OC0033 日本 1930年代 和骨董WA-COTTOO 大正ロマンTAISHO-ROMANスタイル オフィスチェア
サイズ |
幅 430mm 奥行 485mm 高さ 690mm 座面高 425mm 座面奥行 390mm 座枠高 395mm ※ 詳しいサイズは、こちら |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
デニムの和骨董企画パートⅡ、大正ロマンTAISHO-ROMAN編の商品です。
こちらは骨董ファンのお客様より入手しましたメイドインジャパンのデスクチェアです。
昭和初期から中期のものということで入荷してきました。
今から半世紀ほど前に作られたもの、ということになります。
こちらのような「回転椅子」がヨーロッパで流行し始めたのは19世紀末から20世紀初めごろ。
日本でいえば明治末期から大正にかけてでしょうか。
確かに「昭和レトロ」というよりも「大正ロマン」といった感じですね。
しかしながら、実際にこのようなモダンな回転椅子が日本の庶民の間にまで普及したのは、
昭和の初めから中期にかけて。
つまり当時の日本は、「家具の流行」(「文化」と言い換えても良いかもしれません。)が
時代の先端から20年くらい遅れていた、ということなのでしょうね。
ちなみに、1980年代から90年代、
中国は(国民の生活水準が)「20年くらい前の日本」程度と言われていました。
今では、世界第二の経済大国として、当時とは比べ物にならないくらい、豊かに発展していますが、
今から100年ほど前には、ちょうど、20年くらい前の日本人が中国を見ているように、
西洋人たちの目には、日本の文化が遅れているように映ったのではないかと思います。
正直なところ、筆者も認めざるを得ませんでした。
当時の日本の木工家具は、世界的に見て遅れていた、と。
そもそも、日本は「置き家具」をあまり置かない生活文化だったこともあると思いますが、
ヨーロッパには数百年前の家具がゴロゴロと残っているのに対し、
日本にはどれほどの骨董家具が残っているでしょう。
一部の収納家具、例えば桐箪笥などは世界的にも知られていて、大切に保存されていたりもしますが、
例えば「ちゃぶ台」。
ちゃぶ台はそれほど古い歴史を持つものではなく、明治終わりごろから作られたもののようですが、
国民的な家具だったわりに、古いちゃぶ台はほとんど残っていないと思いませんか?
今、古道具屋さんで見かけるちゃぶ台は、ほとんどがせいぜい戦後間もない時期のもの。
比較的新しいものが多いです。
その理由としては、まあ、いろいろ不可避な状況もあったものとは思いますが、
最大の理由は・・残しておくに値しなかった、ということだったのではないでしょうか。
要するに、壊れるまで使い続け、壊れたらしかたなく捨てる、というある意味では日本の美徳観ですが、
だからそもそも、それほど手間暇かけて作らない、という日本的な合理思考が、
永く残せない日本のちゃぶ台を多く生み出してしまったのではないかと思います。
実際、デニムが見てきたちゃぶ台も、その多くが家を作るついでに
大工さんが作っているようなちゃぶ台が多く、素材には柔らかい針葉樹が主に使われ、
直して使い続ける、ということを考えて設計していないので、
これを直すくらいなら新しく買った方が良い、と多くの方が苦渋の決断を下す如く、
デニムでも修理を断念してしまうことも多々ありました。
しかしケヤキやカシ、ミズナラやスギなどで作られた、後世まで残すべき純・日本家具は
どんなことがあっても再生し、後世にまで伝えなければなりません。
ですので・・逆に言えば、今残されている日本の骨董椅子というのは、
本当にとてもつくりが良い。
こちらのような回転椅子もしかり。
こちらのドクターチェアを見てください。
1世紀近くは経過しているというのに、全く変形を見せない素材と、
寸分の狂いもないほぞ組の製作精度の高さ。
実に素晴らしいです。
クッション内部に使われていた座枠も、見えないのに、非常に良い材料が使われていましたので、
表に出して見せる仕様に、デニムでカスタマイズさせていただきました。
こうしておけば、「土手」を作れる専門の椅子張り職人さんでなければ直せなかったシート構造も、
現代の一般的な椅子張りやさんでも直せるようになります。
メンテナンス性は格段に良くなりますので、おそらく、どちらの家具やさんでも
椅子の張替えくらいはできることでしょう。
もちろん、フレーム構造は変えていませんので、元の張りぐるみ式の座面に戻そうと思えば戻すことができます。
見事に再生された日本のかつてのオフィスチェア。
昭和の中期、と言えは半世紀ほど前ですから1940~50年代です。
このころのアメリカの、ヴィンテージオフィスチェアと比べてみてください。
全く遜色なく、既に同等、いやつくりのきめの細かさでは勝っているのではないかと思います。
もちろん、量産品の回転軸などの金物には追い付いていない部分もありますが、
明治以来、工業化を進めてきた日本のモノづくりは、
いよいよ世界レベルにまで達してきたことを示しているようです。
昭和レトロ、いや大正ロマンスタイルといった方が正しいでしょう、
こちらの素敵なオフィスチェア。
ワールドプレミアムチェア「無銘の名作椅子」と呼んでも、
どなたも、全く意義はありませんよね・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
レトロな回転椅子が入荷してまいりました。
昭和中期ごろに作られたもの、ということですが、もう少し古そうに思います。
おそらく昭和初期?
