HA0170 イギリス 1830年代 ウィリアム4世William IVスタイル マホガニー プリ デュPrie dieu チェア
サイズ | 幅 540mm 奥行 630mm 高さ 1125mm 座面高 405mm 座面奥行 400mm 座枠高 355mm |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。
Outline/商品の概要(仕入担当者からのコメント)
今から何と!190年以上前、19世紀前半のイギリスで製作された、
”プリ・デュ・チェア”Prie dieu chair(祈り椅子)です。
リージェンシースタイルの流れを組む、“ウィリアム4世WilliamⅣ”時代の芸術品になります。
正真正銘の「本物」です。
あまり出てこない時代のチェアですので簡単に解説させていただきますが、
ウィリアム4世は1830年から1837年のわずか7年間君臨した、
イギリス・ハノーヴァー朝第5代君主になります。
ちなみに第6代君主は、かの“クイーン・ヴィクトリアQueen Victoria”で、
ヴィクトリア女王(1837~1901)はウィリアム4世の姪にあたります。
ヴィクトリアン様式の家具は頻繁に当サイトでもご紹介させていただいておりますので、
十分にご存知ですよね。
また、前の時代の第4代君主は“ジョージ4世George Ⅳ”(1820~1830)で、彼は皇太子時代から
“リージェント(摂政)”として政務を担当していたことで、彼の時代は“リージェンシー”と呼ばれています。
その時代のデザイン、リージェンシースタイルの家具も後年のリプロダクション(復刻家具)として、
ヴィクトリアンの家具同様、多く見られるデザインです。
ウィリアム4世の時代は、そんなヴィクトリアンとリージェンシーの時代に挟まれた、短命な時代。
そのため、デザイン様式としては産出された家具も少量で、家具史的にも地味な印象になってしまっておりますが、
それでも、英国家具の歴史を知るうえでは、とても重要な時代でした。
すなわち、ひとつには、ウィリアム4世の時代は前近代的な(手工業としての)家具産業が
その規模、技術力ともにピークを迎えていた時代であったこと、があげられます。
英国家具の「黄金期」と言えば、あのトーマス・チッペンデールたちが活躍した、
“ジョージ3世George Ⅲ”(1760~1820)の時代を指しますが、それは言ってみれば「発展期」。
職人の技術水準が向上し、産業として「成熟期」に入ったのはウィリアム4世の時代だったようです。
何でも、熟練した家具職人が何と数千人規模!で存在していたとのことで、
家具産業が当時、最先端の“基幹”産業だったことが想像されます。
またウィリアム4世の時代の家具が重要である2つ目の理由として、
その時代に作られた家具が「最後の古典主義」様式の家具、と言われていることです。
次のヴィクトリアンの時代には、後に家具の量産化が始まり、
家具の一部では近代的な「工業製品」に成り下がってしまいました。
ヴィクトリアンの家具デザイン自体も、過去の様式を折衷した、
独自性の低いものであったことも挙げられています。
(決してレベルが低かったと言っているわけではございません。念のため。)
つまり、19世紀ヴィクトリアンの時代以降、商業製品としての家具が一般に普及します。
家具がまだ庶民には手の届かない富裕層の贅沢品だったり、椅子がその人の身分をあらわしていたりしていたのは
このウィリアム4世の時代が最後だったのです。
もちろん、デザイン性だけではなく、今では入手できないような銘木が使われていたり、
高い技術を持った「匠」でなければ製作できないような造形を伴っていたり、と
アンティーク家具ならではの品質も、この時代以前のものであればほぼ間違いなくトップレベルのお品です。
従って、年式に偽りさえなければ、ウィリアム4世時代以前の英国家具は、
全て歴史的な芸術品、あるいは「過去の文化遺産」と断言しても良いと思います。
・・このチェアのデザインは、いわゆる“リージェンシー”(摂政)スタイル、
それも“オールドフレンチ”と呼ばれる、フランス“ルイ14世”様式の流れを組む正統なもので
伝統家具としての血統、製作者の主張、マニュファクチャーの水準、素材の等級・・、等
その全てが最高位に位置づけられるものです。
ダイナミックな曲線美は、歴史上最高級のマホガニー材、中米産スパニッシュマホガニーを贅沢にも削りだして構成。
そこには合理化、コストダウン、などといった思想などみじんもなく、
