思いだしたのがプロトタイプ。
そうだ、もともとのマザーモデルは背もたれに籐張りも生地張りもされてなかったじゃないか・・!
ひらめいたら即行動。
現代には”エポキシ”というどんな木部のへこみでも埋められるパテが存在していますので、
背当ての生地を張るレールを完全に埋めてしまいました。
折れてしまってからではこのような事はできませんからね。
何事もなかったように、プロトタイプと同じ仕様に再生。
こうしておけば、もし将来どうしても生地張りがしたくなったら、パテを削り落せば、
生地張りのレールも再び作る事が出来ますし、ね。
そして、デニムの塗装の技術で、木部のパテあとも、まったく存在していなかったかのように着色いたしました。
出来栄えはエキストラフォトでご確認なさってください。
・・かつてのプロトタイプが復活したようです。
椅子張りの話ばかりになってしまいましたが、構造面の締め直しなどもしっかりと行っています。
ベントウッドチェアは接合部分の多くが木ねじでのジョイントになっていますので、
緩みや破損がないかどうかのチェックを行い、すべて増し締めを行っています。
劣化しているネジについては、当店ストックのマイナスねじに交換し、
しっかりと組み直しも行っています。
ほぞ組みの箇所にはゆるみがあれば一旦外して古い接着剤をはぎ取り、しっかりと再接着させています。
全てのジョイントは隅々まで点検の後、しっかりと実用強度を確認しています。
また曲げ木のはじけ(薄いひび)や接着はがれはきちんと補修させていただきました。
特に曲げ木の破損や回復不能な形状変化なども無く、構造面で大きな補修は必要ありませんでした。
実用強度にも特に問題のある箇所はありません。
塗装は全体的にやや色あせが進んでいました。
エッジ部分は塗装がはがれて木肌が露出してしまっている箇所もありました。
そういった激しい塗装の傷みは、サンドペーパー処理と英国製ステイン、
そして天然樹脂製のシュラックニスで塗装の再生を行いました。
木肌のメンテを中心とした再塗装で、アンティークなりの色むらは残した仕上げとしておりますので、
ほぼ全面に渡り塗装の補修を行っておりますが、アンティークらしさは失われておりません。
良い仕上がりかと思います。
その他、脚の裏側までもきちんとクリーニング済みですので、全体が清潔な状態です。
最後は塗装の完全感想を待って天然蜜蝋ワックスで磨きあげて仕上げます。
全体的にクリーンで艶やかに仕上がっています。
素晴らしい稀に見るコレクターズアイテムです。
自信をもってお勧め出来るお品です。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
とても珍しいベントウッドチェアが入荷しました。
背もたれがハート型に曲げられた可愛らしいベントウッドチェアです。
アールヌーヴォーのようなツタの絡まるフォルムが、非常に印象深いです。
さすがコレクターズアイテムのJJK社製ベントウッドチェア。
元祖トーネットにはない装飾的な造りで、はっと目を留めてしまうデザインですね。
めったにみる事の出来ない大変貴重なお品だと思います。
状態も、長くコレクターが大切に扱ってきたことがうかがわれるかのようなパーフェクトコンディション。
120年以上たった"ジェニン・アンティーク"ですが、ますます色艶の美しさが増していくでしょう。
きっと将来的にもその価値は認められる椅子だと信じております。
当店のチェアの中ではかなり高価なチェアになりますが、
商品性をしっかりご理解いただければ、きっとその資産価値を認めていただけるものと思います。
ぜひこの機会にご検討いただければ幸いです。
(Sales/SK)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | ヤコブ&ヨゼフコーンJacob and Josef Kohn No633 ベントウッドチェア | |||
品番 |
DC1023
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管理番号 | Lot14-28_0830 | |
販売価格(税込) | 132,000 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 450mm 奥行 565mm 高さ 920mm 座面高 505mm 座面奥行 440mm 座枠高 470mm ※座面高はクッションの頂点で測っておりますので座ると沈み込み幅がございます。 実際に座られた際の座面高は座枠高+αとお考えいただいた方がよろしいかと存じます。 | |||
送料ランク・重量 |
B/2ランク 送料目安:4,400円~7,040円
(沖縄 10,010円)
らくらく家財宅急便による配送:同ランクの椅子をもう1つ同梱できます。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ |
椅子/Chair
> サロンチェア/ホールチェア
無銘の椅子コレクション/Premium Chair Collection > ベントウッド/トーネット |
商品プロフィール | ||||
原産国 | オーストリア | 年代 | 1880年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン&ニス&ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | オーストリア | 年代 | 1880年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ローズウッド | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 革 | |||
その他の素材のカラー | 茶系 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 年代なり | |||
交換・改造 | あり | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
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