大正時代位の可能性もなくはないですが、感覚的には、
100年前まではいかない70~80年前くらいのセミアンティーク、といった感じです。
まあとにかく、なかなかに年季の入った姿でやってまいりました。手強い相手になりそうです…。
ひとつひとつ確認しながらメンテナンスの計画を立てていきましょう。
まず、目に飛び込んで来るのは座面ですが、入荷時は黒系のビニールレザー地だったようです。
いつの時代かに交換された張地のようで、クッションはぼこぼこ、全体に破れ、スレもございました。
スプリングの押さえも効いておらず、座面がいびつに凸凹してしまっている状態です。
迷うことなく張り替えで決定ですね。
一方、木製のフレーム部分に関してては、脚周りに多少の緩みがあるだけで、
致命的な問題は見られません。
しっかりとした硬質で優良なオーク無垢材が使用されているようですので、
通常の締め直しで強度を回復できそうです。
回転軸も汚れや錆は見られましたが問題なく機能しております。
クリーニングとオイルメンテを施しましょう。
他方、外観については気になる傷やひび割れなどは少なめなものの、木肌はかさついた状態でした。
当然全面塗装の予定になりますが、作業は、木目を美しく活かす明るめの色合いで仕上げ、
シェラックニスでリフレッシュしましょう。
それではまず、シートの使えなくなった部分を取り払います。
詰め物には藁や芝などが使用されています。
半永久的にもつと言われる「馬毛」を詰めた西洋の椅子とは勝手が違います。
クッションの形を整える「土手」と呼ばれる部分も磨耗しており、再利用は厳しいかもしれません。
その下のスプリングも残念ながら破損しておりました。
こちらもいったん外してしまいます。
当時の最高級の椅子、ドクターチェアだけあって、クッションのつくりにも手が込んでいます。
しかし現代でこの構造をキープしていたら逆にオーナー様にとって、
今後の維持に負担になるのでは、との考えも頭をよぎります。
つまり作られた当時と違って、このような構造の場合には直せる場所(工房)が限定されます。
土手を作れる椅子張り職人さんも現代では激減していますからね。
また、仮に直せたとしても「新しく買った方が安い」となれば、
そのチェアは再生されることなく処分されてしまうのが関の山。
そうなれば、このチェアにとって最悪の事態です。
なので、実用面でもメンテナンス面でも、現代の最良の形に変えることが必要だと思われました。
しかしながら、アンティークを知るレストアラーとしては、
「元に戻そうと思えば戻せる」という一線だけは超えないように留意します。
さて、まず座面の復元にかかる前にフレームのメンテを済ませます。
締め直しはいつも通りしっかりと行い、接合部を強化します。
上半身はしっかりとしたほぞ組の構造デザインにより、かなりしっかりとした状態です。
また、下半身は4本脚に金物の面合わせ、とこちらも十分に実用強度を保持しています。
がたつき、ぐらつきはありません。
気になるスチール製の回転軸も幸いダメージはありませんでした。
ここが傷んでいると厄介なのですが、昇降機能には全く問題ありません。
右回りで伸びていき、左回りで降りていきます。
ただ、もともとのものか、目いっぱい伸ばすと、ゆらつきが出るので、
伸ばすのは実用的には数センチ程度、ほどほどでご利用された方がよろしいかと思います。
もちろん、回転軸は汚れを磨き上げたのち、オイルメンテをして動きを良くしています。
構造補修時には、同時にクリーニングも欠かしません。
全体に水拭きし、金属部は汚れを磨き落とし、「CR0248 アンクルビル オールメタルポリッシュ」で仕上げます。
かさついた木部はサンディングで木肌を整えます。
塗装はライトオーク色のオイルステインで油分を補充しつつ、着色。
この時点で入荷時とはだいぶ印象が変わってまいりました。
仕上げのシェラックニスはレトロな雰囲気が損なわれないよう、
艶をいつもより、気持ちおさえておきます。
木質感を活かした落ち着いた表情になったかと思います。
塗装が終わり、いよいよ座面張りに取りかかります。
所有されるうえでの後先を考えながら、現在で最適の仕様に変更をしていきます。
スプリングがベースのチェアについては、通常、傷みがなければクッションの基礎部分はそのまま再利用。
表層の詰め物だけ、衛生面を考え、現代のウレタンや綿などと交換し、座り心地を整えます。
今回はその基礎部分が残念ながら再利用不能となってしまいましたので、
入荷時の座面構成から少し変更することにいたしました。
まず、元は張ぐるみという、座面と座面枠の垂直面(側面)も生地で覆うデザインですが、これを改め、
座面枠の水平面で見切り、スッキリとしたフォルムにする作戦です。
確かに張りぐるみのフォルムは、イギリスアンティークのバルーンバックチェアなどのデザインには
よく合うのですが、現代的に見て、オフィスチェアに採用すると、ちょっと大げさで野暮ったくも感じます。
(感じ方は人それぞれですが。)