ただ、ただ、シンプルに、良い材料を最高の技術でつくった結果、創造された椅子になります。
おそらくは「祈り椅子(プレイヤーズチェア)」として作られた、特別な低座椅子。
細身の貴婦人のために仕立てられた、オーダーメイド品と思われます。
2世紀近くもの間、大切に受け継がれてきたまさに「芸術品」。
その価値はこれからも長く受け継がれて行くことでしょう。
デニムがお勧めできない理由はどこにもありません・・。
(Buyer/YM)
Condition/商品の状態(修理担当職人からのコメント)
19世紀前半の最高級アンティークチェアです。
座面高が40.5cmということなので、低座椅子になりますね。
ただ、日本製の一般的なダイニングチェアは、40~43cmくらいですので、
イギリスの椅子としては、座面高が低い、といったところでしょうか。
素材のマホガニーは色合いも美しいとても良質な無垢材です。
それも木肌のきめが細かく、赤みが強い ”スパニッシュマホガニー”と呼ばれる銘木級の逸材です。
現代において最高のマホガニー、“ホンジュラス” マホガニーが一般材だった時代の最高級材で、
”サーカシア・ウォルナット”や”ブラジリアン・ローズウッド” などと同様、
マホガニー材の中でも最高位に位置づけられる材料です。
スパニッシュマホガニーは比重が重く、歳月を経るほど赤銅色に変化し、磨けば磨くほど艶を増す特徴があります。
その銘木を、これだけの杢目とサイズで揃えられるとは、今では考えられない仕様です。
造形などもすべて無垢の本体を削り出したもので、見た目よりも相当大きな材料が必要になり、
お金に糸目をかけずにオーダーされたチェアであることが良くわかります。
さて、コンディションも入荷時より良好でした。
大切に扱われてきたことが伺われるように、傷やダメージもほとんど見られず、
塗装のコンディションも古艶ののった素晴らしい状態でした。
トップの透かし彫り彫刻や削り出された飾り面も、ほぼ当時の状態を維持しています。
ダメージなどはほとんどなく、小さな欠けや薄い傷程度で、19世紀のこれほど手の込んだ造形が
このレベルならほぼパーフェクトといって良いと思います。
座面生地は入荷時オリジナルの花柄系ジャガード織り。
後年張り替えられたと思われる生地ですが、やや毛羽立ちなどの使用感は認められるものの、
ご覧のようにとてもぴったりでより華やかに見せている印象ですので、
クリーニングをして再利用させていただくことといたしました。
お張替え自体は問題なく、どこの家具屋さんでも対応のできる構造ですので、
当面はカジュアルにお使いいただき、椅子の「格」にふさわしい生地が見つかった時、
お張替えされることをお勧めいたします。
足元にはキャスターが付いていますが、こちらも動作は現役です。
ただ、おそらく2世紀前の貴重なオリジナルと思われますので、一応まだ使えるといったレベルです。
動きは渋く、ややがたつきがあるものの、まだ新品交換が必要な状態ではありません。
ということで、全体的に入荷時より状態の良いお品でしたので、
基本メンテナンスをしっかりと行うことといたしました。
まずクリーニングから。
エアーダスターで徹底的にホコリを叩き出しました。
デニム愛用の「CR0307 HOWARD Naturals アプホールスタリークリーナー 473ml」を使用し、
シート生地全体を拭き上げながら、生地の表面を再度チェックしました。
尚、クッションは底ばねが伸びているようでしたので、その点についてはは
一旦座面をはがし、しっかりと張り直しを行っています。
構造面では、もともとフレームにはしっかりとした十分な強度がありました。
とはいえ、接合部はきちんと締め直し、ガタつきやぐらつきは補正しております。
同時に、木部清掃は隅々までしっかりと、ひっくり返しては裏の裏まで、
丁寧にクリーニングを行いました。
デニム独自のリンシードオイルでウッドトリートメントも行い、木部の状態も入念に整えております。
オイルステインで磨いて微小な傷のメンテナンスも行いました。
仕上げは全体を天然樹脂製のシェラックニスでコーティング。
艶やかにフィニッシュいたしました。
きれい目ながらアンティークらしさは失われることはなく、
良い味わいの仕上がりかと思います。
最後に、キャスターを外して一つ一つ、丁寧に磨き上げました。
さすがに内部などは磨けない部分もございますが、良いアクセントになる程度にきれいになっています。
出荷前には塗装の完全乾燥を待ち、天然ビーズ(蜜蝋)ワックスでさらに磨き上げてお届けさせていただきます。
入荷時から素晴らしいコンディションに恵まれておりましたので
仕上がり具合も良好です。
これほどのお品にはそうは出会えない素晴らしいアンティークチェアだと思います。
コンディションもお勧めできるエクセレントクラスの超・一級品です。
(Restorer/YM)
Impression/当店の評価(お客様担当からのコメント)
神々しく高い位置に設置されたトップレイル(笠木)と、
T字型フォルムのスプラットバック(背当て)・・。
18世紀から19世紀、ヨーロッパ各地でみられた「祈り椅子」、
”プリ・デュ・チェア”Prie dieu chairになります。
190年経過したとはとても思えないコンディション。
全く色あせることのない、それどころか、
ますます評価の高まっていきそうな、新鮮なフォルムです。
何とも表現が難しい、
アンティーク・レッド・マホガニーの木肌の美しさ・・。
上品さの漂うこちらのお椅子を前にして、しばし息をつめて見つめてしまいました。
本当に、歴代のオーナー様がきちんと手入れをされ、大切に扱われてきたことが伺われます。
また、後年に交換されたものと思いますが、座面はこのチェアにふさわしい、花柄ジャガード。
華やかながら、アンティークらしさを一層引き立てています!
高価なチェアではありますが、これからお付き合いいただく長い歳月をお考えいただければと思っております。
どうぞお早めにご検討を!
(Sales/TJ)
※各項目の文字をクリックするとその項目の説明ページにジャンプします。
商品基本情報 | ||||
品名 | ウィリアム4世William IVスタイル マホガニー プリ デュPrie dieu チェア | |||
品番 |
HA0170
|
管理番号 | LC35-11_0219 | |
販売価格(税込) | 82,500 円 | 在庫数 | 1 | |
サイズ | 幅 540mm 奥行 630mm 高さ 1125mm 座面高 405mm 座面奥行 400mm 座枠高 355mm | |||
送料ランク・重量 |
Cランク 送料目安:7,535円~13,035円
(沖縄 18,865円)
らくらく家財宅急便による配送になります。 ※ 同梱可能な複数商品の送料はご注文後に別途お見積りをご提示いたします。 | |||
商品分類 | クラス | |||
デザイン | ||||
ユース | ||||
ランク | ||||
カテゴリ |
椅子/Chair
> アームチェア
無銘の椅子コレクション/Premium Chair Collection > 無銘の名作椅子 アンティークのアウトレット/Antique Outlet > ディスカウント/お値下げ品 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1830年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ||||
主要素材の材質 | ||||
主要素材の等級 | ||||
商品の無垢率 | ||||
カラー | ||||
塗装・仕上げ | ステイン&ニス ワックス | |||
その他素材 | ||||
その他の素材のカラー | ||||
メンテナンス状況 | ||||
コンディション | 傷の程度 | |||
目立つ傷 | ||||
交換・改造 | ||||
実用性 |
商品プロフィール | ||||
原産国 | イギリス | 年代 | 1830年代 | |
メーカー | デザイナー | |||
主要素材 | ウォルナット | |||
主要素材の材質 | 無垢材 | |||
主要素材の等級 | S級 | |||
商品の無垢率 | 90%以上 | |||
カラー | ダーク系 | |||
塗装・仕上げ | ||||
その他素材 | 布 | |||
その他の素材のカラー | 茶系 | |||
メンテナンス状況 | フルメンテナンス | |||
コンディション | 傷の程度 | 年代なり | ||
目立つ傷 | 少ない | |||
交換・改造 | 少ない | |||
実用性 | あり |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 |
商品評価 | ||
デニムの総合評価 | S |
アンティーク家具・照明の専門店「デニム アンティーク ファニチャー」へようこそ!当店ではチェアやテーブル、キャビネットなどのイギリス(英国)アンティーク家具やランプ、シャンデリアなどのフランスアンティーク照明を低価格と安心品質で全国へお届けしております。