また、今やこのクッションの基礎部分を作れるような椅子張り職人は、全国的に見てほぼ絶滅に近い状態ですので、
万が一、デニム以外で再生したいとなった場合には、恐らく大変なご苦労をされることになると思われます。
以上の点から、現代のインテリアにしっくりくるデザイン性や、後々のメンテナンス性も考慮すると、
張りぐるみ式ではなく平留め式の張り方にするのが最適なのでは、との結論に至りました。
ということでさっそく実行です。
ウェビングテープを張って基礎とし、その上に麻布、二種類のクッション素材を乗せ、形を整えます。
表張りには生地張りを改め、シャープな印象にするべく、ちょっと赤みのあるブラウンレザーを選択いたしました。
中でもソファなどの椅子張りに使う厚手のステアハイドレザー、「FB0140 本革(エンジ)」をチョイス。
もちろん張り上げにはなかなかに手間はかかりますが、基本的にどちらの椅子張りやさんでも対応可能な仕様です。
張り上げたのち、仕上げに縁をパイピング使いと鋲で処理し、アクセントにします。
狙い通り現代風で、スッキリと仕上がったのではないでしょうか。
まだまだ真新しい、ちょっとよそよそしげな革なので、
これから日々お使いいただく中で「味」を深めていっていただければと思います。
後は組み上げて完成です。
デニムが精魂込めた会心の一作です。
お届け前には天然密蝋ワックスでさらに磨きをかけてのお渡しとなります。
納得の仕上がりです。
自信をもってお奨めさせていただきます。
(Restorer/MJ)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
日本が世界に誇れるメイドインジャパンのチェアです。
レトロな雰囲気に、長く耐久性に優れるジェニンレザー(本革)も、本物にふさわしいマッチングです。
洋の東西、時代の新旧を問わずインテリアに溶け込む雰囲気、
コンパクトでデスクチェアなどとしてのユーティリティ性の高さも強く評価できるポイントです!
材も良く、作りも良く、(メンテも良く・・自画自賛。)
いずれ高い評価を得ることになるチェアではないでしょうか。
“ヘリテイジ”(遺産)と呼ぶにふさわしい、「無銘の名作椅子」で、
かつ、日本人の心「大和魂」が正統に受け継がれた、本当に希少なお品だと思います。
アンティーク調ではなく本物をお求めの方、
この椅子を、そしてこの椅子のもつ「歴史」を次代へ引き継いで行っていただけるオーナー、
大募集いたします!
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | 和骨董WA-COTTOO 大正ロマンTAISHO-ROMANスタイル オフィスチェア | |||
品番 |
OC0033
|
管理番号 | Lot16-7_0416 | |
販売価格(税込) | 47,520 円 | 在庫数 | 0 | |
サイズ |
幅 430mm 奥行 485mm 高さ 690mm 座面高 425mm 座面奥行 390mm 座枠高 395mm ※回転機構につきましては、昔ながらの、座面を回すだけで昇降が出来るタイプとなっております。 ※サイズは最小値を記載しています。 ※最大のサイズは、高さ800mm、座面高520mmです。 | |||
送料ランク・重量 |
Bランク 送料目安:4,400円~7,040円
(沖縄 10,010円)
らくらく家財宅急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ | 椅子/Chair > オフィスチェア/デスクチェア |
商品プロフィール | ||||
原産国 | 日本 | 年代 | 1930年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン・ニス・ワックス仕上げ | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | 日本 | 年代 | 1930年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | マホガニー | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | 1級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 金属 | |||
その他の素材のカラー | 素材色 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 少ない | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | なし | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | A |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。